2020/05/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 カフェテラス」に竜胆さんが現れました。
竜胆 > 富裕地区のどこにでもあるカフェテラス、その一角にの席に腰を下ろし、書物を開く少女がいる。
 その少女は、背中には竜の翼があり、スカートの下には、竜の尾が垂れていて、その竜の尾は、ふらり、ふらり、と揺れている。
 作り物ではなく、本物―――このカフェテラスで本を読んでいる少女は、まぎれもなく竜であり、種族としては人竜と言い、人間と竜のハーフ。
 そんな少女はトゥルネソル商会の三姉妹のうち次女で、存在がそれこそ、幻想か何かかと言われてる娘。
 家からほとんど出ない、出るとしてもすぐに家に戻る、超引きこもりであり、従業員の中でも、いたの、と言われるレベルの娘。
 むしろ、走り回っている三女が次女だと思われているレベルでの女。

 珍しく―――本当に、珍しくだ。
 カフェテラスで、静かに本を読んでいる、魔導書ではなく、一般的な教養の本である。
 何かを待っているような、それともただ、其処にいるだけなのか。

 少女はほかに視線を向けることなく、本をめくる。紙を擦る音がする。
 手を伸ばして、コーヒーを一口。
 本当に、静かな時間が、流れている。

竜胆 > 「――――。」

 少女ははらり、はらり、と本を捲り、静かに時を過ごしている………。
 視線を外すことなく、ただ、ただ、本を読み耽る、その内容を確認するように、一枚、一枚をめくる手の速度は遅くて。
 書物をめくり、文字を眺め、珈琲を飲む。
 そんな静かな時間を、堪能するかのように少女はめくり、読む。

 カフェテラスは、静かなようだ、基本的に安全で静かな場所、それに、ここは―――富裕地区だから。
 ふと、カップを手にし、口に近づけてから視線を向けた。

「あら。」

 もう、珈琲が亡くなっていることに気が付いてなかったのだ。
 お代わりを注文し、少女は軽く息を吐き、周囲を見回してみる。

竜胆 > 「――――。ふむ。」

 視線をあげたが、特に誰かがいるわけではない、まあそういうモノなのだろうと、少女は思う。
 ここは安全だからこそ、騒ぎが少ないし。騒ぎが少ないという事は安全という事であり、安全だという事は、広義的に言えば。
 人が少ないという事でもある。
 人が少ないと喧噪も騒動も少なくなるのだから、仕方がない。

「それはそれで面白くないものね。」

 もっと喧噪の多いところに、遊びに行くのもいいかしら、少女は軽く空を見て考えるのだ。
 混沌とした場所のほうが、色々と刺激があるかもしれないしね、と、小さく笑い、視線を向ける。
 その方向は―――。
 どこを見ているのだろうか、人ならぬ視力の少女しか、判らぬだろう場所