2019/04/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」にネコさんが現れました。
ネコ > 『……チッ、しけてやがる』

富裕地区。大通り。行き交う人の群れの中をすり抜けながら少女が毒づく。
メイド服姿でふらふらと歩いている少女。目を引くのは服装もだが。
少女の身体的特徴が最も人目を引くだろう。
少女は、右腕が無かった。右の肩から先が無い。
メイド服はしっかりと右肩部分もあるのだが。
明らかにそこに肉体が無いということは、遠目にも分かるだろう。

『こんなんじゃいつまでたっても自由にはなれねぇ……』

少女は、一度人ごみから離れ、左手の中を確認する。
そこには、通行人からスリ取った金貨があったが。
少女が腕を失う理由となった、膨大な借金に比べれば小遣い以下の金額だ。

『どこかに美味い話でも転がってねぇかな……』

楽な儲け話を求めて富裕地区に来たのだが。
なかなか金になる話は転がっていない。
少女は路面にツバを吐くと、懐から細巻を取り出し、ぷかり、と吸い始めた。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」に黒須さんが現れました。
黒須 > 「...随分と豪華な所だな...。」

(行き来する人の中、周りの建物や人達の姿を見ながら歩いていた。
その街では身分が合わなそうな姿をしている大男が。
黒いズボンに黒いYシャツ、黒い革ジャンと黒いハット。
オマケに睨みをきかせた鋭い目付きと黒くボサボサとした長髪をしており、あまり貴族とは言えないような姿をしていたのであった。)

「...あ?なんだ...?」

(途中スンと鼻を動かすと、嗅いだことある匂いがした。
それは以前抱いた少女の香り。そして、どこか血なまぐさい匂いもあった。
匂いの元を追うように歩くと、1番近いところで見つけた。
それはあの時のメイド猫であり、片腕が無いのにも気づいた。)

「...おい、大丈夫か...?」

(姿は変われど、同じ声で彼女に声をかけた)

ネコ > 『この際娼婦の真似事でもいいんだけどな』

ぼそり、と呟く。本当なら、そういったマネはしたくない。
だが背に腹は変えられない。
こうなったら適当に男に声をかけるか。そう思っていれば。
逆に少女が声をかけられることになり。

『……ゲッ、黒須……!?』

その相手とは、以前一度肌を重ねた仲であった。
相手の職業を思い出し、構える少女であったが。
相手が本当に自分のことを案じているような様子だったため、警戒を解く。

『……あいつらの依頼で金を回収に来た、って訳じゃなさそうだな……。
 あぁ、これ? 大丈夫だよ。随分前にヘマしちゃってな。
 止血も済んでるし、もうだいぶ慣れた』

それでも、鼻が良ければ傷痕から血の臭いが感じ取れるかもしれないが。
少女は、相手のことを真っ直ぐ見て、値踏みをするように何度か首を上下。

『なぁ、暇だったらアタシのこと買わない?』

そこでいきなりそんな提案をする少女。
相手の覚えている少女のイメージとは、だいぶ雰囲気が変わっているだろう。

黒須 > 「おぅ、悪かったな?俺に出くわしちまって...。」

(初めに『ゲッ』っと驚く彼女に対し、片眉を上げて答えた。
顔から見るに本気で悪かったなと言わんばかりの不機嫌顔であったが、それは素顔がそれであったために睨みを聞かせていただけである。)

「...もう、金貸し屋はしてねぇ。
今はタナールにある第7師団の戦闘員の1員だ 。
...なんだ?娼婦をしちまってたら、嫌な客に腕でも落とされたか?」

(事情は知らないが、何らかの理由で落とされたようであり、事情については語らなかった。)

「.........丁度いいな?ちと、付き合ってもらいてぇことがあってな?
ああ、いいぜ?買ってやるよ...。」

(いきなりの提案に少しの間を置き、鼻でため息の様に吐くと了承の意を伝えた。
そのまま相手に付き合ってもらうように言うと、そのまま回れ右をし、首で着いてこいと指示をする。
向かった先はやはり宿屋......ではなく、少し高級そうなアクセサリーショップであった。)

