2019/03/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」に竜胆さんが現れました。
竜胆 > 富裕地区の道を少女がトコトコと歩いていく。
 この周囲ではあまり見ない風体の服―――着物を身に纏う少女は人ではなかった。
 竜の翼を背中に、お尻の辺りからは竜の尻尾。
 それは、人竜と呼ばれる、人と竜のハーフである、ドラゴンハーフといえばカッコイイだろうか。
 少女は、この近くに住まう存在で、最近は家から出てウロウロとしていることが多かった。
 それもこれも、家に人が増えてきて、居づらいというのがある。
 ムカつくなら、追い立ててもいいのだがそれもできないような相手ばかり。
 強いか弱いかで言えば弱いのだろう、しかし、それを守護するモノが。

 両親の愛人とか追い立てて家から放り出したら多分殺される。
 それに、家にいれば、絶賛アンアンギシギシとうるさい事に。

 辟易してるので家から出て、できるだけ散歩するのである。

 たまにメイドのシスカに夜に出かけるな、と言われるけれど――精神の安定のために、無理という。

「全く、なんて魔窟なのでしょうね。」

 はあ、と軽くため息。

竜胆 > 魔窟とは言ったが、性格には竜の巣穴である。
 その中の一匹だからこう……何とも言えないところではあるのだ。
 おうちから出るという選択肢、多分連れ戻されるんだろうなぁ。
 どうしたものでしょうか、と少女はもう一度ため息を。

 気を紛らわしたいと思ったので、どこか行きましょうと、道を進む。
 楽士の音楽でも聴きに行こうか、図書館で本でも読もうか。


 ――――こういう時こそ、甘いものではないだろうか。

 ふと、思い出して少女は懐に手を伸ばし、お小遣いを確認する。


「―――ええ、そうしましょう。」

 行動指針決定。
 甘いもの。

竜胆 > 富裕地区だからこそ、お菓子とか甘いものとかを売っているお店は多いものだ。
 どれもこれも一流といっていいだろうし、そういう所には事欠かない。
 さて、今日はなにを食べようかしら、少女は考える。
 ケーキとかもいいし、パイとかもいいかもしれない、砂糖菓子とか、チョコレート。
 甘いものは乙女の原動力である、それを目の前に滾らない乙女がいるものだろうか。

 ―――甘味を食べたことのない乙女ではない限り、ないと言い切れる。

 はちみつたっぷりのパンケーキとかもいいかしら。
 果物たくさん使ったモノ、とか。
 生クリームをふんだんに使ったもの。

 ああ、ああ。
 美味しそうね、少女はどの店にしようか悩みながら、ウロウロと歩く
 そして、そのまま探しながら夜の街の中に――――

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」から竜胆さんが去りました。