2020/01/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にイルルゥさんが現れました。
イルルゥ > あまり馴染みのない富裕地区にとある依頼でやってきたフードを被った冒険者。
その依頼とは、富裕地区に数多くある豪邸や商家、大商人の店舗に荷物を届けること。
【単独かつ、女性冒険者のみ募集】と何故か酷く条件付けされた胡散臭い依頼だったが。
身体強化が得意である自分であれば、容易に荷物を運搬できると考え、依頼を受けた。

そして今のところ、特に問題は無い。
ただ単に荷物の集積場と各目標地点を行き来し、荷物を届けるだけだ。
大抵は召使いが応対してくるが…何か期待したような眼をした貴族が出てくることがあり。

その期待は、自分のフード姿を見ると不機嫌に変わってしまうのだが、彼女には察せない。

「はい、どうぞ。西集積所からの荷物、2箱です。サインをお願いします」

一先ず、富裕地区での依頼だからか、報酬も色を付けて設定されており。
この依頼が終われば少し美味しい夕食でも食べられるかな…と期待を胸に、方々の家や商店を回っている。

「冒険者ギルドからの依頼で参りました。中央集積所からの荷物です」

仕事であれば淡々と。
また一件、豪奢な建物の戸を叩こう。

イルルゥ > 実際のところ、この依頼は、貴族や商家の道楽も混じっており。
自分達より立場の弱い冒険者を呼びつけ、気に入ればそのまま玩具として引き込み、扱ってやろうというこの街特有の悪辣さ。
ただ、やってきたのがフード付きの小柄で肉付も悪いように見える姿であれば。
そういった興味も失せ、次の冒険者を待つ。

中には本当に荷物を依頼した場合もあるが、期待したような眼をした貴族は、例外なく手籠めにしようとする側だ。
そんなことはつゆ知らず、依頼を続けていく冒険者。

「はい、ありがとうございました。では」

淡々と配送を済ませていき。
雑談を振られれば、快く対応しながらも、「次の仕事が…」と丁寧に打ち切って。
そんな調子で、各集積所と家々を往復する依頼をこなしていく。

「冒険者ギルドからの依頼で参りました。西集積所からの荷物です」

また、門戸を軽く3度、叩き。
何も問題が無ければ依頼は続いていく。

イルルゥ > やがて、何往復かした後…集積所の不愛想な人物から。
依頼は終わりだと言われる。
そこそこの重さがある報酬を袋に入れて。

「折角だし、この辺でちょっとお手頃そうなお店があれば入ってみてもいいかな」

報酬は、普段であれば冒険に必要な道具に充てるのだが。
最近は実入りも良く、道具の消耗も少なく抑えられている。
少しくらいは、夕食で贅沢をしてもバチは当たらないだろうとあたりを見回し始め。

「ううん――…」

ただ、貴族等はほとんど腐っていたとしても、ここは富裕地区。
外から値段を図れる場所も少なく…
これならば、平民地区などに移動して探した方が良いかな…と思いながら。
しかし高級に近い料理と言うのも一度味わってみたいという欲望もあり。

結局、夜に融けこむようなローブの小柄な姿が、きょろきょろとしながら…
不釣り合いな富裕地区を歩き回っている状況になってしまう。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にルースさんが現れました。
ルース > 偶に実家に寄るとき以外には近づく事が殆どない富裕地区。
近づけば嫌でも腐敗した貴族のありさまを目の当たりにすることが多いから。
そういうものを見るのは本業だけで十分、冒険者家業は気楽で良いと平民地区へと戻る道なりに考え。

そんな途中に富裕地区には不似合いなローブ姿の小柄な姿を目にすれば目立って見える。
普段ならば迷子か何かだろうと気にしないところではあるが、
そんな格好の知り合いが一人、冒険者仲間にいたなと思い出せば近寄っていく。

