2020/05/03 のログ
ご案内:「富裕地区・貸し屋敷」にロックアインさんが現れました。
ロックアイン > (主として王城では王族や騎士団が巷を騒がせる話題の集団への対策を話し合っていた。
一介の地方貴族やお飾りの爵位程度の貴族は、軍事上の機密への秘匿目的で体よく追い払われた為に、こういった施設を借りての貴族同士の会合がもたれていた。

とはいえ、もっぱら王族や騎士と違い。大義名分すら無いドロドロの自己の利権と利益を主張するだけの話ばかりが目立つ。
若い貴族が危険地帯に近いために、比較的被害が軽微な地域に領地を持つ貴族への援助を要請すれば、老獪な貴族は代償として桁外れの金銭や見返りを求める。
王族に繋がりのある貴族はといえば、ミレーの価値に目を付け、隠語を用いての人身売買の話、と。

腐敗の温床の様な屋敷の中の会合は徒に時間だけを貪っていく。)

「いやいや、俺の領地でも妙な報告が多くてな。貴殿には借りもある、援軍は出したいが自分の領民を思うと中々援軍は難しくてなぁ。
そうそう、備蓄としての糧秣くらいなら援助は出来るぞ?もっとも、輸送の経費はそちらで負担をしてもらうが。」

(ちなみに。顔を合わせての話をしてはいない。大きな屋敷、昔は王族が居住してたともうわさされるこの屋敷は、幾つかの大部屋が設けられており。
その大部屋一つに一人の貴族が入って魔導水晶による音声と映像での通話がされている。

この会合の傍らで、城下には。力ある傭兵や学ある学者。才ある軍師といった存在への募集をしていた為、その書類上の選定も同時並行で行っているわけだが。
水晶の向こう側、若い貴族や老獪な貴族は言葉で切り結び合っているが、強制力のある法が存在しない以上。
出し渋り、値段を吊り上げる方が余程利益にも繋がる。故に実りある会話、会合とは程遠い話ばかりが水晶の傍ら。自動書記機能のある魔書に記され続けていく)

ロックアイン > (幸い己の領地は問題となっている集団。或いは暁天騎士団といった本拠地、活動地域、被害地域からは遠いのだ。
敏感に糧秣、或いは武具――特に消耗品は先んじて購入。そして備蓄だけはしてある。
戦争と言うのは経済を回す一つの手段でもあり、買い占めの結果民衆が飢えようと私腹を肥やす事に繋がるならば知ったことではない。

清流派の貴族との違いは、領民の人命すら。自分の資産を増やすための道具として捉えられるかどうかの違いが上げられる。
自分が一番可愛く、自分の利益になる為なら他者がどうあろうと構わない。
敵も多く作るが利益だけでなら手を結び合える相手がいるのが汚濁に塗れた貴族の強みでもあった。
物資は潤沢に。備蓄は溢れかえるほど。そして金で雇う傭兵の物量と、金で動く人間を高い値段で釣り出せる。
結果、優秀ともいえる人材を確保出来て自己の領地は見せかけの安寧がもたらされる――と。)

「なぁに、困ったら騎士団にでも泣き付けばいいではないか。
あいつらだって貴族からの援助要請、おっと、救援の要請。住民の命がかかっていると言えば動かざるを得ないだろう。
動かなければ後で査問会でも開き、懲罰でも与えればいい。」

(基本的に。彼ら後ろ暗い物を持つ貴族から見れば騎士団と言うのは得てして天敵と言っていい。
かび臭い正義を振りかざし、自分達の利権を、利益をつぶしていくのだから。
正義では腹が膨れない、と言うのは悪人の共通認識の一つ。
……敵が多く。間諜の類が入り込んでいないかを警戒するために屋敷の中には施設の護衛軍が入り込んでいるのも、本質的に騎士団以外にも敵の多さを警戒してのこと。)

ロックアイン > 「ヤルダバオートへの寄付。またはノーシス主教の教会を作る、と言えば連中だって何人かは送ってくる。
そいつらを取り込めば、また駒も増えるだろう?騎士団、聖職者、後はギルドに寄付でもすれば一人二人は引き込めるだろうさ。

王国の危機は利益の種なのだからな。騎士団の矢弾、軍需物資。
それらが不足した頃にでも売り払えばいい。
もしくは、そうだな。出世欲の強い騎士にでも、手土産に持たせて繋がりを作ればいい。
俺達は手を汚さない。血を流さない。まったく暁天騎士団様様だよ。」

(民草の為だけの政治をするつもりもない。善意だけの寄付はあり得ない。
教会を作るのも。聖職者を招くのも。なんならミレー族の保護ですらも打算と保身の上で行われる物。
民衆の命でさえ駆け引きの道具にしかならない、典型的な悪人。同種同族は影でお互いを嗤いながら、しかし表向きだけは手を結ぶ。

敵は正義であり、秩序である。味方は混沌であり、混乱、そして戦争でもある。
清廉潔白な人物等何の役に立つというのか。せいぜいが辱め、凌辱し、一時の快楽を得る為の役割しか無いではないか。)

「とはいえ。流石に連中への物資の横流しは避けるべきだろうなぁ。」

(連中、とは。暁天騎士団を示している。流石に諜報、偵察も飛び交う中で彼らに物資を届ける、売りつけるのは得策ではない。
出来る限り混乱は長引いては欲しいが、かといって王国騎士団に、或いは正義感溢れる者に目を付けられすぎるのも困り者なのだ。

横流しをせずとも。例えば歩みの遅い牛車に資材を乗せて。
それを暁天騎士団が奪い、持ち去るのは仕方のない【事故】ではあるのだが)

ロックアイン > 「―――――そろそろ、時間か。俺はこれで失礼する。
地下から抜けるが、何時も通りにな。」

(もともとが王族の屋敷でもある。当然とでも言うべき、地下等の裏口ともいえる脱出経路はいくつか供えられていた。
全員が仲良く表口から出ていくという間抜けな光景だけは避けるべき。
その為に貴族達は一定以上の時間を置いて、出口も複数使ってこの屋敷を後にしていく。

余談ではあるが、その後。表の市場ではなく闇の市場では矢、魔符、魔法の小道具。傷薬の為の薬草、食料、保存食といった品々が品薄になりつつあるらしい。
これら貴族が一枚噛んだのか。それとも、商人の商才による買い占めなのか。軍が必要としたのか、冒険者が必要としたのかは定かではない話。

また、暁天騎士団により貴族間での【輸送事故】もいくつか騎士団に報告される事になるだろう。
騎士団が動けば、人間の【数】が動けば。相応に物資の需要が高まる。
100の内1を犠牲に、残りの99の相場を割り増しさせることが出来れば。貴族たちの懐は潤うのだから。)

ご案内:「富裕地区・貸し屋敷」からロックアインさんが去りました。