2020/02/05 のログ
イグナス > 仕方ない、いつまでもぼけっとしてても腹は膨れないからまた、歩き出す。ゆっくりとめんどくさそうに、その場から姿を消して――
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 公園」に竜胆さんが現れました。
竜胆 > マグメールの富裕地区にある公園は、一般的に貴族やお金持ちの子供が多い、故に平民地区よりも警備は厳重である。
 そんな公園に、狼犬にリードを付けて歩く少女が居る。トゥルネソル商会の次女である、竜胆・トゥルネソルである。
 生まれも育ちもマグメールである少女が、何故こんな名前なのかと言えば、偽名である。魔術を嗜む物であれば理由を聞けばああ、と納得するだろう、そんな理由である。
 そんな少女は、移動を先を歩く狼犬に任せて、リードで引っ張られるがままに付いて行く。その手には書物があり、視線は書物に向けられている。
 変な輩はぶつかってこないだろう、その理由は少女の背中にある翼と、少女のスカートの下から見える尻尾に有る。
 その翼にも、尻尾にも確かに竜麟が張り付いている、紛れもない竜の肉体なのである、トゥルネソルの三姉妹は全て人と竜のハーフの人竜であり、むろん長女も三女も同じである。
 長女も三女も職業柄翼と尻尾を隠し人として生活するが、次女は違う、竜であることを誇りに思い、隠すつもりは無かった。
 変化の魔術は使えるがそれを使い、翼と尻尾を隠す気は、一切ないのである。
 故に、視ればわかるドラゴンに自分からぶつかっていこうという愚か者は今のところ、居ないのだ、なので少女は一切視線を進行方向に向けずに、書物を読みつつ歩くのである。
 目的地に関しては、頭のいい狼犬グリム君が先導してくれるし。

 そして、問題は無く公園に付くのであった。

竜胆 > 取りあえず、公園に着いたので、少女は、公園を眺める。今日もそれなりに広く、然してあまり人が居ない様子、まあこういう場所は青姦スポットとしての利用が多いのだろう、その辺の草叢とかそういった処でずこばこしてるのであろう。
 だからこそ、3m級のでっかい狼犬を離しても問題はなさそうである、首輪に手を伸ばし、リードを外す。

「ほら、行ってらっしゃいな?あまり人に迷惑をかけてはいけません。判りましたね?」

 狼犬に噛んで含めるように言えば、ウォン、と大きく鳴く、本当に頭が良いので、理解をしたのだろう。
 よし、と頷けば、お行きなさい、と指示。
 狼犬が走り回るために、広場の方に走っていくのが判る。後は彼が満足するまで放置で問題は無かろう。
 そして、少女はベンチに移動して腰を下ろし、本を読むことにする。
 ふと、視線を上げて、軽く周囲を眺める。

「―――このくらい、ですわね。」

 小さく呟き少女は周囲の空気を変える。
 少女から半径5m程度の空間が温かくなっていく、少女の能力――竜としての力で、空気を温かくしたのである。
 今、少女の周囲は春のうららかな陽気程度の、温かさが有るのだ。
 むろん、今は冬である。
 限定的に周囲の気温を高めて、居心地の良い空間を作ったという事なのである。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 公園」にセレーナさんが現れました。
セレーナ > 「……っ!」

一人の少女が、富裕地区を駆けていた。
息を切らし、時折背後を見ながら。全力疾走。
何かから逃げるような……。いや、実際逃げているのだが。
少女は、懸命に富裕地区の路地を駆けぬけ、そして、公園を見つけ、そこへと飛び込んだ。

「あわ、あ、わわっ……!」

公園内は、視界が切れない。背の高い植物が少ない公園であった。
これでは身を隠せない、と判断した少女は、とりあえず公園内を疾走し……。
とあるベンチを見つけた。

「ちぇいっ!」

小声で叫び、ベンチの下へともぐりこむ少女。
だが、そこで気づく。なんか、空間が暖かい。っていうか目の前に足がある。
しまった、と思いつつ。少女はベンチの下からにょき、と顔を出し……。

「……こ、こんばんは。
 あのぅ! 何も聞かずに、かくまっていただけませんか!」

なんて。目の前にいる美しいお嬢さんに。
それこそ、泣きそうな表情で。小声で懇願するのであった。

竜胆 > 「――――。」

 少女は本に視線を向けていたが、走って来た存在に視線を向けるのだ。
 何を考えているのか、一直線に掛けてくる、そして滑り込むのだ、自分のベンチの下に。
 何こいつ、と思い冷たい視線を向けるも、何事かと戻って来る狼犬、椅子の下を確認したかと思えば、ベンチの目の前に寝そべるのだ。
 丁度、ベンチを隠すような形で横になるグリム君である。