ネコ > 『別にアンタ自体に罪はないが。
 タイミングが悪ぃ』

なにせこちとら借金がある身なのであり。
そんな時に現れれば思わず警戒もしてしまう。
だが、次に相手が口にした言葉には、ほう、と眉を上げる。

『んだ? 金の回りが良すぎて金持ち共に恨まれたか?
 アンタがフロントライン行きとはなぁ。
 ……んな訳あるか。ちっとしたカジノで大負けこいたんだよ』

相手の指摘に、げんなりとした表情で言う少女。
しかして。相手が戦闘員とは。腕が立つとは聞いていたが。
どうにもイメージとかけ離れている気がした。

『付き合ってもらいたいこと?
 いいけど、それ別料金な。……ってか、いくら払う?』

それ次第でサービスも変わるぞ、と言いつつ。
相手についていけばなぜかアクセサリーショップにたどり着くことになり。

『……あんだぁ? 女にプレゼントでもするのか?
 それで、アタシにその見立てでもしろとか言うか?』

てっきり連れ込み宿直行かと思っていたので、そう笑う少女。

黒須 > 「そんなじゃねぇよ。酒に酔ってタナールに行っちまった矢先、師団長と出くわしては、更に魔族と対決して、入団したって話だ。」

(経緯を話した。
誠にアホな行動から大掛かりな出来事が起きてしまったのであった。
それでも、前職よりかはいい儲けが出来ているで文句は無い。)

「カジノだぁ?んなくだらねぇところ、良く行けるな?」

(1度自分も行ったが、何が楽しくてあんな所に行きたがるのかっと思い変に嫌そうな顔をした。
それで腕1本とは...情けないと思い、到着した。)

「...適当にこんぐらいだ」

(ほいっと片手で麻袋を取り出すが、どこでし待っていたか、たんまりと金貨の入った袋を見せては再度革ジャンの内側へと仕舞った。)

「それは別の用事である...。今は気になったもんがあるから、それを確認するだけだ。」

(彼女の問に答えると軽く下見をする程度で終わった。)


「さて...買い物を済ませるか...。
...つっても、その腕じゃ無理か...。めんどくせぇなぁ」

(ハァっとため息を付くと、ネコに近付いて無い肩を掴む。
掴んでいる手の甲にトライバルの時計の紋章が浮かび、白い炎の様なオーラが放たれる。
それは、黒須の持つ魔術「逆転」の魔術の発動であり、それによりネコの無くなった腕を戻そうとした。)

ネコ > 『へぇ、ヘッドハンティングってやつ?
 出世じゃん。おめっとさん』

相手の言葉の裏に気付かぬまま、素直に祝福する少女。
少女には出世は縁がないので、そこには嫌味な色も無い。

『結構話題のカジノでね。ヤベェ店なんだけど。
 商品が良かったから行ったんだけどな……』

少女はそう言い、首を指差す。そこに輝くのは首輪。
見るものが見れば分かるか。任意のタイミングで爆破できる爆薬つきの首輪だ。

『……わお。結構あんじゃん』

相手の提示した額はなかなかの物。
これなら少しは借金の返済に充てられるな、と少女は計算する。

『ふぅん? 良くわからんね。
 まぁ、いいけどさ』

金を貰ったならある程度は付き合うさ、と笑う少女だったが。
相手が下見だけで済ませれば、首を一度だけ傾げた。
どうにも。本当に縁の深い女でもいるのか? といぶかしむが。

『買い物ね。……って、ちょ、待て!
 馬鹿野郎! この首輪はな、監視装置も兼ねてんだよ!
 腕を再生なんてされたら、即ボカンだ!』

相手の言葉に笑い続けていた少女だが、相手がしようとしたことを察知し、距離を取る。
首輪を指差しながらぎゃんぎゃんと吼えるが。そこで申し訳無さそうな顔になり。

『い、いや、すまねぇ。気持ちは嬉しいけど。今のアタシは勝手はできねぇ身分なんだ。
 アタシの身柄を確保してるカジノの従業員に、確認してからにしてくれるか』

すまない、と心から謝罪し、頭を下げる少女。
相手の気遣いを無碍にしてしまったことを、本気で悔いていた。

黒須 > 「…どうも」

(普通の気持ちで祝福する彼女の言い方に素直に答えるも、素っ気ない雰囲気があった。)

