2019/03/11 のログ
ご案内:「富裕地区 高級娼館」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
チェシャ=ベルベット > 富裕地区でも名だたる高級娼館の一つ。
今日は人員が足りないからとチェシャにお呼びがかかり、
一階のバーで店員をやっている。
高級娼館というだけあって、変な客が声をかけないのは楽だが
お行儀の良いスタイルにチェシャのしっぽがムズムズしてしまう。

これなら貧民街でポン引きでもしていたほうが良かったかもなぁなんて思いながら
お仕着せのバーテン姿で普段隠している猫耳も顕に営業スマイルを作り続ける。
気に入った店員は皆娼婦や男娼なのでここで声をかけて二階の個室で楽しむこともできる。

ご案内:「富裕地区 高級娼館」にヒュエルさんが現れました。
ヒュエル > 「……ええ、はい。此方です。どうぞ、ごゆっくり」

そう言葉を残し、バーに足を踏み入れた一人の少年。
馴染みの客に頼まれ、この街有数の高級娼館に送り届けた直後のこと。
慣れているとはいえやや堅苦しい雰囲気に少々辟易したから、何か飲んでいこうと思い立ち寄ったのが事の次第。

「……あ、すみませーん。何か適当に……いや、まずはお水、ください」

カウンターに緩々と歩み寄り、猫耳を露わにしたバーテン姿の少年に声をかけた。
一先ず喉の渇きを潤そうと水を所望する。ひらひら、上げた片手を振っておどけたように笑った。

チェシャ=ベルベット > バーを利用するには少々年若い客が現れたことに少し驚くものの
きっとどこかの貴族のご子息様なのだろうと顔には出さず。

「はい、お冷ですね。ただいまお持ちいたします」

そうしてグラスに一杯の氷と冷水を入れてカウンターの少年の前に置いた。
氷を扱えるというだけで上等の店であることが窺える。

「ごゆっくりどうぞ」

営業スマイルで微笑みかけると、また自分の仕事に戻る。
こちらからアプローチをかけるのは客に対して失礼だということで
客から要望がない限りは待つつもりらしい。
猫耳としっぽから年若いミレーで有ることは察せるだろう。

ヒュエル > 「はい、ありがとう」

営業スマイルもにこやかに、水を置いてまた仕事に戻っていった少年の背を目で追う。
ふぅん、と小さく零した声。グラスの水を三口ほどで飲み干して一息つくと、
さっきの少年が傍に来たタイミングで話しかける。

「……ねぇ、君。いつも此処で働いてるの?」

ちょっとしたアプローチ。
表情に出やすいのか、彼への興味を隠そうともせずニコニコと微笑んでいる。
問いに対する答えを待ちながら、手持ち無沙汰に空になったグラスを片手で揺らした。

チェシャ=ベルベット > 再び話しかけられたことにこちらも営業用の笑みを浮かべて応じる。

「いえ、今日は人員不足でしたので代理で入ったんです」

いつもここで働いているの?という問いかけには軽く首を振って事情を説明する。
空のグラスを弄ぶ若いお客様に、

「何か飲みやすいお飲み物を用意いたしましょうか?
 サングリアか、スパークリングワインなどいかがでしょう」

気を利かせて飲み物などを勧めてみる。
ついでにこの少年を観察させてもらおう。
高級娼館に来るにしては年若いのはそうだし、持ち合わせが有るのかわからないが
まぁ一人で飲めるということは大丈夫なのだろう。
年格好は自分と同じくらいか、他に職業などを示すようなものはない。
やはり貴族のボンボンといったところか、などと勝手な値踏みを行う。

