2019/09/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」に竜胆さんが現れました。
竜胆 > マグメールの富裕地区の路上はとてもキレに整備されていて、誰であれ歩きやすく作られている。
 景観も良く、此処に、富が集約されていると判る場所であるのだ。
 そんな路上を一人の少女が歩いている、上品な仕立てで濃紺の色のプリンセスドレス、それは背中がこれでもか、と大きく開いているのだが、扇情を目的としたものではなく……少女の背中から生える一対の竜翼があるから、其れにせざるを得ないというものである。
 そして、ふんわりしたドレスの下からは、竜の尻尾が地面に覗いている。
 今、この場所を歩く少女は、恐らくそれなりに有名なのであろう、トゥルネソルの三姉妹の次女である竜胆。
 三姉妹の中で一番苛烈にて邪悪な娘であり、彼女が首を垂れるのは、基本的に身内であり認めている存在か、自分よりも強い存在のみである。
 我儘娘と言えば可愛いというぐらいに自己中心的な少女は、その右手にリードを掴み、道を進むのだ。

 リードの先には、3mを超える巨大な狼犬、グリム君が居るのだった。
 今日は、犬の散歩、の模様。

竜胆 > グリム君が先に歩いていれば、普通の人は避けてくれる、それぐらいに大きくて怖いのだ、このわんこ。
 しかし、この子の心根はやさしいことこの上ない、別に脅かしたりはしないし、噛みついたりとかもしない……攻撃してくる人間とか以外は。
 それを知るのは、家族ぐらいなものだし、気にする必要はないわねと、少女は思うのである。
 それに、彼を先に歩かせているのならば安全なので、少女は彼の生きたいように散歩させて、自分は本を開いて読みながら進む。
 誰かが居れば、わんこは足を止めてくれるだろうし、知り合いなら声をかけてくれるだろうし。
 そんな風に考えつつ、少女は引っ張られるように歩いていくのだ。

竜胆 > 「―――」

 読んでいる書物は、魔導書。自分の書いたものではなく、他の誰かの遺品だそうだ。
 その書物の名は、熱理論、或る一人の魔導師が己の一生を一つの魔法にすべてをささげ書き上げた本である。
 その一つの魔法と言うのは、熱魔法―――良く、攻撃魔法として使われる火の属性に関する物であった。
 その魔術師は、炎と氷の属性は一つのモノだと解説をしている、精霊魔法で言えば、火の精霊と氷の精霊は別の存在で、別枠に組み込むのだが。
 この魔導書の持ち主から言えば、同じ属性であり、+と-の関係なのだと解説をしていた。
 少女は、己の力に通じるその本を読み、なるほどな、と思うのだ。
 何故なら、自分には『それ』が見える、そして、それを操れば、気温は熱は変わるのだ。
 つまり、この本に書いて有る理論は、間違ってはいないという事が理解できるのである。
 故に、少女は、その魔導書を深く読みふけるのである。
 読むたびに、新しい理解が得られるように思えるので。