「こんなところで奇遇だな。道にでも迷ったか?」

出来るだけ視界に入る場所からギルド出会う時の様に軽く声をかけてって。

イルルゥ > きょろきょろとしながら店を見て回っていると。
雑踏に紛れて不意にかかる、聞いたことのある声。

「――――…」

少し、沈黙。
確か…

「ルースさん…?、あはは…ちょっと依頼で。
報酬が思ったよりも多かったので贅沢をしようと思ったんですけど。
やっぱり、どこも手が出せなくて。ルースさんは?」

以前に、採取依頼でパーティを組んだことがあった。
相変わらず、明るい声で返すものの…フードを深く被っているため、口元が笑っている程度しか、表情が読み取れないが。
その語気は気安いものであり、友好的な雰囲気は変わっていない。

ルース > 「こんな場所で会うのは意外だったか?依頼で……あぁ、なるほど。
それはよかったじゃないか。それで店を探してたって訳だな。
この辺りは高いからな……俺か?俺はちょっと実家にな」

ギルドで会う時と変わらない緩い笑みを浮かべて軽く手を揺らし。
以前に組んだ時と変わらない格好を見下ろす。
採取依頼を組んだ時はフードを深く被る姿に表情が判らず上手くやれるか心配にもなりはしたが終わる頃にはそれなりに判る様にはなり。
今も明るい声色と口元の笑みで友好的というのは判り。

「で、その帰りに見かけて声をかけたって訳なんだが…。
そんな目立つ格好で歩き回ってりゃ質が悪いのに絡まれるぞ?」

この辺の貴族は腐ってるからなとさらりと告げながら周囲を一度見まわしてそれとなく警戒を見せる。

イルルゥ > 「ええ、とっても。ただどこに入ろうか迷っていて。
実家…?詳しく聞いてませんでしたが、ルースさんはこの辺りのご出身でしたか」

小さな背で首を傾げて。
以前組んだ時には世間話程度はしたが、出身などは聞いていなかった気がする。
相手から見るとフード姿の少女はやはり小さく。
感情表現が豊かでなければ、陰気な奴、と一蹴されそうな顔の隠し具合だ。

「腐って…、…そういった噂は聞きますが、実際に遭ったことはありませんね。
ふふ。私はこの通り瘦せっぽちですから…悪い男の人も、もっと豊満な方を好むのではないでしょうか?」

ローブの合わせ目から細い腕を出し。
その一部分だけ取っても、肉付豊かには見えない。

警戒を見せてくれる相手に、礼を言いつつ。

「あ。この辺りの出身なら、良いお店を知りませんか。少し高くてもいいので。
まだ夕食が済んでいないのなら、ご一緒にいかがでしょう」

やはり友好的に、同じ冒険者ギルド仲間同士、親睦を深めようとして、そんな誘いを投げかけつつ。

ルース > 「折角の報酬で豪遊って感じか?
実はこれでも貴族だっていえば信じられるかな」

実の所あまり出身などは話すことはないがうっかりと口にしてしまえば簡単に話してしまって。
小柄でローブ姿の少女は本当にこの辺りでは目立つなと。
顔を隠すのは生まれのせいもあり何か理由があると思えばさほど気にもしていなく。

「そうなのか?じゃ、例えだが……あそこのデカい屋敷のガキは平民によく手を出す悪ガキだな。で、あっちは奴隷を……という感じだ。
その辺は好みがあるから俺も何ともな?」

出された細い腕に視線を向け、細いが痩せているではなく冒険者だから太っていないだけに見え。
そういう趣味もいるだけに何とも言えない顔をし、警戒の礼を言われれば気にするなとばかりに手を揺らして。

「この辺のいい店か……いくつかあるが何が食べたい感じだ?
夕飯か……そうだな、せっかくだしな」

そういえば食べていなかったと思い出せば空腹感に襲われ。
少女の誘いに親睦を深める意味でも悪くないと誘いを受け。
どういう店が良いかを尋ねながら、自分が勧めれる店がある方へと案内をはじめようとする。