ヒュエル > 「へぇ……人員不足なんてことあるんだ。こんな大きな店なのに」

大きな店だからこそ、だろうか。そんなことをぼんやりと考えながら。
勧められれば数度瞬き、そうだね、と頷いた。

「じゃあ……スパークリングをお願いします」

観察されていることを知ってか知らずか、素知らぬ顔で手にしていたグラスをカウンターに置く。
それから頬杖をつき、彼を見て小さく笑った。

「ふふ……畏まらなくていいのに。僕、お客様を此処に送り届けただけで、
どこぞの貴族のお坊ちゃんでも何でもないからさ」

元ではあるけどね、と冗談めかすように小さく言葉を添える。

チェシャ=ベルベット > かしこまりました、と注文を受けて、ワインボトルからスパークリングワインをグラスに注ぐ。
先程の水のグラスと引き換えに、ワイングラスをそっと差し出す。
白ワインに炭酸の気泡が細かく浮いた上物だ。
つまみにナッツを皿に添えて出し

「そうはいきません。今日はお客様と従業員の立場ですから。
 不躾に視線をやって、不快になられましたらご容赦を」

内心はちっとも悪びれていないのだが、今日は商品という立場もあり
一応もっともらしい言葉と言葉遣いを選ぶ。

「お客様はお仕事の終わり際でしたか?
 普段は何をされているのか、差し支えなければ伺っても?」

貴族のボンボン、というのはどうやら不正解らしい。
元、ということは没落貴族ということだろうか。

ヒュエル > つまみも一緒に出てくる様に、流石高級娼館なだけあるなぁ、と不躾に思う。
ありがとう、と微笑んで、ワイングラスを手に取った。

「なんだ、残念。……従業員か。
じゃあもし僕が、君を買いたいって言ったら応じてくれるってこと?」

どこぞの貴族であろうマダムに連れられ、二階へと上がっていく男娼を横目に、
ちょっと笑って悪戯に問うてみる。

「僕? 僕は、普段は薬師をやってる。
…ついでだし、自己紹介もしておこうか。名前はヒュエル。よろしくね」

察しの通り、没落貴族の一人。
だが話し方に悲壮さは含まれていないことが、会話の端々から知れるだろうか。

チェシャ=ベルベット > 「ええ、僕を買っていただけるのでしたらすぐにでも二階の個室に案内いたします。
 ここはそういう店ですから」

微笑を浮かべるも、あくまで客と従業員の立場を崩さない姿勢。
もっと親密になりたければ店に金を払ってくれという無言の示し合わせ。
女性客がまた一人、青年の男娼にしなだれかかりながら二階へと上がっていった。

「ヒュエル様、心得ました。薬師をされているのですね。
 僕はチェシャと申します。チェシャ=ベルベット。
 でもよろしいのですか?薬師がお客様を娼館などにご案内しても」

胸に手を当てて軽くお辞儀をして、先程客を案内したという言葉に
少し首を傾げてみる。
普通の薬師なら病院に客を案内することはあっても酒盛りもできる娼館にはなかなか連れてこないような気がした。

ヒュエル > 「あはは、ちゃっかりしてるなぁ。……でも、折角だし。…買ってみるのもいいかもね」

あくまで従業員としての態度を崩さぬ彼に笑いながら。
しかし袖振り合うも何とやら。こうして出会えたのだし、懐を緩めても罰は当たらないのではないか。
そんな思いも浮かんでくる。
不躾とは思ったが、じっくりと彼の様相を眺め観察してみたりして。

「僕もそう思ったんだけどさ…本当に薬が必要なのは、どうやらその人の奥様だったみたいで。
…薬を買いがてら、娼館に寄り道をしようって考えてたみたい。そのお客さんはね」

此処だけの話、というように声を潜める。
別に誰が聞き耳を立てているというわけでもないだろうが、一応自分の客ではあったから少々良心も痛むのだ。

チェシャ=ベルベット > 「購入の際はお声がけください。料金は後払い、基本的に時間は一晩となっております」

その他の事情は応相談でいろいろ融通できるらしい。
夜色の髪に、同色の猫耳と尻尾。しなやかな肉食動物、特に猫を思わせる身体。
衣服を纏っていても運動神経は良さそうであることを伺わせる。
相手の値踏みする視線にはなれているのか、にっこりと微笑む。営業スマイル。

