2019/08/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」に竜胆さんが現れました。
■竜胆 > マグメールの富裕地区の一角にある公園に、少女は一人やってきていた。
今宵は犬の散歩というわけではなくて、ベンチに腰を掛けていたのだ。
未だ、蒸し暑いと言える外、少女は気にすることなくベンチで本を開き、読みふける。
その肌に汗が浮かぶことは、無かった。
その理由は少女に近づけばわかるのだろうが、その姿……背中にある竜翼に、尻尾、脇から延びる竜の角……人竜であることから人は寄り付かないのだ。
なので、今現在は、少女が涼し気にしている理由を知る者はいない。
ぱらり、ぺらり、と虫が夏を教えるように鳴いている中、ドレス姿の少女は、本を読み、只々、静かに座っているのだった。
■竜胆 > 「――――……。」
この国はすごい所よね、と本を読みながら少女は思う。
ミレーを弾圧しておいて、魔族と戦っていて、それでいて、ミレーも魔族も普通に歩いている。
人間以外の種族も平気で受け付けている。
他の国であれば考えられないわねと、思うのだ。
―――ぺらり、一枚頁をめくる。中身は魔導書―――ではなくて、魔術の基礎を書いた本。
独学故に、そういう本をたまに見直しておくことが大事だと少女は思うのだ。
思い込みと言うのはそれなりに激しいものなのだから。
魔術と言うのは、魔導と言うのは、思考が大事である、集中が大事である。
思いがあればその分強くもなろう、間違っていることを正しく思いこんで使えば正しい事よりも強くなる時もある。
が、失敗もまた、多く、大きく自分に跳ね返ってくる。
だから、冷静に、平静に、正しく運用が必要なのだ、と考えている。
「……ふう。」
本を閉じる。
集中できてないな、と言うのが、自分でもわかるから。
視線を本から、公園に移す。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にイヌさんが現れました。
■イヌ > 富裕地区の公園内へ、ちょっとふらふらっ、と力無く登場の犬族のミレー。
メイド服に身を包んだそのミレーは、木陰に入れば、はふぅぅぅ、と大きく息を吐く。
「……暑い。暑すぎるぅ……」
舌をだら~ん、と出し。そうボヤきつつ。
どこか、涼める場所は、と公園内を散策する少女。
そうしている内に、少女は、ベンチに座る人影を目にし。
「……あら……?」
遠目に見たその姿。少女は、まるで惹かれるように。
さっきまでだら~んだら~んとしていたとは思えないほどに。
元気良く、小走りで駆け寄るのであった。
……知人が見たら。正に、犬。なんて感想を抱いたかもしれない。
■竜胆 > 「―――。」
何かが近づいてくる、メイド服姿の誰かが近づいてくるのが判る。
しかし、家のメイドではない。
メイド服の質が違う、趣向が違う、という事で、誰かが来る。
近づいてくれば、イヌのミレーだという事が判り、その首にはまるのは首輪。
ああ、奴隷か、と思う。
知らない匂のそれは、此方に一目散に近づいてくるのが判る。
少女は知らない人間にパーソナルスーペースを犯されるのは嫌う性質であり。
ちら、と視線を向け、威嚇する。
―――それ以上近づいたら、どうなるか判ってるんでしょうね、と。
■イヌ > どこか、嬉しそうに相手に駆け寄る少女だったが。
相手が自分を見て。そして。
どこか、圧という表現をするのが的確な。そんな気配を感じさせたのなら。
キキキッ、と。少女は、その場で急ブレーキ。立ち止まり。
