2020/05/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にヴァレリー=D=ツインテイルさんが現れました。
ヴァレリー=D=ツインテイル > 富裕地区、とある邸宅でのパーティ。
貴族が集まり、会話や食事を楽しんでいる。
中には、酒の勢いで人気の無いところへ、なんて貴族達もいるかもしれない。

「フフ、イヤですわハインネス様……。
 あぁ、そういえば。以前お体の疲れが取れない、と仰ってましたので。
 こちらのお薬など、非常に効果があると市井で話題でしたわ」

そんな中、一人の少女が会話をしながら、貴族達に薬を配っていた。
表向きは、栄養剤と称しながら。
その実、その薬はとある組織が開発した、ろくでもない代物なのだが。
少女はそんなことを感じさせず、薬を提供していく。

「……フフフフフ。順調ですわぁ……。
 これは組織内での私の評価、爆上がり間違いなしですわね。
 オーーーーーー、ッホッホッホ、ホッ!」

一通り悪事を働けば、人のいないところで高笑い。
傍から見たらイタイ子であるが。
この少女こそ、その悪の組織の幹部の一人であり。
現在まさに悪事進行中、なのであった。

「よし、貴族たちにはある程度配りましたから。
 今度は参加者の中で、比較的平民っぽい人たちにも配りましょう」

オホン、と一度咳払いをし、パーティ会場に戻る少女。
みごとにくるんくるんな髪を掻き上げ、颯爽と歩く姿は貴族然としているが。
その中身は……非常に残念な子である。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にダミアンさんが現れました。
ダミアン > 僕は今夜、仕事先の紹介で富裕地区の邸宅で行われているパーティーに呼ばれてしまいました。
昨日素敵な一夜を経験した僕は、自分があまりにお金を持っていないことを実感してしまいました。

先輩たちから頂いた金貨もいつかは返したいと思っていますし、もう一度あの子に会いたいです。
その為には給金が高い仕事もしないといけないと思っていたところで、今日のお仕事です。

格好いい黒いスーツを着せて貰い、来場される方のお世話をするのが僕たちの仕事です。

僕以外にも綺麗な男の子や、女の子がたくさん呼ばれています。
時々お客さんに声を掛けられ、どこかに行く子たちも居たりして、なんだか不穏な空気を感じます。

そして、僕は高笑いをあげている女の人に近づき、声を掛けました。

「こんばんは、お酒をお持ち致しましょうか。」

パーティー会場を凛と歩くお姿は人目を集めています。
とっても綺麗な人です。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「……あら。アナタ、初めて見る顔ですわね」

声をかけられ、少女は声の主を振り返る。
様々なパーティに参加している少女だが。
初めて見る顔であるな、と考え込む様子。

「まぁ、いいですわ。そうですわね……。
 マティーニを。あぁただし……。
 火酒のマティーニを、ステアではなくシェイクで」

少女は、カクテルを頼みつつ。相手のことを見る。
じろじろ。値踏みするような視線。

(……さ、さすがにこんな若い男の子には薬は渡せませんわね……。
 まぁ、アレですわね。余り動きすぎてもよくありませんし。
 今宵はもう、大人しくいたしましょうか)

そう考えつつ、相手に笑顔を向け。

「アナタ、お名前は?
 私への気配り、見事ですから。
 お名前くらい覚えてさしあげてもよくってよ?」

少女は髪を掻き上げ、そう言う。
ハッキリ言って、鼻持ちならぬ貴族、という様子が溢れていた。
人によっては、気に入らない、と思うかもしれない。

ダミアン > 「はい、初めて出させて頂いております。」

僕は最初に教わったように、会釈をしました。
何度か練習の時間を頂いたのですが、着慣れない服と言うこともあり、
相当ぎこちないお辞儀をしていたかもしれません。

「はい、わかりました!」

僕は外国語で注文を受けた様な気分だったのですが、
後ろで聞いていた方が注文通りのお酒をグラスに入れて渡してくれました。
なんでも、お酒に自信のある方が良く頼まれる内容だそうです。