「なるほど、病床の奥様がいるにしては少々情に薄い旦那様ですね。
 いや病床の奥様を気遣って、こういう所で発散しているのかな」

ヒソヒソと声を潜めて苦笑しながら話を聞く。
もちろんこの会話は二人の間だけの秘密というやつだ。

「ヒュエル様も今日はお相手を求めていらっしゃいます?
 女性も男性も、どんな年代も性別も選べますよ」

それこそ両性具有、種族だって選び放題の店だ。
皆、しつけが行き届いている従業員ばかり。

ヒュエル > 比較的、融通の利きそうなお店。話を聞きながらの印象はそんなもの。
猫耳、尻尾。それに違わぬ猫っぽさの見える肢体を観察し、最後に営業スマイルへ視線がたどり着く。
にこりと笑顔を返した。成る程、人員不足で呼ばれるわけもわかる、といった風。

「さて、真相はどうだろうね。まぁ僕はあくまで道案内をしただけ。
それ以上のことは関わり持たないよ」

ひょい、と両手を上げる。お手上げ、のおどけたポーズ。
言われて店内をざっと見渡す。娼婦から男娼まで、確かに選り取り見取りだった。が…

「……そうだなぁ。そういうつもりでもなかったけど…
でも、偶然好みのお相手を見つけちゃったからさ。…買わないわけにもいかないかなー、って」

そう言ってワイングラスを置き、手を伸ばした。
傍にいる彼の手を取り、微笑む。どう?と囁くように問うて、相手の様子を窺う。

チェシャ=ベルベット > 食えない相手だな、とお手上げのポーズを見せる相手に内心思う。
この国でうまく生きていくには、余計な詮索はしないことが大事である。
この薬師もそうやって没落してから生きてきたのだろう。
触らぬ神に祟りなしというやつだ。

そっと手を取られると、お辞儀をして微笑む。

「お買い上げありがとうございます。ではお部屋にご案内しますね」

カウンターを別の店員に任せて、ヒュエルの手を取って案内するように赤い絨毯の敷き詰められた階段を上がっていく。
二階の個室はどれも防音も設備も行き届いたものばかりであり、
白い扉を押してヒュエルを中に案内すると天蓋の付いたフカフカのベッドがまず目に入るだろう。
続いて浴室や、クローゼットには様々なプレイ用の玩具も揃っている。
扉を後ろ手に締めて、ヒュエルのほかは誰も聞いていないことを確認してからんん~と伸びをした。

「あー……つっかれた。お買い上げありがと、まぁそれじゃあ一晩よろしくね。
 ヒュエル、だっけ? どういうプレイがお好み? 抱く方? 抱かれる方?
 なんでも申し付けていいけど。痛いのとか汚いのは別料金かな」

襟首のネクタイを緩めながら年相応の話し方で相手に話しかける。

ヒュエル > 触らぬ神に、とはよく言ったもので。
平民となってから王都の片隅で細々と暮らしてきた今日まで、これといったトラブルに見舞われることはなかった。
それは幸運だったと言えるのかもしれない。

代わってカウンターに入った店員にご馳走様、と微笑み、ワイングラスを返す。
敷き詰められた赤い絨毯は、こうして歩くだけでも上物であると分かる程、柔らかい。
手を取られ案内された二階の個室。
真っ先に目に付いたフカフカのベッドや、大きめのクローゼットに一通り視線を投げかけた後…

「…はは、お疲れ様。僕も、傍で聞いてて何だか肩凝りそうになったな。
そうだなぁ……まぁお初だし、普通のプレイで。
どっちでもイケるけど……折角だし、チェシャを抱きたいな」

一足先にベッドへ腰掛け、ベストやボタンシャツを順に脱ぎ落していく。
少年らしいしなやかさを残した体躯を彼の目に晒して。

チェシャ=ベルベット > 【後日継続】
ご案内:「富裕地区 高級娼館」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「富裕地区 高級娼館」からヒュエルさんが去りました。