2019/06/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】 高級酒場」にホアジャオさんが現れました。
■ホアジャオ > 雨の夜。
富裕地区の住宅街、豪奢なお屋敷が立ち並ぶ一角。
屋敷の間に紛れるようにして、小さな酒場があった。
中はカウンタ―と、10席に満たないテーブル席、一角には今は弾き手の居ないグランドピアノ。
天井の灯り、壁の柱時計、椅子やテーブルに至るまで調度品はどれもこれも骨董めいていて、客の空いたで交わされる盃も相当な細工ものの様子。
そんな重厚な雰囲気の酒場は近隣住民の憩いの場らしく、7割方埋まった席では落ち着いた様子の紳士淑女が穏やかな会話を交わしている。
そのカウンター席に、すこし場違いな雰囲気を醸し出している女がひとり。
何が気に喰わないのか、頬杖を付いてむっつりとした顔で盃を呷っている。
(失败了(失敗した)………)
夜の散歩中に雨に降られて、思わず飛び込んだ灯りの点いた店。
酒場なのに、まさかこんな大人しい雰囲気の場所だとは思いもよらず
…肩身が狭い事この上ない…
■ホアジャオ > またちびり、盃を呷る。
唯一といっても良い、救いは酒が美味しいということだ。
(……まあ、値段相応ってえやつだけど……)
よくよく考えたら、自分は富裕地区をうろついていたのだから、この始末もさもありなん。
紅い唇から溜息が漏れる。
「やんなっちまう……」
思わず言葉になって零れると、カウンターの向こうのバーテンがちらりと不安そうな視線を寄越した。