「……あ、ら? そのぅ。あの。
……申し訳ありません。その、人違いをしてしまいました。
その。貴女様の姿が。私の、とても、大切な人に似ていた、といいますか。
いえ、姿と言うより……気配……魂の、色、とでもいいましょうか」
相手が不機嫌である、と察した少女は。
その場で立ち止まったままそう言い、謝罪し、ぺこぺこ頭を下げる。
そう。確かに、遠目に見た時。少女はこの相手に、何か懐かしいものを感じ取った。
しかし、近づいてみれば。それはまったくの別人であり人違い。
なので、何度も何度も頭を下げる。
■竜胆 > 「……貴女は何者よ。」
似ているというのなら、すぐに結びつくものがある、が彼女は巣にはいないし、匂いも知ったものではない。
やはり外部の存在なのである、それで大事な人と向こうが言う、どういう事なのか。
基本的に、姉も竜だ、大事なものを手元に置きたがる。
そうでなくても自分の匂いをつけるのだ、だからこそ、自分も分かるのだが。
自分の知らぬ関係者、それは解せぬものである。
だから問いかけた。
あんた何よ、と。
■イヌ > 「……申しわけありません。また、私は名乗りもせずに失礼なことを……」
相手に問われ、少女がまた頭を下げる。それはなんというか。
……牧場の牛が。もしゃもしゃ草を食って、もっしゃもっしゃ咀嚼して。ごっくん。また草食べる~、みたいな。リズム感があった。
「私、とある冒険者様に仕えるメイドの、イヌ、と申します。
えっと……。その、もしも完全な勘違いで。
私の読み違いでしたら、大変失礼なのですが。
もしかして、貴女様は、トゥルネソル商会に連なる方ではございませんか?」
名乗りつつ、相手をまっすぐ見つめ、思い切ってそう尋ねる。
もしもこれでまったくの勘違いなら、少女はバカ丸出しなのだが。
そうだったらそうだった時。恥ずかしい思いをするのは少女自身なので問題なし、なのである。
ただ、少女は、目の前の相手から。古巣の匂いを感じていた。
それは、匂い、と表現するのは正しくないかもしれない。
本当に。気配。そんな、不確かな何かなのだ。
■竜胆 > 「イヌね。
―――確かに、トゥルネソル商会はうちの父様が経営している商会よ。
私は竜胆。」
彼女は確かに、自分の父親の商会の名前を口にする。
とはいえ、商会の関係者ではないだろう、関係者であればそもそも、自分と姉を間違えるわけがない。
顔は似ていても、三姉妹、髪の毛も、瞳の色も全然違うのだ。
髪型も、服装だって。
さらに言えば、体格だって全く違う。
そうなると、さて、この娘は何者なのだろうかと考える。
とは言え、相手が自分で語ってくれるような気配なので。
視線で促す。
早く次を言いなさいなと。
■イヌ > 「……あぁ、やはりそうでしたか。
竜胆……様……。
……? お父様が、経営……? あれ?」
少女は、相手の言葉に少しだけ嬉しそうな表情になるが。
聞いた名前。そして、言葉に、首をかしげる。
自身が古巣を離れて、もうどれだけの時間が経ったか。
数日、数週間、数ヶ月、なんて期間でないのは確かだが。
それにしても。少女は、目の前の相手のことなど、まったく知らなかった。
「……え、えぇっと。私、実は。
今の主人に買われる前は、トゥルネソル商会におりまして。
いえ、その。商品として、なのですが。
……その。店長……。リス様、とは。どういった、ご関係で……?」
少女は、自身のことを語りつつ、必死に思考を回す。
父が経営者。イコール。自分の以前の上司であり店主の姉妹、ということか?
