2019/01/31 のログ
竜胆 > 「――――そうですわね、ちなみに。竜の巣で生き抜く覚悟はありますかしら?」

 真剣に考えて、少女には知識は欲しいものだし、錬金術はあれば色々とできるのである。
 悪い話ではないのだ、少女的には。
 なので、それが得られるのであれば、願ったり叶ったりであり―――ただ、家に戻るとなると、家の90%以上が竜で構成されている家である。
 命の危険とか様々な危険があるが大丈夫なのだろうか、と。

「ん……」

 とろり、とろりと、唾液を垂らして見せて、少女の唾液は彼の体を濡らしていく。
 全身が少女の唾液で濡れ光っているのを見て。
 そして、一度唾液を止める。

「ふむ……
 生命力とかは、充分増えたみたい、ですわね。」

 垂れた髪の毛をかきあげて、彼の様子を眺めて笑う。
 物欲しそうな視線に、にこやかに微笑んでみせた。

「御預けですわ?」

 そんなに安い女ではありませんのと、彼の生命維持以上の行為は今はする気はないと宣言。

ルキオラ > 「竜っていうのがどれぐらい紳士的でない生き物なのかは存じませんけど~
 今あなたと対面して生きているじゃないですかあたし。なら大丈夫じゃないです?」

などと軽く答える。ルキオラとてけして非力なばかりの小人ではない。
いざというとき自分の身を守ることはできないことはない。
もっとも、どれほど竜相手に通用するかはわからない。

竜の垂涎が内を満たし外を濡らし、ルキオラに欠けていたオドを埋めていく。
それは目の前の竜の少女にゆるやかに支配され自分の存在を明け渡すということでもあった。
理性が熱の中に薄れる。

「……いい子にしてたら、もっとくれますか?」

従順に足元に跪いて、切なげに問うた。

竜胆 > 「あら?私は可也淑女ですわよ?私はハーフな分大人しいですから。
 そうですね、小さいですし……気にせず踏み潰したりとか、あるかもしれませんわ。」

 アリに気を払う人は少ないだろう、それと同じレベルである。
 体格的に言えば、人間とプランクトンとかそんなところなのかも知れないし。
 彼がどれだけ竜に通じるかどうかは―――正直わからないので、何とも言えない。
 彼がどれだけの実力なのか、もまだ分かっていないから。

「ええ、いい子にしてるならば。
 知識も、たくさん頂けるのであれば、それに応じて与えますわ。」

 従順な相手には寛容なのか、目を細めて笑浮かべて言おう。

「グリム、載せてあげなさいな。」

 ペットになるというなら、それなりの対応をしてあげなければなるまい。
 歩く速度とか考えれば、グリムに乗ってもらうほうがいいだろう、と。

ルキオラ > 「えっ竜の巣って文字通りでかいトカゲ(差別表現)が闊歩してるんですか?
 ん~まあ、大丈夫でしょ……多分。
 モノホンの竜に近づけるなら、こっちもありがたいんですよね。
 竜、興味は昔からありましたし」

竜にはさすがに縁のないルキオラだったので、彼らについての知見を深められる機会が生まれるのは願ったり叶ったりだ。
ケチなことをやっているが、腐っても学究の徒なのである。

「ん……ありがとうございます。
 ……お名前伺えますか? お世話になる方の名ぐらいは知っておきたいです」

漸く見せた優しげな表情に、ほう、と息を吐く。
酔っ払ったままお預けされている今、彼女の仕草のすべてが魅力的に見えてくる。
神妙な様子で頷いて、グリムに乗せてもらうだろう。

竜胆 > 「ほう、死にたいらしいですわね?死にたがりとは思っておりませんでしたわ。」

 ドゴンっ!石畳が、砕けました。尻尾が思いっきりぶったたいた結果です。
 竜にでっかいトカゲは禁句です地雷です。
 にこやかにしている少女は、ニコニコしながらルキオラくんを眺めています。
 笑顔とは本来攻撃的な……以下略

「本当に、貴方は錬金術師、なのです?」

 最初の土下座の後に、ちゃんと名乗ったはずである、フルネームで。
 問い返す彼に、人の話ちゃんと聞いていたのか、それとも覚えてなかったのだろうか。
 彼の能力に疑問を持って、少女は眉根を潜める。
 彼に教えてもらえる予定の錬金術は、本当に正しいものなのだろうか、という不安がありありと。