「…ったく、貧民地区の奴らと同じ思考かよ…。
目の前の宝だけ見てんじゃねぇ。きちんと周りも見ろって話だ。」

(貧民地区の記憶が頭をよぎった。
飢えや病気、格差のせいで苦しむ人間がおり、それから逃げれるためにクスリを使用した人たちが何人もいた。
目の前の少女もその一人だと思い、呆れの意を込めてまたため息をした。)

「まあな?こちとら、こっちの人間を守っているんだし、それなりの報酬はあるって話だ。」

(軽く数えてもかなり贅沢ができる程入れている麻袋。
それを報酬に支払うと約束した。)

「…。…そうか、そりゃ悪い事をしたな?
いや、俺も事情が知らねぇで勝手な事をした、おめぇは気にすることはねぇよ。
にしても…面倒な首飾りを貰ったな?おい…。」

(爆弾の説明を受けられ、騒ぐもすぐに申し訳なさそうにし、頭を下げる少女の様子を見ては気にする様子もなく、首輪のことだけはめんどくさそうに顔をゆがめていた。)

「…んじゃ、軽い荷物だけ持ってもらうことにするか…。」

(そう言うとまた歩き出してく。
今度は商店街へと向かい、財布の状況と揃えるものを確認しながら歩きまわり、買い物を済ませていく。
自分は大きく思い荷物、ネコには軽く、片腕だけで持てる様な荷物を持たせることにした)

ネコ > 『……あれ、どうかしたの?
 なんか、嬉しそうじゃないね』

相手の様子に、少女は首を傾げるが。
もしかしたら、昔の仕事の方が好きだったのだろうか、なんて考える。

『ハッ、アタシは所詮スラム出身の貧民地区のガキだよ。
 少なくとも、あの店ぁ勝ちを反故にはしねぇって話だったからな』

それでも、負けてしまえば意味は無いのだが。
少女は、相手の呆れたような様子に、若干の苛立ちを覚える。
自分の出自など、思い出したくもないし、スラムのドブに捨て去った物だ。

『なるほどね。まぁ、稼ぎは大事だわな』

何をするにも金は必要。生きるのにも、守るのにも。
金が無くては力があっても何もできぬことを、少女は心得ている。

『いや、マジすまねぇ……。
 もしもカジノのヤツ等が許可してくれたら。
 真っ先に黒須に連絡するからよ』

すっかりしょげてしまいつつ、相手にそう言う少女。
紗に構えてはいるが、根は割かし素直なのである。

『あのさ。こう見えてもアタシ、メイドだぜ?
 片手でも荷物運搬くらいできるっての』

相手の後ろを追いながら言う少女。
現に、片腕を失っても少女はメイド業もこなしてはいる。
そうはいっても、相手はきっと軽い物しか渡してこなくて。
それがまた、妙にむず痒くて。少女は笑顔と苦笑の間の表情。

黒須 > 「ちげぇよ。昔っから表情がかてぇんだよ。
仕事柄ポーカーフェイス決めてやんなきゃできねぇからよ?
笑うつっても、あれぐらいだしよ?」

(相手に表情豊かな所があるのを見られると舐められると思い、常にポーカーフェイスを維持していたため、他の表情を作るのが苦手になっていた。
笑うときも、あの時夜の誘いをしていた時のゲス染みた笑みがせめてもの感情であった。)

「ま、ともかくだ…。
上手い話しには必ずしも穴があるんだしよ?今度からは気ぃ付けろよ?」

(説教臭く、ジジイくせぇなと思いながら片手で後ろ髪をわしゃわしゃと掻く。)

「ああ。こっちも魔術はたんまりとあるしよ?そっちの事情が何とかなったんだったら、そうしてくれ…。」

(有り余るほどに自分の中には魔力があり、普段は一度しか使えない逆転魔術も何度も使えるようになっていた。
しかし、本当に大事な場面の時にしか使わないようにしているがため、ただただ貯まる一方であったのだ。)

「んなの知らねぇな?
俺からみりゃ、片腕失った少女に荷物持たせるなんざ、そりゃひでぇ野郎だと思ってるからよ?
ま、もしお前のメイド業のプライドに傷を付けるんだったら…それなりに考えるがよ?」