いやしかし。そんな話、聞いたことがない。
いや、かの店主とは、あまりプライベートな話はしたことがなかった。
それに、奴隷の立場である自身が、店主の家族構成などを尋ねることじたい、無礼でもある。
とはいえ。商会にいた期間はそれなりに長かったハズだが、と。
ぐるんぐるんと考え事に脳が埋め尽くされていく。
この目の前の相手。そもそも、人間ではない。翼があるもの。
……本当に、商会の関係者か? と。僅かに、疑いが生じる。
■竜胆 > 「そうよ、昔からトゥルネソルは。
ダイラスにある本店、エルヴ・トゥルネソルの商会よ。」
貴女は何を言っているのかしら、少女は半眼と共に、圧を強くする。
嘘語るのならば、覚悟をした方がいいわよ、と。
そもそも、少女は家に引きこもっていて、魔術の訓練などをして、商会には一切手を出して居ない。
商会の中で知るには、家族から直接聞くか、店員に訊くかぐらいであろう。
店員さえ、そういう名前の妹がいる、程度の認識であろうが。
「リスは、姉よ。
商品、―――うちの、奴隷店員だったのね。
ふぅん。」
ああ、そう。
氷解した。
そもそも商売には興味もない。
手伝いもしなければ店に行くこともないのだ。
そして、彼女の視線に気が付いて。
「で、何?」
その視線に苛立ちを感じ、少女は尻尾を地面に叩き付ける。
地面が鱗に覆われた尻尾で叩かれ、凹むのだ。
やるなら、相手になるけれど、と。
■イヌ > 「……あぁ、なるほど。そういうことだったのですね」
そこで、少女は一気に理解した。
見ないはずだ。知らないはずだ。
少女にとってのトゥルネソルの世界は、王都の店のみ。
商会の規模は、噂に聞くだけでも相当なもの。
いくら店に長く居ても、少女にとって商会の未知の部分は非常に大きいのである。
「はい。ちょっと前まで、お店におりました。
……では、竜胆様はリス様の妹君様ということで。
竜胆様、とお呼びすればよろしいでしょうか?」
相手の言葉ににこやかに頷き。そう確認したのもつかの間。
自身の疑いの視線が、相手を苛立たせたということに気付き。
少女は、再度頭を下げる。
しかし、相手のその怒気。その根源が。
どこか、自分なんていうちっぽけな存在ではなく。
もっともっと、大きな範囲で湧き上がっている様な気がして。
少女は、頭を上げると。
「お言葉ですが。竜胆様。
トゥルネソルに連なるお方が、その様にトゲのある、攻撃的な振る舞いをなされては、商会の名に傷が付く恐れがあります。
僭越ながら申し上げさせていただきますが。もしもこれ以上。
この場で、そういった。公園の地面に対してなさったような破壊行動を行うのでしたら。
私。元とはいえ商会の従業員。貴女様のその態度、少し、教育し矯正させていただきます」
……もしも、この少女のことを良く知る者たちがこの場に居たのなら。
恐らくは顎が外れるほどに驚き口をあんぐりと開けたことだろう。
この少女は、基本的に敵意などを発散しない。根が小心者だし、争いを好まないからだ。
なのになぜこの場で、このような物言いをしたか。
答えは単純。元とはいえトゥルネソルの店員兼商品。
商会の名誉に関わる様な行動。見過ごせない、という想いから。
少女は相手に真っ直ぐに物を言い、同時に、どこから取り出したのか。
魔術士のお供、杖をくるくると回し、ビシッ、と相手に向かって構えてみせる。
■竜胆 > 「ふぅん?
傷がつくならつけていればいい。
私は、トゥルネソルよ。
誇り高き、竜の一族よ。
貴女に、竜の何が判って?
エルブは人間よ、商人よ、それは間違いないわ。
リスは、その娘で、人竜で、商人よ、それも正しいわ。」
少女は自分に杖を突き出す相手の事を見据えて、懐から扇子を取り出す。
開き、閉じて、手のひらにある扇子を弄んで見せる。
「私は、竜なのよ。
誇り高き竜の一族、海竜レヴィアタンの血を引く存在なの。
母様からも、許可を得ているわ。
私の気儘になさい、と。」
そもそものはなし、竜が商売をするということ自体が、特殊も特殊なのである。
彼女であっても、竜と言うものがどういう存在か知っているだろう。
竜は、破壊者で、プライドの高い、幻獣の王、食物連鎖の頂点。
少女は、竜であることに誇りを持っている。
だからこそ、商会に手を出す事無く、商会の手伝いもしない。
だからこそ、彼女が知ることのない、トゥルネソルとなるのだ。
「何も知らない儘に、独善を吐くの?