イルルゥ > 「道具の補充も考えましたけど…それほど、消耗していなかったので。
たまには、自分を甘やかそうかな、と…、あ…、敬称を付けた方が良いですか?」

こく、と頷きつつ。
少し笑い声を漏らしながら敬称を付けるかどうか聞いてみる。

「…なるほど。そういうことも教えてもらいたいです。
やっぱり、この街だと自衛も大事ですし」

ごろつき程度になら負けない自信はあるけれど。
ガキ、と呼ばれる年齢の者が、奴隷や平民に手を出せるなら。
そこには必ず権力や金と言った逆らい難いものがあるのだろう。
そんな情報を得られるのも、貴族である相手からだけだ。

「ううん………、……その、お肉、を。
…高いのは、わかっているのですが…。
はい、よろしくおねがいします」

何故か少し語気を弱めて。
フードで顔は見えないが、恥ずかしがっているようだ
肉を要求する女と言うと冒険者とはいえあまりに品が無いと思っている。
同行してくれるという相手には、ぺこりと頭を下げて。
その後ろを雑踏の中、着いていく。

ルース > 「消耗してないのか…俺は仕事のたびにナイフを失くすからな…。
たまにはそういうご褒美は仕事をする活力に良いもんだ。
そう言うのが嫌で冒険者をやってるんだ、やめてくれよ」

消耗がないと言う事に冗談ぽい笑みを見せて告げ。
堅苦しいのは勘弁してくれと肩をすくめて見せる。

「教えてもいいんだが人には言うなよ
むしろだ、自衛出来る様にしとかないと明日には奴隷ってこともあるからな?」

貴族となれば権力と金を持って居るものが多く、その子供となれば悪質なのも多い。
それを知るだけに自衛の重要性を説き、問題にならない程度ならば情報を教えるのも良いかと…。
本職の同僚に知られなければ問題ないかと大雑把に考えて。

「冒険者は身体が第一なんだ、肉は一番だぞ。
それじゃ俺のお薦めの値段がそれなりな美味い肉料理の店…。
フードで文句を言われない個室の店にするか」

語気を弱め恥ずかしがっている様子にそれが普通だと笑い。
冒険者なのだから当たり前だと、おかしくはないと告げて。
そうして案内していくのだが…富裕地区の店は外見を見る場所も多く。
少女の格好で何か言われるのはと考え、何もしないからと先に告げ、個室があるお勧めの店にと案内をしていき。

イルルゥ > 「ふふ。冒険者をされている時点で予想はついてましたよ。
では、このままルースさん、と呼びますね」

予想通り、様、などを付けることに対しては嫌なようだ。
くすりと笑って話を続けよう。

「はい。情報は金より重いですから。
それを教えてくれる以上、管理はしっかりと。情報が無いと自衛もできませんからね」

少しダメ元だったが、貴族であるにもかかわらず貴族の情報を教えてくれるという相手が好ましく思い。
その情報は活用しよう、と思いつつ。

「う…。…はい…ありがとうございます。
採取任務の時も、ルースさんの眼と感覚は確かでしたから、信用してますよ」

ハードルをあげながら、此方への気遣いも見せてくれることを暖かく感じ。
共にその個室の店で、二人きりになり、ゆったりと注文をしよう。

ルース > 「そうしてくれると助かる。イルルゥに言われる本気かと思ったぞ?」

様などつけられた日には背中がむず痒くて死んでしまうと本気で嫌そう。

「その辺を判ってる奴が案外少ないんだ。
金で簡単に手に入る情報は何時駄目になるか判ったもんじゃない。
それを判ってるイルルゥだから教えるって覚えとくようにな?」

下手な相手に教えれば簡単に広がり役に立たなくなってしまう情報。
少女を信じるからこそ教えるのだと一応念を押し。

「折角の飯は肩を張らずに食べたいだろ?それにフードを外すのは嫌がるのも知ってしな。
代わりに危険の察知と探すのはイルルゥを頼りにさせて貰ったしな。
信用は裏切れないな、まったく」

手を抜く所はとことんに抜くが信用してくれる相手には全力で応え。
ここなら食事が終わるまで、注文以外では店員が来ない事を先に告げて注文をして。
しばらくすれば頼んだ料理、肉料理がメインにテーブルにと並んでいく。