(相手の表情や過去の履歴を聞くも、面倒見の良さが引っかかり、あまり重たい荷物を持たせようとする気持ちはなかった。
プライドに少し傷を付けた様な感覚がしたがため、表に出さずとも申し訳ないような気持ちを持ちながら、近くの公園まで歩いた。)

「…うし、ここで良い。
ここで、お前の仕事はお終いだ…。」

(近くのベンチに近寄ると持っていた荷物を下ろし、ネコに仕事終わりを告げた)

ネコ > 『あぁ、そういうことね。
 つっても、四六時中その表情じゃ顔の筋肉固まるぞ?』

たまには笑顔を見せることもしないとー、などと言いつつ相手の肩を叩く少女。
相手の振る舞いを思い出すに、決してモテないタイプではないと勝手に予想している。

『あいあい、適当に気ぃつけますよ』

相手の言葉をしっかりと受け流す少女。
普段なら聞き入れるが、借金がある以上無茶はしなくてはいけない。

『……ん。正直、助かる』

相手の言葉に小さく頷く少女。
もしかしたら。この相手なら、首輪もなんとかできるのではないか、とも考えるが。
それを実行した場合、カジノの面々に追われることになるのは目に見えている。
少女は、相手を巻き込まぬよう、そのことに関しては提案もしなかった。

『へぇ、ご立派ですこと。
 ウチのご主人なんて、[テメェで痛い目見たんだろ? 腕がねぇのは仕事さぼる口実にはならねぇぞダァホ]。
 なんて言ってたんだけどね』

相手の言葉に少女はケタケタと笑うが。
やはり、相手の優しさが嬉しいのか。素直に軽い荷物だけを持ち、相手についていく。
そうして公園で仕事終わりを告げられれば。

『……え? マジ? アタシのこと買って、これだけ?
 セックスしなくていいの?』

流石に驚き、そう尋ねてしまう。
正直、抱かれるつもりでいたので、酷く肩透かしだった。

黒須 > 「余計なお世話だな?
魔族とのバトルがありゃ、嫌でも顔が動くって話だ。」

(頑丈な体が故に叩かれても微動だにしない。
喧嘩などの場面でも嫌と言う程顎を開いたり、顔をしかめたりとするため、訓練でも戦闘でも顔を鍛える事は出来た。)

「…言っておくが、俺ならその首輪、魔術でどうにでもできるぞ?
ただ、その後の面倒ごとがおめぇに来るなら、俺にとってもめんどくせぇ。
ボディーガードなんざする気持ちもねぇしよ?」

(相手の気持ちを読み取るかの様に言った。
探知機能もあるとなれば不意に首輪の反応が無くなれば、何らかの方法で取り除いたと相手にわかり、結果的に終われることになるだろう。
そうなれば、彼女でも自分でもめんどくさい事になるに違いないと思い、再度彼女に釘を刺した。
しかし、もしそうなるのであるならば、自分はそれ相応のことをするのだろうと思った。)

「変に面倒見だけは良いからよ?よかったな…。
ま、自分で言う事でもねぇけど。」

(正直、主人の心には自分も共感できる感じがしたため、否定はせずに自分のことを言った。)

「あぁ、お前の仕事は俺の付き添いをしてもらうだけだ。
それに…。…そう言うのは、心に決めたやつとやるもんだろ?」

(どこか意味深な意味を込めたように静かに呟き、ネコとは別の方向を見た。
その後、懐から先ほど見せた麻袋を取り出すと、そのまま、ネコの前に置いた。
さっき見せた時との物にこっそりと追加し、少し重量も増している)

ネコ > 『ふぅん。まぁ、アンタにはアンタの考えがあるんだろうから。
 これ以上は口挟まないけどさ』

これ以上は完全に余計なお世話だな、と思い。少女はそこでこの話題を打ち切る。

『……人の考え読むの辞めろよな。
 そういうの、嫌われるぞ』

鋭い言葉に、少女は苦い表情。
自分の雇用主もそうだが、この国では腕の立つ人間は相手の機微を読み過ぎるな、などと思いつつ。
少女は、そんな相手の言葉には、心の中で感謝をする。

