2019/07/22 のログ
■ガルディ > 宴席がある――。
後ろ盾にしている実家からそんな報告を受け、それならば是非自分に行かせて欲しいと申し出て、今此処にいる。
『商品』になりそうならばそうしてもいいし、具合が宜しくなければ一夜の楽しみとして実家に一つの貸しとしておこう。
その程度の気持ちでの参画だったのだが……。
少女がワインを口につけると、貴族はもっと解りやすく向ける視線の色を強めた。
そんな貴族の背後に歩み寄り、肩を叩いて耳打ちをする。
「――様、頬が綻び過ぎですよ。
此処は私がお話を聞きますから、代わりにあちらの……えぇ、お気兼ねなく。」
グラスを傾ける少女をそっちのけに、貴族の視線を今まで自分が相手していた学生に促す。
その学生はもう頬を赤く染めて瞼を瞬かせている。
おまけとして言えば、スタイルも清貧とは真逆のもので。
後はもう移動して押し倒すだけ――そんな相手を差し出し恩を売って、場を入れ替わった。
「――こんばんは、お嬢さん。
是非私にも君の熱弁を聞かせてくれると嬉しいのですが……まずは、お味はどうですか?」
似た色合いのワインを注いだグラスをぶつけ、ご挨拶。
■リクレシア > 傾けたワインは程よく冷えていて、乾いていた喉に滑り落ちていく。
ほんのりと酸味を感じさせる爽やかな甘みは、とても上品なもの。
一口だけにしておこうと、そう思って受けったはずなのに、一気に半分以上も飲んでしまい。
「……え? いえ、とても爽やかで美味しい…ですけれど、その……先ほどの方は?」
ほんの少し目を離した間に、先ほどまで話を聞いてくれていた貴族が姿を消してしまっていた。
代わりにやってきた別の男性に話しかけられて、思わずきょろきょろとその姿を探してしまった。
けれども、既に多くの来客に紛れてしまったのか、姿は見当たらない。
ため息のような息を吐くと、居住まいを正して話しかけてきてくれた男性へと向き直る。
「失礼しました。私は、リクレシアと申します。
その……神聖都市の神学校では、貴族の子女ばかりを集めていましたので……」
学生服ではなく見習い神官の装束に身を包んだ少女は、丁寧な仕草で首を垂れる。
少女の説明を聞くまでもなく、その所作を見れば少女もまた貴族に連なる者だというのは分かるだろう。
先ほどは少し熱くなり過ぎたという自覚があるのか、少しトーンを下げて実情を説明しだす。
けれども、真っ直ぐに相手を見ながら話していたその瞳が、その途中で落ち着かなさそうに泳ぎ始め。
■ガルディ > 見るからに遠慮と警戒を見せていた筈だったが……ワインの減り方に、目を細める。
語らう前から、少女の本質が垣間見えたような気がした。
「代わって頂きました、だいぶ君の熱にあてられていたご様子でしたので」
見回す少女と一緒に他の客の方に視線を投げながら、周りから見てわかる熱弁だったと笑って。
「これはご丁寧にどうも。俺は、ガルディ、と言います。
ある程度の教養が無ければ話にならないでしょうから、そうなってしまうのでしょうね。
貴女も。……話を聞いてほしいのなら相手を見てと、教わりませんでしたか?」
半分以上も空いたグラスに、男自らワインを注いで勧める。一口にそれだけ飲んだワインだ、気に入ったのだろう、と。
聞かされる実情に尤もらしい答えを返し、頷いて話を逃すこと無く聞いている風を装い。
視線も少女を見つめるようにして絡ませていたが、それが外れ始めたのを不快そうに少しだけ眉を顰めて見せ。
右に行ったり左に行ったり、そんな視線をきちんと話し相手である自分に向けるべきだ。
手袋に包んだ大きな手のひらで柔らかな頬に触れて、視線を持ち上げさせる。
■リクレシア > 多少とは言え、自覚もあっただけに手厳しい指摘をされると、言葉に詰まってしまう。
それはまるで教師のように教え諭すようなものであったから、なおのこと反論など出来ず。
「う……そ、それは、その……仰るとおり、です……
でも……その、先ほどの方が話を聞かせて欲しいと…仰った、ので……」
追加で注がれたワインに御礼を述べつつ、ちびちびと口元へと運ぶ。
反論する言葉があるのならば、それを紡ぐために、ワインを口にすることはないのだろう。