ルキオラ > 「ひぃぃ~っ!」

ルキオラを三十人ぐらい叩き潰してお釣りが来そうな衝撃に、
地面にふっとばされて転んでしまう。
そしてそれを容赦なく見下ろす女帝のプレッシャー。
行為よりもその視線に恐怖して、……小人の股は情けないことに湿ってしまった。
すでに唾液まみれなので、気づけないかもしれない。

「すみませんすみませんトカ……は言葉の綾ですから!
 家名に気を取られて下の名前がどっかいっちゃったんですよぉ。
 ああもうこんなに派手に……石工さんが泣いちゃいますよ!! あたしも泣いてる!!」

再び土下座しつつ……ぶつぶつとなにか呟く。

「ええと、御影石と、石灰岩の割合はこうで、じゃあ隣から持ってくれば、うーん、いけるな」

数秒後、ひび割れた石畳の周辺がガタガタと震え、渦を巻く。
そしてまたたく間に、何事もなかったかのように修復されてしまう。
壊される前にはなかったリンドウの花のレリーフも添えて。
魔法にしか見えない業だった。

「とまあこんな感じなんですけど」

竜胆 > 「――――。

 良いですわ、一度は許します。

 私は温厚な方ですからいいですが……竜神である母様と、姉様。
 純竜種の家のメイドや家令、彼らが聴いたら生きていられるとは思わないことですわ。

 あと、妹泣かせたら死ねるとは思わないでくださいまし。」

 氷点下の温度の、淡々とした言葉で少女は忠告を送ることにする。
 溢れたものは気にしていないが、頭の上でこぼされたワンコは悲しそう。
 でも、我慢してるわんこ。後でお風呂に入れてあげないとなるまい。

「貴方の自業自得、でしょう?
 石工も仕事が発生して給料が発生する、泣くとしても嬉し泣きでしょう。」

 ねえ?と土下座の頭に静かに言い切って見せる少女。
 そして、そこからの彼の行動、成分を分析しているのは見て聞いて把握できていた。
 そこから、少しの時間の後、石畳が修復されて、さらにレリーフが着いた。
 なるほど、確かに錬金術……なのだろうか。
 見たことない技術だが、錬金術といえばそうとも言えるので、なるほど、と納得することにする。

「家に戻ってから、教えてもらいましょう。」

 ここで講義でもいいが、錬金術などは物によっては禁忌と捉えるものもいるだろう。
 安全な自宅でゆっくり解説を聞きましょう、と決めた。

ルキオラ > 「魔窟なのはだいぶ理解しました。
 ピュアドラゴンって単純に考えてあなたの二倍ぐらい怖いんですか? ヤベ~
 じゃなくて、寛大な振る舞いにいたく感謝することのしきりです」

肩をすくめる。
オドの酩酊が醒めてきたらしく従順さは忠実な下僕からサークルの後輩ぐらいにダウンした。
ごめんな~ワンコとグリムくんを撫でてあげる。借りがこっちにもできてしまった。

「ある程度のレベルに達した錬金術師は
 このように絵でも描くように物質の解体と再構築を行えるんですよ~。
 ここまでいけるかどうかはお嬢様の才能と努力次第ですけど」

あ、呼び名はご主人様とかのほうがいいですか? みたいな益体もないことを付け足して。

竜胆 > 「個体にも依りますわ。でも、基本的には私ほど温厚ではないと言っておきましょう。」

 なんか級に態度がビッグになったがまあ、いいだろう。
 それで不興を買ってご飯になるのは彼なのだから。

「物質の解体と、再構築……?

 ああ、呼び方はお嬢様でも良いですわ、でも……姉も妹もいますし。
 竜胆と付けなさいな。」

 彼の言うことに、思うところがあった。
 少女は己の目の力を、竜眼を解放する。
 ジリジリと、体力が減っていくのを知りながら、先ほどのレリーフのところを見る。
 少女の竜としての異能、分子操作を起動する。
 金色の視界の中ルキオラ君が構築したレリーフの敷石、竜胆のレリーフの部分だけ分解し、真っ平らな石畳に直していく。

「――――ハ……ぁ。これが、疲労なしで使えるなら……イイ、ですわね。」

 力を使い、強い疲労を覚え、流れる汗を拭いながら、感想を。

ルキオラ > 若干態度がナメ気味なままなのはなんのかんの言って少女が実力行使に出ていないところが大きい。
……大きかったのだが、彼女が龍眼の異能を使い己と似たようなことをするとさすがに目を剥く。
体力の消耗はあるらしいが、触れることもなく見ただけで。
別の意味でちびりそうになる。

(え、さっきの域に至るの結構時間かかったんだけどな~)

素の感想。もちろん、分解と再構築だけがルキオラの業ではないが
さすがに自信が砕かれるのを感じて、スン……と捨てられそうな犬の表情になる。
別に錬金術の講義なんて必要ないんじゃないか? 
自分は道楽でペットにされようとしているだけなのでは?

