2020/03/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にミリーディアさんが現れました。
ミリーディア > 王城内の魔導研究施設、何時も其処に在る少女の姿は珍しく此の富裕地区に在った。
尤も、普段からローブ姿で在る為か王城関係者と思われる事も無く目立ちはしないのだが。

そんな少女の目的は、此の富裕地区の一角に存在する菓子店。
其処で売られている商品の購入だった。
結構名の知られた菓子店で在り、作られた商品はどれも高評価を受ける程の菓子を生産しているそうなのだ。
そうした場所で在れば行ってから決めても良いだろうと、そうした考えが甘かった事に気付かされた、そんな帰路で在る。

正しくは、在った、だが。

「四方や売り切れていたとは、ケーキならば何でも良いと思っていたんだがな。
流石に全滅は予想外だったよ、本当に残念だ。
そんな日に、儂の前にこうして現れるのは余程不幸なんだろうね、君達は」

帰路で在る通りから少々離れた裏路地で、自分の足元に倒れている者達に語り掛ける。
其の誰もが見えない何かに拘束されているのか、地面の上で芋虫の様に蠢いていた。
つい先程に自分を此の場所に連れ込み、金が如何とか身包みが如何とか云っていた気がするが、気のせいとしておこうか。

「騒ぎを聞き付け衛兵か誰かがやって来るのに残り十数分と云う処か。
頑張って其れを解き、其の上で儂から逃げ切ってみると良いだろう。
出来れば、だがね」

一度眼を通りへと向け、そう伝えた。
間違い無く拘束を解くだけでも無理そうに見えるのに、其れを行った少女から逃げ切るのは如何考えても無理そうなのだが。
今だモゾモゾと蠢くだけの強盗達を眺め乍、少女は壁を背に寛いで。

ミリーディア > 寛ぎ始め、少女が伝えた通りに十数分後。
通りの方角から通行人や商人達とは違う声が聞こえてくる。
其れは確かに此方へと近付いて来ているのは解るだろう。
伝えた通りの相手なのか、若しかしたら彼等の仲間の可能性も在るが…

其れがどちらで在ろうとも、地面で蠢く強盗達が拘束を解く様な様子は無い。
壁から背を離し、其方へと眼を向ける。

「残念、タイムオーバーだ。
それじゃ、儂はさっさと退散でもするとしよう。
他に寄る所も出来たからね」

声のする方へと歩き出し乍、少女は手を振って立ち去ろうと。
其の際に『此の者達強盗故に捕らえるべし、当分は動く事叶わず』と書かれた紙を一枚、壁に貼り付けておいて。

食事時の頃合に解ける様にしておけば良いだろう。
彼等に掛けた拘束の魔術に時限解呪を付与し、少女は其の場を去って行った。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からミリーディアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にフラヴィアーナさんが現れました。
フラヴィアーナ > 本日夕方頃、富裕地区の劇場でとある楽隊の公演があった。
1人の不幸な少女が野心のみで成り上がり、最後は自らの野心の炎で身を滅ぼすといった内容だった。
真に芸術を理解している観客がどれだけいたのだろうか。
公演後、楽隊はメンバーの数人をスポンサーとなってくれている貴族の元へ送り、そこで行われる事は説明不要。
主役を演じたフラヴィアーナが接待要員に加わっていない理由は、黄泉返りを果たした彼女の精神や体調がまだ安定しきってはいないからだ。

安定していない証か、それとも生来こういう性格だったのか。
数日公演がない事を良い事に、彼女は酒場を経験していた。
そして少々酔いすぎてしまった。
カラン、とベルを鳴らして出てきた様子は気持ちが良さそうだが、足取りは覚束ない。
飲み方としては平民地区で嗜んだほうが場に馴染んだかもしれない。

「……あぁ、失礼。」

ものの十数秒ですれ違う人にぶつかり、酒精に酔いながらも謝罪して。
どうせ宿屋まではそう遠くなく、足取りのわりに道はしっかり覚えているのだからと。

「頭が痛い。この辺りに来るといつもそうだわ。城が近いのは良くないわね。」

この頭痛は早すぎる二日酔いではなく、記憶に影響の強い土地のせいだと分かっていた。
これも含めて気分が悪く、酒で紛らわせるくらいがちょうど良い。

フラヴィアーナ > 喉を大事にしろと常々言われているのに、酷いありさまで帰ってきたプリマドンナを迎えるメンバーがどんな表情を見せていたか。
酔っぱらった彼女の記憶には欠片も残らないのだった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からフラヴィアーナさんが去りました。