『そうだねぇ。実際、最初に会った時の印象からは考えられんわ』

アンタ、振る舞いで損してるよね、などと笑いつつも。
相手が少女に対して一歩引いているようなことを口にすれば。

『……そっかぁ。何? マジでマジになっちゃってる相手いるわけ?
 っとと……確かに。毎度あり』

からかうように口にする少女だったが。
報酬を貰えば、微かに考え。

『……じゃあさ。今度会ったとき、お口でしてあげようか?
 それなら浮気にはならないっしょ?』

などと、相手に更に提案する少女。
その雰囲気は、微かに柔らかくなっていた。

黒須 > 「ん、わりぃな。また仕事柄、人はよく見てたからよ?ついな…。」

(相手の動きや言動などを何度も見て言っていたため、次の行動などが予測できる。
正直、必要な時にだけこの才能は引き出そうとしていたために今は嫌われようとも、忠告はしようとしていた。)

「…ま、俺にもいろいろと事情があったって話だ。」

(彼女からは分からない事情。深くは伝えずに、ただただ自分が「変わった」という事実だけを残し、それ以降は語らなかった。)

「…師団員になってた時な?ちと、出会いが合ってよ。
最初こそ、また性欲処理相手にしてやろうかと思ったが…気付いたら夢中になって…俺から告った。
それ以降だ…今でも変わってるって話だ。」

(そう言うと報酬を渡してはある程度まで話し、それ以降までは話さないようにした。
その後、少女からの提案を聞けば悩むようなそぶり無く、丁寧に断った。)

「悪いな…俺の体も心も、今じゃアイツの物だし…。
それに…アイツの方が断然うまいんだぜ…?」

(軽く挑発でもするような言い方をしていたが、その言い方にはいつも通りの興味なさげな声で無く、どこか自慢げでもあるような気持ちが上乗せされていたのであった。)

ネコ > 『まぁ、分かるけどさ……。
 そういうの、嫌うヤツ多いからね?』

もちろん、少女も相手の気遣いは分かってはいるので。
相手に対する忠告の返答は、やや柔らかく。
実際、狙ってやっていない部分もあるのだろうから。

『お互い様、ってこったね』

くすくすと笑う少女であったが。踏み込んで良い物かどうか、と思案。
結果、問うことはしなかった。もしも必要なら、相手から語ってくることもあるだろう、と。

『……ブハッ。何それ、ガラじゃねー、イメージ違ーう。
 ……ん。でも、そっかそっか。マジな訳だ』

相手の語った言葉に、少女は笑うが。
その様子を、どこか羨ましそうに見る。
少女もまた、そういう存在を欲しているのは事実なので。

『ワオ、マジでお熱だ。
 でも、そっか。それならしゃーないなぁ……。
 じゃあさ、今度その彼女さんに聞いといてよ。
 口でヌキヌキするのは浮気ですか? ってさ』

少女は相手の言葉に苦笑するが。随分な惚気だなぁ、と思いつつ。
そこで押すようなことはしなかった。
相手の幸せを壊したい、とまでは思っていないからだ。

『ほいじゃ。何かあったら呼んでよ。
 一応、メイド以外に冒険者もやってるわけだし』

報酬を受け取った少女は、相手に自身の冒険者ギルドでの登録番号を渡す。
そのまま、ととと、と立ち去るも、相手に振り返り。

『今度さー! そのイイ人に会わせてよー!』

と、最後に朗らかに笑いながら言い。
少女は公園を後にするのであった。

黒須 > 「なに、そこんところも読み取れるから何ともねぇよ。」

(内側に本性を隠している人間もわかるために、心読みが嫌な人間も判別することもできる。
故に、しないようにもしている。)

「あぁ、俺も初めはおかしな話って思ってただが…。
だが…俺も本気だ…。」

(正直、この雰囲気だと危うく口が柔らかくなり何でもベラベラと話しそうになるので、出来るだけ短めに納めることにした。)

「聞かねぇよ。俺が第一しねぇんだからよ?
けど…会うぐらいなら良いかもしれねぇな?」

(自分の恋人にそんなことを聞こうとも考えておらず、そのまま聞かずに断った。
けれども、合う事ぐらいなら良いかと思っており、そこだけは認めた。
登録番号を受け取ると、そのまま見送り自分も同様家に帰ることにした)

ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」からネコさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区【イベント開催中】」から黒須さんが去りました。