「き、気に入っていただけたらうれしいです……」

それだけ言うのが精一杯だった。

竜胆 > 実は、錬金術の知識はなく、これは生まれついての少女の竜としての異能なのである。
 破壊の力とも言える。ありとあらゆるものの、分子の結合を竜眼で認識し、それを操作するという。
 分解、構築、結合、操作、それらができるのだが、竜としては不完全な少女はそれを使うと体力を大幅に使ってしまうので、気軽に使えないのだ。
 そして、彼のように理解をしているわけではないので、見て動かしてという訳である。
 周囲の暖かさも、少女が分子を大雑把に振動させて温めているのである。


「……兎にも角にも、講義の方……お願いしますわね?
 ……っは……っ。」

 いってから、大きく深呼吸をして、呼吸を整える。

「さて、ルキオラ、行きましょう、か。」

 そろそろ、家に帰ろう、散歩には時間がそれなりに立っているし。
 グリムくんもそろそろ飽きてきた模様だし、と。

ルキオラ > もちろんルキオラとて今までの自分の研鑽が無意味などとは思わないが
学問なしのそれは存在としてのレベルの違いを見せつけるには十分な行いであった。
言うなれば今ルキオラが目にしたのは人間と竜、凡才と天才の残酷なまでの差である。
なんとなくのレベルで分子を振動させたり分解再構築したりする怪物に勝てる気はしない。

「ええ。ええ。報酬をいただけるなら是非是非」

へこたれてばかりでもない。竜胆お嬢様と関わりを持つことはルキオラにとって得るものが大きいし、
プライドだけで生きているタマでもなかった。
グリムくんぐらいにはマシな待遇だといいな~と思いながら、彼女に連れて行かれるだろう。

竜胆 > 生まれついてできるというだけで、学問という効率化がされていないものである。
 竜という存在のチート性能というものであるのかもしれない。
 それに、欲してしているのは、知識や技術なのである、薬のつくり方とか、錬金術というものはどういうものか、とか。
 それに関しては、彼からたっぷりと教えを請うことになるのだろう。

「構いませんわ、正しい取引には、正しい対価を……。
 たしか、錬金術では等価交換でしたかしら、商人の商売もそれですわ。
 ちゃんとした報酬、用意させてもらいますから、ご安心なさい。」

 待遇で言えば、彼がちゃんと教えてくれるなら、それに見合ったもの――――グリムくん以上の待遇は与えられるだろう。
 それに家にいれば、商人の母親に会うこともできるだろうし。

 少女は、彼をグリムくんに乗せて、家に戻るのだった――――

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」から竜胆さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からルキオラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にカリノナさんが現れました。
カリノナ > 「ふむ…」

王都マグメール。その象徴とも言うべき王城がほど近いこの地域。整備された石畳にゴミの少ない路上はそれだけで他の区画とは違う事を示すものだ。
白髪の女はそんな場所でふと足を止めて周囲を見やり

「さて困った…どうやら迷ってしまったか」

王都に来て数日。まだまだ地理には不案内な上に、基本的に興味本位でふらふらと出歩くものだから、こうなる結果は見えていたと言うべきだろうか。
ただし、迷った本人は、相変わらずのんびりと周囲に目を配り、興味が惹かれるものを探しているのだが。

カリノナ > この辺りは貴族の屋敷もあるらしく、時折警邏している人間の姿も見かける。その家に仕える家人なのか、雇われた冒険者や傭兵か…うずうずと右手が刀の柄頭に触れる。
とんとん、と指を柄で遊ばせながら目を細めるも、視線を外して

「故無く斬ればここにも居られなくなろうな。そこまでして…という程ではない、か」

勿論警備を任されている以上、彼らは十分に戦える人種であろう。が、そもそも港町で死体を量産してここまで逃げてきた我が身を考えるに、容易に手出しすればまた拠点を変えねばならないというのは困る。
折角、楽しそうな相手がこの街にもいるのだ。すぐに斬れるわけではないが、その機会を待つ為ならある程度の我慢も出来る

「しかし…この辺りの家は広いな。これではかえって不便ではないのか?」

金持ちというのは解らん。そんな言葉を口にしながら適当に歩を進めていく