奴隷風情が。」
言葉を吐き出すごとに怒気が膨れ上がり。
それと共に周囲の温度が、下がっていく、少しずつ、少しずつ。
それは、物理的に下がっているのが判るだろう、夏の熱が失われていく。
竜眼は、じっと、イヌを見据えたままに。
■イヌ > 「……っ」
相手は、少女に向かって視線を向けてこそいても。
振る舞いは優雅そのものであった。
扇子の取り出し方。その弄び方。
それらのどれもが、そこいらの成り上がり貴族とは違う。
気品。気概。自負心。王気。そういった物があった。
「……それならば。貴女様がそうなさるのは正に貴女様の自由。
私如きが知らぬ。本道。王道。覇道のトゥルネソル。
その道にある貴女様が。その道に従った振る舞いをする。
実に正しい。ケチも、文句も。付けようがない」
相手の言葉は、いっそ清々しい物であった。
聞いているだけでも気持ちがいい。ここまで風格のある存在。
少女は、指で数える程しか出会ったことは無い。
その中でも、格段に格別の強さがそこにあった。
いっそ、あこがれてしまうほどに。
「ですが。ここは王都。人と魔、ミレーが混在し共存する街。
この公園はこの地区の人々の憩いの場所。
そも事の発端。貴女様を怒らせたのが私の不躾な振る舞いだったとして。
その破壊行動を許せる道理無し。
聞け! 偉大にして崇めるべき龍種の娘よ!
我が名はハイディア=ゾルデ=エスタルージュ!
今や滅びしミレーの一氏族。その長の娘なり!
独善と笑わば笑え! 人、魔、ミレーの住まう世界にはその摂理があると知れ!」
少女は、相手の存在。その強さ、正しさ、気高さを認めたうえで吼える。
奪われた名を名乗り、杖を思い切り相手に突きつけ叫ぶ。
周囲の空間の熱が、急速に下がっていることを知覚しながら。
少女は、主人たる冒険者にいつか学んだことを思い出そうと必死であった。
即ち……『龍種単独撃破の為のコツ』というものを。
思い出して、さぁ。それが実行できるかどうか。
忘れてはいけない。この少女はまだまだ駆け出し冒険者。
気合や根性、覚悟を上乗せしたくらいでは、超越者に勝てるわけがないのであるが。
■竜胆 > 少女は、彼女のふるまいを見つめていて、そして、目を細めるのだ。
その形は笑みに作り上げられた目元であった。
「―――。」
彼女の口上を、少女は鼻で笑う。
彼女を見据えたままに、掌で弄ぶ扇子は開き、口元に充てられる。
口元を隠し、少女は目の前の犬を見据えるのだ。
「―――フフ。」
笑いを零す少女は、立ち上がろうとはしなかった。
座ったままに、彼女の事を笑って、終わらせてしまう。
滑稽なピエロを見るかのように。
「で、その、士族の長のイヌ。
自分で言ったことを棚に上げて吠えて楽しいのかしら?
この、憩いの場を破壊した。
―――ええ、そうね。
で、貴女は今から私と破壊行動をしようと言うのね?