「お待たせいたしました、お嬢様。
はい、ダミアンと申します。」

昨日のあの子とはまた違った、貴族らしいお嬢様に、僕はお酒を差し出します。
平民地区のお店でも良くやっているのですが、今日は凄い貴族の方々ばかりです。
僕は傍目にも分かるほどに緊張しているでしょう。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「……ふぅん、新人ですのね」

少女は、相手のお辞儀を見ながら納得したように頷く。
動きは慣れていないが、真面目さのにじみ出た一礼。
なるほど、まぁまぁ、好ましい勤務態度といえる、とばかりの視線。

(……元気のいい子ですわね。
 正直、こんな貴族のパーティにいるには。
 ふさわしくない子ですわ)

この国の貴族のパーティ。それは、少なくとも綺麗なものではない。
いや、むしろ穢れていると言ってもいいかもしれない。
それゆえに、少女は、若き少年がこのような場所で働くことに。
ほんの少しだけ、心を痛めたが。

「ふむ。まぁまぁ、仕事はできるようですわね。
 ……ダミアン。そう。いい名前ですわ。覚えましたわよ。
 私はヴァレリー。ヴァレリー=D=ツインテイル。
 ツインテイル家の娘ですわ。覚えておきなさい、ダミアン。
 オーーーーホッホッホッ! ……では。
 ……んっく、んっ……っ! ゲハッ、ガハッ! ゲッホッホッ!」

優雅に酒を受け取り、相手に名乗りつつ、貴族らしく高貴にスマイル。
そこから高笑いしたかと思えば、酒を飲む少女であったが。
……突然、咳き込み始める。かなり長い間咳き込んだかと思えば。

「……きょ、今日のマティーニは、ちょっと濃いですわね」

涙目でそう言い、空のグラスを相手に差し出す。
ちょっと鼻水とかも出ていた。
そう、この少女。別段お酒に強いわけではない。
カッコつけで注文しただけなのだ。強い酒を。

ダミアン > 「至らない所がありましたら、お申し付けください。」

このセリフを言う時、僕は一際緊張してしまいます。
実際、今日のパーティーではまだ見ていませんが、
中にはとんでもなく怖い貴族も居るようで。
そんな方に目を付けられて辞めた子も居ると聞きます。
その代わり、僕みたいなのでも高い給金で入れて頂けるのですが。

「ありがとうございます!」

褒められました。格好いいご令嬢は性格も格好良いようです。

僕は優雅にお酒を飲まれる姿を魅入っていました。
僕はお酒が飲めないこともあって、お酒を飲む人に憧れます。

「ああ、大丈夫ですか。」

こんなことも想定されているのか、僕たちはハンカチを携帯するように言われています。
早速、お嬢様の口元や鼻を拭こうとしました。

人によっては勝手なことをするなと怒られるそうですが、その時はその時です。

「次はどんなお酒を注文されますか? 軽いお飲み物もございますよ。」

僕はお嬢様の耳元で囁きます。
実際、弱いのを気づかれたくない方のためのお酒も用意されていると聞いていました。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「えぇ、そうさせていただきますわ。
 せいぜい色々と学びなさい」

相手の言葉に、偉そうに言う少女。
実際、貴族だからある程度偉いのかもしれないが。
ただ、この言葉は少女なりの優しさも含まれていた。
指摘されたら、そこから学べ、という意味なのだ。

「いい返事ですわ。仕事はまず元気良く。
 ただし、うるさくならない程度に、ですわよ」

相手の元気のいい返事に少女は頷き、酒を口にするのだが。
そこで、見事に見得は吹き飛んでしまう。

「えほっ、えほっ……は、鼻に逆流したぁ……」

情けない姿だが、相手に顔を拭われ、少し落ち着く少女。
思わず歳相応な言葉が飛び出すが。
すぐに気を取り直し、相手に向き直る。

「そ、そうですわね……。
 なにか、フルーツのジュースを。
 ちょっと、さっぱりしたいですわ」

相手が耳元で囁いてきたのを、自身が酒に弱いとバレたと思いつつ。
ジュースを注文しつつ、相手を見る少女。
そこで、一度深呼吸し。

「それにしてもダミアン。こういうところで働くということは。
 もしかして、お金がほしいんですの? 急ぎで。
 給金目当てなら、私がチップを弾んであげてもよろしくてよ」