「―――はぁ。」

 グリム君がベンチの前に陣取るので、彼女が来た方面、入り口の方からはベンチの下は見えなくなる。
 相手するのも面倒に思ったのか、少女は視線を彼女から本に戻して、ぺらり、ぺらり、と本を捲るのだ。
 呼んでいる書物は魔導書であり、魔法を学んでいるのである。
 其れの邪魔にならなければ、どうでも良い、そんな様子なのである。

セレーナ > 「あああああ、ありがとうございますっ!」

相手が自分をベンチの下から追い出さなかったことに感謝。
更に、自身を隠すようにしてくれたお犬様にも感謝、である。
少女はそのまま、もぞっ、とベンチ下で息を殺し。

『……チッ! どこ行きやがった!?』
『まだ遠くへは行ってねぇハズだ。探せ!』

すぐさま、公園の中に見るからに粗暴そうな男たちが入ってくる。
少女を探しているのは明らかだが。その男達は、ベンチに座る少女を見れば。

『……おい、アッチを探すぞ』
『お、おぅ……』

すごすご、と公園を後にした。なにせ、すっごく大きいイヌと、翼を尾をもつ存在がいる公園だ。
騒いだらどんな目に遭うか分からない、という。そんな判断ができぬ愚か者でもなかったらしい。

「……た、助かりました。本当に、ありがとうございました……!」

男たちが公園からいなくなり、数分後。
少女は、もぞぞ、とベンチの下から這い出し。
目の前の少女と、犬に向かって何度も何度もお辞儀をする。

竜胆 > 数人の男たちが、果たしてやって来た、何かを探している様子なのは、やはり彼女を探しているのだろう。
 少女は気にした様子もなく、ぺらり、ぺらり、と本を捲っているのである、彼らの視線が少女に送られるのが判った。
 とは言え、完全に頭が悪い存在ではない模様、目の前の大きな犬もそうだし、少女の翼を、尻尾を見て理解したのだろう。
 見た目通りに、手を出せばどうなるのかを。
 去っていくことにさえ無関心に。少女はただただ、本を捲るのである。

「一応でも、お姉様の部下を見捨てたら、後で何を言われるか判らないものですし。」

 男たちが去っていき、何度もお礼を言う彼女、少女は視線を書物から離すこともなくあっさりと返答をする。
 彼女は、知られてないのは仕方がない所である、何故なら家からほとんど出ることなく勉強ばかりをしているから。
 そして、知っている匂いだからこそ、狼犬グリム君は何も言わずに彼女を助けるように前に座ったのであろう。
 しかし、其れでも少女は知っている、彼女が従業員であるという事を。
 流石にそれを放置しては姉にどやされるだろう、其れは面倒くさいのだ。

 ―――そして、本を閉じるのだ。

セレーナ > 「……お姉さま? 部下?
 ……って、も、もしかして……」

相手の言葉と様子に、少女は少し考え込む。
こういった言葉。そして相手の姿。
さすがに、いくら鈍い少女でもある程度考えればその結論には思い至った。

「あわわわわ、て、店長のご家族の方でしたか!
 たたた、大変失礼いたしました!」

そこで、少女は更にぶんぶんとお辞儀。
自分にしてみれば、目上の立場の方。
そんな方に助けてもらった、とあれば。
大変な失礼をしてしまった! と戦々恐々であった。

竜胆 > 「竜胆・トゥルネソルと、申しますわ。商会に顔を出すことありませんから、知らなくても仕方は無いのでしょう。」

 それに、髪の色も、翼の色も、全て違うのである、人から見れば違う存在に見えても仕方が無いのであろう、少女は、懐から扇子を取り出して、フフフ、と笑うのであった。
 それとも、慌てすぎて自分の姿すら見てなかったのだろうか、先程の様子などを見れば、何となくわかる。
 何をしたのか、とか、何故、は聞かない。別に優しさなどではなくて、面倒くさいのである。

「別に、失礼などとは思って居ませんわ。」

 そう、言いながら少女は立ち上がり、狼犬の首にリードを付けなおすのである。
 戦々恐々とする相手に、少女はくい、と顎で指図をする。

「お姉様に、用事が有るのでしょう?
 確か、そろそろですものね、いつもの配給の時期は。
 丁度いいわ、今日はお姉さま、いらっしゃいますし、付いてきなさいな。」

 少女は、着いてくることが当然とばかりに歩き始める。まあ、先程のもめ事を考えれば一人で歩かせるのも面倒なことになるのだろうし。
 そして、彼女と共に去るのであった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 公園」から竜胆さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 公園」からセレーナさんが去りました。