けれども、今は己の未熟さを指摘されたばかりで、言い訳じみたことしか紡ぐ言葉は思いつかない。
その居心地の悪さから、場を持たせるためにグラスを傾けるばかりで。
「ひゃ…っ あ、あの……うぅ、その……恥ずかしいです…」
掌が頬へと触れ、顔を覗き込まれるように固定されてしまう。
頬にその触れた掌の大きさと温もりが伝わってくると、急に頭がくらくらしてきてしまう。
もしかして飲み過ぎてしまっただろうか。
顔が赤くなってきているのが自分でも分かるほど。いや顔ばかりか身体全体が火照ってきてしまっている。
半ば無理やり持ち上げさせられた瞳をパチパチと瞬かせ。
■ガルディ > 少女を叱責することが目的では無いから、それ以上の追求はしない。
ただ笑みを浮かべて、話の続きに耳を傾けていた。
そうしているだけで勝手にワインを口にしてくれるのだから、楽なものである。
「……俺の質問の答えにはなってませんよ、リクレシア」
先程の少女と同じため息らしいため息を落として、ぬくもりを伝える掌でそっとはたく。
じと、と碧眼で見つめて。
どんどんと赤みを増していく顔立ちを、魔導機械で記録し始める。
そして、さも今気づいたと男も瞳を瞬かせて。
「おや、あぁ……酒が飲めないと、貴族は苦労しますよ?
君の部屋までお連れしよう、一人一部屋、ちゃんとご用意されてますから」
挙動不審なのは酒に酔ったのだろう、と納得した様子を見せ。
白々しくも、男も同様の見解を口にする。
頬から手を離して、手に持ったグラスを取り上げ、自分のグラスと合わせてテーブルに置き。
グラスの代わりに握らせる男の手が少女の手を率い、背中を押して退室していく。
向かうは、男にあてがわれた寝室だ。
■リクレシア > 「ひぁ……っ」
添えられた手で軽く頬を叩かれる。
痛みなどは全くない。けれども、何故かドキッとしてしまった。
心臓の鼓動がどんどん高まってきて、相手にもそれが聞こえてしまうんじゃないかと心配してしまうほど。
ただでさえ頭の中がくらくらしているのに、整った顔でじっと見つめられていると本当に顔から火が出てしまいそうで。
「そ、それは……その、そう…なんですけれど……
え、部屋が……? その、ありがとう、ございます……」
実際、夜会でワインも窘めないようでは貴族としてやっていけないのは事実。
ごくごく当たり前のことを言われてしまうと、やはり反論は出来ない。
むしろこれだけ顔を火照らせてしまっている現状では、何を言っても説得力があるはずもない。
部屋が用意されているなどいう話は聞いてはいないけれど、混乱したままの頭ではそれに気づけるはずもない。
少し覚束ない足取りで、男に促されるがままに屋敷の奥へと連れられて行き―――
■ガルディ > 部屋の用意を告げていないというのは当たり前の話。
何せ、少女たちがどの部屋を使うことになるのか――決まるのは宴席の最中なのだから。
少女たち一人に、一部屋。
だが、其処に少女たちだけで一部屋とは言っていない――。
「さあどうぞ、入って……ベッドでも、ソファでも」
宴席の喧騒から離れ、暗い廊下に繋がせた手に互いだけを感じて歩き、部屋に行き着く。
無粋な大灯など無く、ぼんやりと部屋を照らす灯りと月明かりだけが枕元やソファを照らしている。
特にベッドは学生に使わせるには大きさも、意匠もかなり過ぎたもの。
少女を先に入らせて、男が後から。
カタン、――錠の落ちる音が響く。
■リクレシア > 屋敷の中はどこか薄暗い。
貴族の邸宅であれば、魔導ランプくらいはふんだんに備え付けられているはずだけれど、廊下はもちろん、部屋の中も照明は最低限に抑えられている。
知らない屋敷の、それも暗い廊下を歩こうものなら、掴まれた手をしっかりと握り締め、自然とその身体は寄せられることになる。
そうして案内された部屋に辿り着くと、ぽすんとベッドのシーツに身を預けてしまう。
「はふ………」
服を脱がないと皺になる。
頭ではそうは思うけれど、身体の方が言うことをきいてくれない。
むしろ火照った肌に冷たいシーツの感触が心地よくて、誘惑に負けてその柔らかな肌触りを堪能してしまう。
「……え?