一応、助けてもらった形になるので。
少女はそう宣言し、相手に、フフン、とドヤ顔を見せつける。
一応貴族なので、お金は持っているのだ。

ダミアン > 「はい、学ばせて頂きます。」

目の前のご令嬢からは貴族らしい威厳を感じます。
僕は身が引き締まった思いです。

「はい、気を付けます。」

たまにお店でも言われます。
元気と五月蠅いはちょっと違うそうです。
僕にはあまり良く分かっていないのですが。

「大丈夫ですか?
この手のお酒はあまり無理に飲まない方がいいですよ。」

お嬢さまのお顔を拭いつつ、耳元で囁きます。
適度な飲み方を提案するのも僕たちの仕事のようです。

「では、アップルジュースでいかがでしょうか。
すぐにお持ち致しますね。」

僕は一度引き下がり、グラスにアップルジュースを注いだ状態でお持ちします。
傍からだと、ジュースを飲んでいるとは思われないはずです。

「お金も欲しいのですが…。
チップよりもヴァレリー様と仲良くなりたいです。」

これは完全に僕の我儘です。
どこか近寄りがたい貴族の雰囲気が、この方からはあまり感じませんでした。
それに、この方もお綺麗です。
僕もやっぱり男ですので、可愛い方には興味があります。
…お嬢さまはどう取られるでしょうか?
僕は恐る恐る、見上げます。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「えぇ。そうしなさい。
 学ぶ意欲は何よりも強い力になりますわ」

なんとも深いことを言っているようだが。
少女自身、そこまで物を考えていない。
それっぽいことを口にしているだけなのだ。

「いい心がけですわ。
 まぁ、かと言ってビクビクしてても仕方ないのですが」

元気と五月蝿さの線引き。これもまた実に難しい。
まぁ、状況による、ということなのかもしれず。

「……よ、余計なお世話ですわ。
 今回は、たまたま、ちょっと失敗しただけですわ!」

ムリに、などと言われれば。さすがに頭にきたのか。
強い口調で反論する少女。
貴族として、あまり舐められたくない、という思いがあるのかもしれない。

「え、えぇ。それで。
 ……えほっ、えふっ」

ジュースを頼みつつ、なんとか呼吸を整えようとする少女。
おいしそうなリンゴジュースを差し出されれば、それを口にして。
そこで、ようやっと深呼吸。

「……あ、あら。そう……。
 で、ですが。私はツインテイルの娘。
 そうそう気安く仲良くできる女ではありませんわよ。
 ……た、例えば。ダミアン。
 アナタと仲良くすると、私にどんなメリットがあるのかしら?」

大胆な相手の言葉に、少女は一瞬動きを止めるが。
そこで、少女はまたも貴族感溢れる言葉を口にする。
ドヤ顔のまま、少女が腕組みし、相手を見下すようにすれば。
相手の目の前で、バストはゆらん、と揺れることだろう。

ダミアン > 「ありがとうございます。」

うわあ、やはり貴族の方は格好いいです。
それに僕みたいな平民に道を示してくれます。

「申し訳ございません!
差し出がましい真似を致しました。」

腰を曲げて頭を下げます。
お店ではあまり言わない言葉なのですが、事前に教えられました。
どうやら、プライドを傷つけてしまったようです。

リンゴジュースを飲まれて、少し落ち着かれました。
一度試飲させてもらったのですが、病みつきになりそうな程においしい林檎ジュースです。
貴族の方はなんでもいい物を召し上がっているのは本当のようでした。

「あ、はい…。」

僕はここで思考が止まってしまいます。
目の前の大きなお胸も気にならなくもないのですが。

それ以上にメリットと言われてしまうと…。
悲しいことに、僕からは何も提示できるようなものがないのです。

「僕、身体は頑丈な方なので。
護衛などに役立てられないでしょうか。」

咄嗟に出たのがこれです。
自分でも魅力があまりなさそうな気がします。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「ふっふっふ……オーーーーホッホッホッ!」