どの口が吠えたものよ。」
戦いになれば、自然とそうなるだろう。
少女が苛立ちに地面をへこませた、それ以上の惨状がおこるだろう。
周囲を歩く恋人も、その辺で盛っている変態も巻き込んで。
よくよく、面白い事を言うイヌね。
「まさか、そんなピエロな、奴隷だったなんて。
面白いわ。」
くつくつくつ、それでいいなら、さあ、いらっしゃいな。
少女は扇子を持たぬ左手を持ち上げで、こいこい、と手招きして見せる。
今、言ったことを理解したうえで、掛かってくるなら、反撃してあげるわ、と。
■イヌ > 会話し始めて、初めて相手が見せた笑み。
それは、どこか空恐ろしいものであり。
少女の背筋を、冷たい恐怖が一気に駆け下りた。
「っ……!」
思わず気圧されそうになるが。少女は唾を飲み込み。
下がりそうになった足を、ぐ、とその場にとどめた。
もしも一歩でも下がれば、その場で押し切られる。
そう直感したからだ。
「……ご心配なく。こう見えても私、回復魔法と修復魔法は得手ですので。
人の世に、無為無用の害成すを躾ける為ならば、必要経費という所でしょう」
相手の言葉と笑みに、少女はとんでもないことを口走る。
壊れたら直す。怪我をしたなら治療する。
だから問題ない、なんて。よっぽどの外道発言であった。
そんな必要経費があるか、と。元上司様が怒りそうなくらいの問題発言。
しかし、少女はそこで、相手に向かって一歩一歩近づき。
相手の隣に、すとん、と座れば。ちら、と相手を見て。
「とはいえ。確かに。全力で戦っては騒ぎになるは必定。
物は直せても。人は癒せても。少々面倒になるのは決定的。
ならば、こういった物はいかがでしょうか?」
ふ、と笑いながら。少女は、これまたどこから取り出したのやら。
一つの箱をベンチに置き、ぱか、と蓋を開けてみせる。
そこには、二つの人形だけが入っており。後は、なんの細工もないただの箱の様に見えるが。
「これは、主人が冒険の最中に回収した玩具でございまして。
この人形をそれぞれが触れますと、意識が人形の中に取り込まれます。
この箱の中で戦い……片方が戦闘不能になると、二人とも意識が元の肉体に戻る、という仕組み。
なんでも、魔族の国で、無駄な流血を防ぐ為に作られた魔道具らしいのですが」
いかがですか? と笑う少女。
この箱。いわゆる、決闘ごっこの為の箱なのだが。
流石に魔族の国の魔道具。力は本物だし、互いが行使できる力もまさしく、本人の力そのまま。
もしも相手が乗るのならば。本当に、戦えてしまうわけで。
少女としては、内心半分くらいはビビってしまっているのが事実。
■竜胆 > 「――――ほう、人の心も、それで治せるなら、大したものね。
貴女も大概人の心と言うものは持ってないわね。
治せばいいと、それで終わる話になるのかしらね。」
壊せば、来るのだ、憲兵。
そして、その憲兵に直すから許してで、許してもらえるだろうか。
答えは否である。
彼女の理論は野生のそれであり、それが通じるのは、貧民区ぐらいまでであろう。
想像以上に考え足りないのね、と半ば感心するのだった。
「―――。」
彼女が取り出すものを見やる。
魔法の道具、箱である。
其れの力を探るように少女は見やれども。
「話にならないわ。
遊戯で満足いくような生き方はしていないもの。
命を懸けるからこそ、決闘には意味がでるの。
命をかけてでも、通したい意思がある、と。
――――それは、ただ、安全なところで、安全に遊ぶだけ。」
少女は立ち上がり、歩き始める。
もう、話すことはない。
これ以上絡まれても鬱陶しいだけである、だから。
其のまま公園を去るのであった。
■イヌ > 「ぐぬっ……。
流石に、弁舌が立ちますこと……」
そう。少女も、そこを懸念しなかったわけでもない。
だからこそ、まっすぐに突っかかっていかなかったわけであるし。
少女とて、相手を犯罪者扱いにしたいわけでもないのであるからして。
「……左様ですか。
……そちらが敵意という刃をしまうと言うのなら。
こちらも、無理強いは致しません」
どこか、気を抜かれたような相手の態度に。
少女もまた、興味を失った、みたいな振る舞いをするのだが。
内心は、『た、助かったぁぁぁぁぁあっ!』である。
基本臆病。基本小物。
しかして、相手が公園を去ったのであれば。
「……何なのよ! あの子は!
あれでリス様の妹君!? ありえない!
絶対認めない! 認めないー!」
なんて、一人叫んだんだとか……。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」から竜胆さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からイヌさんが去りました。