あ、あの……ど、どうして……部屋の中…まで……」
鍵の掛かる音に重たい頭をどうにか持ち上げる。
てっきり送り届けてくれただけだと思っていた男の姿がそこにあれば、驚いたように少し乱れたシーツの上から見上げる形となり。
■ガルディ > 帝国との宴であればそれはもう綺羅びやかに彩られていたことであろう。
しかし今夜は教会のシスターを招いての宴。それも学生まで加えての背徳の宴。
暗がりを多くした屋敷は、それに合わせた雰囲気作りと言うわけだ。
シーツに身を投げ、気持ち良さそうに身じろぐ格好は歳相応の可愛らしさ。
鍵を掛けた扉を離れると早々に上着を脱ぎ、ベッドの端へと投げ捨てる。
「……ん?
どうしてって……ここが、俺の部屋だから、ですよ」
少女の脚元から、男がベッドに乗り上げる。
躙り寄りシーツが乱れる音と、手をつき膝をつき、少女に覆い被さる男の重みを受けて軋む音。
投げ出されている足首を拾い上げ、そこから。
途中でスカートを引っ掛けて大腿部まで這い上がって、裾を下着が覗ける位置にまで捲り上げてしまい。
「……貴族なら、嗜みの経験くらいはあるでしょう?」
随分と熱を持ったように見える唇を唇で奪い、舌舐めずり。
脚を閉じられぬようにと膝を割り込ませ、柔い女の部分に擦り寄せる。
■リクレシア > 部屋に誰もいなければ、そのままひとりで身体の熱を持て余していただろう。
身体の方は確実に熱を訴えているにもかかわらず、シーツを乱すに留まる少女の様子を見れば、経験が薄いのは自ずと知れる。
軋むベッドの音に、少女の表情に怯えが走る。
筋肉質な大きな体躯に、華奢な身体が抑え込まれ、簡単にスカートを捲りあげられてしまうまで、そう手間は掛かりはしないだろう。
仄暗い部屋の照明であっても、少女が身に付けた白のレースを浮かび上がらせるには十分で。
「この部屋って……んっ……んぅ……っ!」
社交界に出たことはおろか、全寮制の鳥籠のような場所に飼われていた少女に、そういった免疫は全くと言っていいほど何もない。
もちろん、知識としては教えられはしたけれど、実体験の伴わないそれは、お伽噺の中のことと変わりはない。
それにも関わらず、唇を奪われ、舌を絡めあわされると、ぞくりとした抗い難い感触に身を震わせてしまう。
一方で、唇と同じく、それ以上に熱を帯びた秘所へと膝を押し付けられれば、もどかしさにピクリと腰が跳ねてしまった。
「や……んぅ……!」
擦りつけられる動きを繰り返されると、嫌がるだけだった少女の様子が、少しずつ大人しいものに変わってくる。
■ガルディ > 発散の仕方すら知らないのだろうか?
それとも、まさかやり方こそ知っていても今がその時だとすらわからないのか――。
奪った唇の端から端まで、時間を掛けて舐り。
互いの違う体温が馴染んだと思える頃、開放する。
無垢な色だが男を煽る下着の飾り気を指先だけでなく、視覚でも確かめて。
「……ファーストキスは父上で?」
たったいま、絡ませていた舌をちらりと出して見せる。
少女の身じろぐ様子は、それすらもまだだったのではないかと疑いたくなるほど純朴。
質問の答えを待たず、男はもう一度少女の唇を奪う。二度目。
舌を軽く絡ませただけで離れて、間髪入れずさらにもう一度。三度目まで奪って。
「さ、て、……此方の具合は、と……」
跳ねる腰は、その都度膝小僧が咎める。
それが暴れようという跳ね方でないなんてのは経験を察するよりも簡単。
熱を帯びた中心も、ほんの小さなしこりも狙いはしない。
硬い膝の皿で大雑把に秘所を擦り上げて、少女の中の性感を引き上げる為の雑な愛撫。
■リクレシア > 【後日継続】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 とある貴族の邸宅」からリクレシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 とある貴族の邸宅」からガルディさんが去りました。