相手の感服するような様子に、少女が高笑いする。
どうやら、高笑いがお気に入りなのか、高笑いが貴族っぽいと思っているらしい。

「……ま、まぁいいですわ。
 今後は気をつけなさい。貴族には、貴族としての勤めがあるのですわ」

そう。酒に弱くとも、酒を飲めるアピールしなくてはいけないときがあるのである。
ほかの貴族に舐められないように、ということとして。

「……護衛、ですか」

相手からの言葉に、考え込む様子の少女。
ふーむ、とうつむきつつ。

(……勧誘して私の部下に……。
 いや、それは、やめておきましょう。
 ヘタに手を加えられたら、私自身の夢身が悪いですわ)

自身の所属している組織について考え、そこで少女はため息を吐く。
顔を上げ、相手を見ると笑顔を見せ。

「まぁ、分かりましたわ。
 なら、何かあったときに護衛として雇ってあげてもよくってよ。
 その時は、せいぜい懸命に働きなさい」

ふふん、と笑顔のまま、相手の目線の高さに胸を近づける少女。
少女なりの色仕掛け、のつもりらしいが。
少女が行うのはそこまで。というか、性的知識が無いのである。
こうすれば、相手を手玉に取れる、とか思っている。

ダミアン > どうやら、貴族と言うのは高笑いをされるのが決まりなのでしょうか。
事あるごとに高笑いをして頂くのですが、様になっています。

「お許しいただきありがとうございます。」

恐らく、他の貴族の方の前だと恐ろしいことになっていたかもしれません。
僕は嫌な汗を掻いてしまいました。

「どうですか。」

どうやら、僕のことを品定めしてくれているようです。
お気に召して頂けるのでしょうか…?

「ありがとうございます。
お気軽にご用命下さい。」

…と、ここまでは好感触の気がするのですが。

何故かお嬢様が大きなお胸を僕の顔に近づけてきます。
最初はまさかと思ったのですが、どうやら意図的に。

「あの、ヴァレリー様。
お胸が近いです。」

僕は困惑気味に、少しずつ後ろに下がります。
お嬢さまはとても綺麗な方ですし、興味がないわけもないです。
ですが、だからと言っても触るわけには…。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「貴族として、許す、ということも責務なのですわ。
 感情に支配され、激昂するなど貴族らしからぬこと」

故に、許します、などと偉そうに言う少女。
別に、そこまでの非礼を受けたわけではないのに。
一々言動が偉そうなのは、まさに貴族だからこそ、なのだろう。

「まぁ、私が護衛が必要な状況、というのもなかなか無いでしょうが。
 その時は真っ先にアナタを雇ってさしあげますわよ」

だから、常日頃から鍛えておきなさい、と言いつつ。
相手に接近する少女。
胸を近づけ、自信満々、という様子だったのだが。

「…………。
 が、がんばれば。少しは、ご褒美をあげてもよくってよ!?」

相手の指摘に、次第に赤面する少女。
気恥ずかしさを誤魔化すように、やたらに大きな声で叫ぶ。
そう。少女なりに色仕掛けしたものの。
胸の近さとかを指摘されれば、自身にそういった経験が無いことを思い出し。
途端に、恥ずかしくなってしまったのである。

ダミアン > 「寛容なヴァレリー様に感謝いたします。」

ヴァレリー様の思い描く貴族は良い貴族のようです。
僕はヴァレリー様にならもっと親しくなりたいと思うようになってしまいました。

「はい、もっと鍛えるように致します。」

ですが、今の状況はとっても困ります。
そのうち、目の前にあるお胸を見て話している様な状況になってしまいました。

迫力のあるお胸なのですが、こうも突きつけられるとどうしたらいいかわかりません。

「では、次にお会いする時に何かご褒美を頂けるような活躍をして見せます。
その時には是非ともお願いします。」

恥ずかしさを隠すように頭を深く下げ、僕は逃げ出す様にその場を後にします。
何故か、ヴァレリー様も顔を赤くしているのはとても不思議ではありました。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からヴァレリー=D=ツインテイルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からダミアンさんが去りました。