イルルゥ > 相手の嫌がることはせず、更に冗句も言える。
フード姿で敬遠されがちだが、世間話をする分には問題ない人柄だ。

「…ありがとうございます。その信頼に応えるように気を付けます」

少し重く、言葉を出して。
信用とは冒険者の間で最も大事なものだ。
それを判ってる、と言われれば、教えてもらう側が裏切るわけにもいかない。

「お気遣い、本当に嬉しいです。この格好だと酒場でも変な目で見られてしまって」

興味を持っていることは、わかるが
にも関わらず、こちらが嫌がることをしない相手に好感が募っていく。
正面に座れば、少し少女は俯いて。
やはり口元以外は見えないように、角度が調整される。

「わ。美味しそうです。…ちょっと焼き目を甘くしてもらった方が好きなのです」

彼女が頼んだのは、焼きをあえて少し甘くし、肉の断面の赤が残るようにしたステーキ。
少女が食べるにしては少し多いそれを、丁寧に切り分けて、口元へ運び。
…少しだけ、ほわ…と…楽しそうな雰囲気が漂う。
二人きりとはいえ、信頼している相手だからこそ、純粋に食事を楽しんでいて。

ルース > 顔馴染みになればなればなるほど遠慮がなくなり冗談のつもりで嫌がる事をする知り合いもいる。
そういう意味ではこの少女はそう言う事もなく冗談も言える相手。
フード姿程度でどうこうと考えることもなく。

「漏らさなければそこまで深く考えなくていいからな。
自分を守るために役立ててくれよ」

少々言い過ぎたかと雰囲気が重くなってしまった少女に軽く告げ。
冒険者を続けている以上、信用の大事さを今更だったなと。

「その辺はあれだ。紳士としての義務ってやつだ。まあ……隠してるのを見たがる奴は多いし、不審者じゃないかって警戒もあるんだろうな」

この国は本当に色々な人々がいる。それだけに興味や顔を隠しているゆえの警戒もあるのだと。
本業であれば嫌がる事も平然と行うが今はそうではない、そして信用をしてくれている相手にそんな事をする訳もなく。
正面に座った少女が俯き加減になれば出来るだけ見ないようにとして。

「ここの肉料理と酒の味は俺のお薦め出来る一番の店なんだ。
それは判るな、その方が肉のうまみがわかるしな」

少女の頼んだ焼の甘いステーキ、断面の赤みを見ればうまそうに見え。
それを口元に運ぶのを軽く見てから口元にグラスを運んで酒を一口。
少女から微かに感じる楽しそうな雰囲気に声をかけてよかったなと自然と口元に笑みが浮かび。
遠慮しなくていいからな、そう告げて肉の炙り焼きを肴に酒を口に運んでいく。

イルルゥ > 情報を与えてくれる存在はありがたい。
ギルドに居る人物は、大体が自分を可愛がって来るか、あるいはいやがらせをしてくるかだから。
酷く貴重で、得難いものだ。

「確かに、これでは不審者ですね。ギルドの登録証を見せると変な顔をされます
ふふ。腐った貴族が居る、と言ってたけれど、ルースさんは良い貴族ですね。話しやすいですし。
ただ、露骨に眼を反らさなくて大丈夫ですよ。見えなくしているので…隠すのは、慣れっこです。」

フードの端を引っ張りながら、くすくす笑い。
紳士と言われれば、確かにそうだ。
悩んでいた自分に声をかけ、良い店を紹介してもらったばかりか。
有益な情報までくれるという。

「酒は少し遠慮しておきますね。ちょっと、その…弱いので。
良かったらこちらも食べてみます?」

一切れ一切れ、しっかりと味わいながら。
お酒は遠慮を示しつつ…自分の分をフォークに刺して差し出してみる。
かつて、ミレーの隠れ里で…こうやって野の獲物を分け合ったこともあった、などと郷愁に浸りながら。
楽し気に、食事を進めていくだろう。