2020/01/29 のログ
ご案内:「富裕地区 酒亭」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 上品な葉巻の匂いと、漣の様な会話の音が静かに響くバー。
富裕地区で営業しているとあって、提供される物はどれも一級品。並ぶ酒瓶一つ一つが、平民地区では目に掛かれない様なものばかり。接客も給仕の質も一流とあって、大枚をはたいて来店する平民も存在する程。

そんな贅を尽くす為だけに存在する様な店内のカウンターで、静かにグラスを傾ける少年の姿があった。
置かれたグラスの横に置かれているのは、燻った儘の葉巻が一つ。

「……流石に、こうも毎夜仕事ばかりでは気が滅入るというものだ。何より、糖分が足りぬ。全く……」

甘ったるい、とは控えめな表現になる程の糖分を持つ果実酒で喉を潤しながら深い溜息を一つ。
吐き出した溜息が揺らす紫煙を、幾分酒精の回った瞳でほんやりと見つめているだろうか。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 平民地区のギルドへ馴染みの無い富裕層へ冒険者の斡旋や高額依頼の請負を行っているこのバーでは、時折カウンターへ"依頼"を持ち込む者も現れる。その逆も然りで、ギルドから案内・斡旋されてバーを訪れる冒険者の姿もちらほらと見受けられる。

「……金持ちの出す依頼等、大概碌な物では無いのだがな」

依頼を出す側である己が言うのだから間違いないだろう、と小さく苦笑いを浮かべながら、依頼を出し終えて立ち去る男をぼんやりと見送っていた。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > そうして、静かな時間を過ごして少年は酒亭から立ち去っていく――
ご案内:「富裕地区 酒亭」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。