2019/07/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にリクレシアさんが現れました。
リクレシア > 馬車に揺られること数日間――ようやく王都へと辿り着いた。
実家のお屋敷と神聖都市の郊外くらいしか知らない少女にとって、王都の景色は物珍しいもの。
しばらくお世話になる神学校の恩師の知人という人物に挨拶を済ませると、荷解きもそこそこに街へと繰り出してみることに。

そろそろ夕暮れに差し掛かろうかという王都の街の様子は、やはり神聖都市とは全く違うもの。
しばらく歩いていくと商店の並ぶ通りに出る。綺麗に整った道の向こうには公園も見え、治安も悪くはなさそう。
きょろきょろとお上りさん状態で、神聖都市にはあまり見られなかった服飾店のウィンドウを覗き込み。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にクラムさんが現れました。
クラム > 夕暮れとなれば冒険者も含め、仕事は終わり帰り際
まだ寄り道のきく時間であればちょっとの買い物。その冒険者と見れそうな少女はちょっと羽を伸ばしてあまり
行ったことのなかった富裕地区の商店街に。

「ふえー、やっぱみんなきれー、いい服着てるー。おーおー!おいしそー!知らないの食べてる!
いいなー、あたちも早く稼いで立派なことしたいなあーー」

あらゆるものに目を泳がせて浮足の彼女。通行人にやかましいと思われつつも止めない様子
服飾店のウインドウを見れば、豪華絢爛な衣装。自分が握っている金袋をみて、途端にしゅんとなる。
どうやっても買えないし、自分には似合わないと思っているのだろう。

「うー、人間はやっぱり違うなあー。まあいいや、公園であそぼーかなあー」

っと、踵を返し公園のほうに向かうところ、背に抱えていた食糧などを零してしまう。しかし気が緩んでいて
全く気づいたように見えぬまま。

リクレシア > 服飾店の店先には、煌びやかなドレスがいくつも並べられている。
実際には仕立てすることになるのだろうけれど、いわば看板代わりと言うことなのだろう。
これでも一応は貴族筋にあたる少女としては、それらに「重たそう」とか「締め付けが苦しそう」とか、そんな印象をいただいてしまう。
そうは言っても、やっぱり可愛いものを見る分には、そんなことは関係なく。
各店によって微妙に違うコンセプトを楽しみながら、ショーウィンドウを眺め。

「あら…? こんなところに?」

服飾や装飾品を扱う店が並ぶ中、道に包み紙が落ちているのが目に入る。
僅かに開いた口からは、どうやらパンが入ってるらしいことが窺える。
どうしたものだろうと見渡してみると、道の向こうに似たような袋を背負った少女の姿をちらりと見えた。

「あ、あの、待ってください……っ!」

その包み紙を拾い上げると、公園に入っていった少女の後を追っていき。

クラム > 鈍感な彼女は公園に入るまで追いかける人の気配にも気づかず…
結局さあベンチに座っておこうかと思ったところにやっと後ろからの声に気づき。

「お?だれー?どしたの?――お、おー!あちきのパン!んえ、あたちの袋あいてたのかー!?」

まず大声あげて驚き、そして喜び。演技っぽくはない、純粋なリアクション。周りに子供がまだいたならば何あれ?
と目を惹く所であったが、この夕暮れ、既に子供は家に帰っているだろう。

パンを受け取ろうとして、その恩人の人の顔を見やる。整った顔立ち、少々あどけなさが残るが、とても知的に見えるか。

「ありがとー!食べ物、とっても大事なのー…、えっとね、あたちはクラム!ひよっこの冒険者だよ!」

頼まれてもないのに自己紹介。初対面の方へ相応しくない態度に見えるかも考えない。勝手に相手の手を握り、
自分の頬に寄せる。自分の国ではこれは愛好の意味があるとしていて、その行動を取るのだが。

「えへへ、気に入った!お姉ちゃんのこと、教えて!」

そして興味津々とまでにやや同年代に見える相手方の事を尋ねる。

リクレシア > 拾い上げたそれは、包み紙のおかげで汚れてはいないはず。
それでも軽く砂を払ってから、落とし主と思わしき少女を追いかける。

「やっぱり落とされたんですね。良かったです。」

自分よりは少し年下に見えるものの、もしかしたらそうは変わらないかもしれない。
見たところは冒険者のような恰好で。
けれど、その大げさなリアクションには少しびっくりしたように目を見開いた。

「えぇ、どういたしまして。私は、リクレシアと申します。
 食べ物、大人さないように気を付けてくださいね。」

拾ったものを届けて終わりかと思ったら、元気よく自己紹介をされてしまった。
手を取られて、頬へと寄せられる行動には、続いて少しばかり驚いてしまうけれど。
異国感の漂う服装を見遣ると、習慣が違うのかもしれないと理解する。
とは言え、どの辺りの出身かなんてことは分からないし、どう返せば良いのかも分からない。
なので、頬へと導かれた手はそのままに、軽く膝を折って、少女の知る礼儀作法で挨拶を返す。

「教えてと言われましても……今後、こちらに建設予定の神学校のお手伝いをしに来ました。」

具体的なことは、私もまだ聞かされていないんですとやや困った表情をして見せる。
尋ねられるあれやこれには、丁寧に答えていって。
それは少女が飽きるまで続けられることになるかどうか―――

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からリクレシアさんが去りました。
クラム > 【双方就寝につき閉じます】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からクラムさんが去りました。
ご案内:「富裕地区の公園」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 夜分まで開かれていた豪商達との会合の帰り道。
揺られていた馬車を途中で止めてまで徒歩での帰宅を選んだのは、ほんの気紛れに過ぎなかった。

蒸し暑い夏の夜の熱気を感じてみたかったのか。洒落た庭園を眺めてみたかったのか。或いは、何も考えずぼんやりと歩いてみたかったのか。

その全てなのかも知れないな、と思いながら夏場に着こむには幾分過剰な衣服を靡かせて人気のない公園を歩いていく。

「……平民地区とは違い、静かなものだ。此処の連中は、夜更けに散歩などする様な趣味もあるまいしな」

酒場など、夜でも賑わっていた平民地区とは違い、富裕地区の夜は静寂に包まれている。無論、規則正しく休んでいる訳ではなく、各々が各々の屋敷で享楽に励んでいるだけなのだが。
偶にはこうして散歩してみるのも良い物なのだがな、と綺麗に整備された公園の砂利道を歩いていく。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 管理人が存在し、時折衛兵が見回り、資産家の住民達が憩うこの公園は隅々まで管理が行き届いている。
道には塵一つ転がっておらず、草花は色とりどりに咲き乱れ、細やかな逢瀬を楽しむ為の東屋まで完備していた。
公園という性質上平民にも開放された場所である為、身だしなみを整えた平民達が観光気分に訪れる事もあるとかないとか。

「……まあ、此の地区の住民が態々公園まで訪れる必要もなかろうしな…」

貴族、富豪ともなれば己の屋敷の庭園を競うもの。態々、平民が訪れる公園まで足を運ぶものなど早々いない。
此の場所は、謂わば格差の証。平民に上流階級の富を見せつける道具の端くれでしかない。
とはいえ、芽吹く草花も吹き抜ける夜風も偽りのものではない。熱気を攫う様に吹き抜けた夜風の心地良さに目を細めながら、目的の無い散歩は続く。