2019/06/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】 高級酒場」にフィニスさんが現れました。
フィニス > 「なかなかいい感じのお店ですね」

服装はドレスなのに、傘は大きな和傘という、ちょっとちぐはぐな格好の女性が入ってくる。

そのまま楽しそうに座ると、マスターに何がありますか? とお酒を聞く。
甘いカクテルと、甘いおつまみをもらいうれしそうに飲みながら周りを見回す。


なんとなくおいしいそうな気配がして入った店だが、感じはなかなかよい。
きょろきょろと見まわすも、既に皆連れがいるようで、一人きりが寂しいな、と思ったフィニスは、唯一独りぼっちそうな相手、ホアジャオに声をかけた。

「こんばんは、いい夜ですね」

ホアジャオ > ぶつくさ零しながら盃を呷っていた所。
何だか正反対の調子で声を掛けられて、数度細い目を瞬かせてから相手を振り返った。
見れば、黒髪黒目の美少女…しかも猫耳付きだ…
顔を向けた後、更に何度か瞬いてから、ぽりぽりと後頭部を掻いて。

「晚上好(こんばんは)…
そォ?
アタシは雨に降られちまって、今ンとこあンまりな夜だケド」

あはは、と笑って
そのまま珍し気に横目で彼女を見ながら、紅い唇にまた盃を運ぶ。

「アンタ、ここら辺の子?」

フィニス > 「来てまだ一月も立ってませんねー」

獣耳が嬉しそうにホアジャオの方に向き、尻尾がゆらゆらと揺れる。
ミレー族と間違われかねないのだが、それすらも知らないあたりこの辺の人間ではないのがわかるだろう。

「東の小国から来ましたフィニスといいます。お姉さんはこのあたりは長いのですか?」

ホアジャオ > 「哎哟(おやまあ)…外国の子?」

細い目を軽く見開いてから、ふうん、と吐息を漏らす。
女自身もシェンヤン出身で、一応外国人ということではあるのだが…
田舎育ちだったせいか、ミレー族…どころか獣人を見慣れていない。
興味深そうに、黒い瞳が揺れる尻尾を追いかける…

「アタシは『ホアジャオ』ってえの。
まァ、アタシもここら辺は最近だなァ…
『公主』って、シェンヤンのお姫さんが今ぞろぞろコッチに来てンだけど、それの用心棒のアルバイトするようになって、以来」

思い出すように視線を上に向けて、またちびりと盃を呷る。

「フィニスは、なンかの用事でコッチ来てンの?」

フィニス > 「子作りですね」

ぶっ飛んだことを言い始める。

「国がですね、人がいないんですよ。ボクがお姫様兼女王様兼唯一の国民です。で、人を増やそうと神様に神託を受けたら、ここにきて子作りしろといわれたのできた感じです」

美味しー、といいながらお酒を飲み干し、お替りを求める。

「この前一人産まれましたので、やっと国民が二人です。お姉さんもボクと子作りしませんか?」

ホアジャオ > ぶは。
思わず口に含んだ酒を霧となって吹き出す。
バーテンが向こうですごく嫌な顔をした。

「げっほえッほ……
怎么(はあ)?」

細い目を何度も激しく瞬かせる。
一軒、大人しそうな少女かと思ったら…
何だか複雑な事情を事情を抱えたうえで、何だか純粋さが変な方向へ行っている様子だ……

「あ、そォ…おめでと。
アタシは女だかンね、悪いケド協力できないや」

口元を拭ってけらっと笑ってから、興味深そうに首を傾げて、頬杖をつく。

「生まれンの、随分早いンだね…
男の子?女の子?」

きっと、彼女のような猫耳と尻尾の持ち主なんだろう…想像するだけで、すこしうっとりした視線。

フィニス > 「女の子ですよ。すごくかわいいんです♪」

尻尾を振りながら嬉しそうにするフィニス。

「女同士だと、交尾はできないんですね、一つまた賢くなりました」

そんな風にのほほんと述べる。世間知らず感が半端ない。
女同士でも交尾できる薬とか、変えないかなーとのほほんと考えながらお酒を飲んでいく。

「んー、ちょっと酔ってしまいましたね」

頬を紅潮させ、色っぽく微笑む。

ホアジャオ > へえーと細い目ながらきらきらとしたものを浮かべて、自分の前にある木の実をつまむと、口に放り込む。
もぐもぐと、紅い唇を動かして

「そだね。アンタと子供を作るってえなら男でないと無理だよ。
まァ、フィニスくらい可愛ければ一声で山ほど群がって来るだろうケド…」

言いながら、そっと辺りを見回す。
幸い品行方正な客ばかりで、彼女のほうへ胡乱な視線を向ける客は居なさそうだ…
もし会話が漏れ聞こえて居たら、この先定かではないが。

酔ったという言葉に大丈夫?と声を掛けると胡乱な視線を送ってきていたバーテンに合図して、水を受け取る。
それを彼女のほうに押しやりながら

「子供、まだ小さいンじゃァないの?
放って置いてもう大丈夫なわけ?」

フィニス > 「信用できるところに預けてありますから大丈夫ですよ~」

楽しそうにそんなことを言いながら、ホアジャオに寄りかかる。

「子供10人以上いる人ですから、正直ボクよりも慣れてますし。それに、ボクは子供を作らないといけないんですよ!!」

プニプニとホアジャオのほっぺを指でつつく。

「あー、ホアジャオさんみたいなきれいで優しい人と子作りしたいなー。したいなー」

すりすりと頬を擦り付け始めた。完全に酔っ払いが絡んでいる図である。

ホアジャオ > 10人以上、と訊くと紅い唇をあんぐりと開けて。

「好厉害(すご)……豪気だねえ…」

自分の近所にも子だくさんは居たが、流石に10人は多い方だ。
感心していると、酔った様子の少女が寄り掛かって来る。
何だか、子づくりに兎に角熱心らしい…

「だからアタシは女だから無理だッてば……」

突かれながらもそう言い返して。
頬を擦り寄せられると、思わずその耳を撫でつけるように手を伸ばして頭を撫でようと。

「あーあ……フィニス、酒弱いンだね…
……送ッたげるから、帰る場所覚えてる?」

完全に妹か何かをあやしている気分である…

フィニス > 「わーい、ここですよー」

胸元から取り出されるのは迷子札。ちゃんと富裕地区の住所が書いてある。行けばちゃんとしたお屋敷で驚くかもしれない。

「ほあじゃおさんだいすきー♡♡」

嬉しそうに頬擦りしたり、頬にキスをしたりしながら、促されるまま移動するだろう。

ホアジャオ > 迷子札を見れば、取り敢えずは富裕地区内であることにほっとする。
この雨の中、それより遠ければ馬車か何かを頼まねばならなかったろう…

「不得了(しかたないなァ)……
傘は、自分で持ってよ?」

勘定を済ませると、酔うとスキンシップが激しくなる様子の少女を支えながら出口へ。
とてもじゃないが、馬車に頼んで一人きりにさせられる気がしない。
外へ出ると、傘をさした少女をよっこらしょとおんぶして。

「――走るかンね。しっかり掴まっててよ…!」

言うが早いか。
少女が掴まったかを確認するのもそこそこに、雨の中を軽い水音を立てながら疾駆していく…

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】 高級酒場」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】 高級酒場」からフィニスさんが去りました。