2018/12/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 ナイトクラブ」にナインさんが現れました。
■ナイン > (扉を開けた途端、鼓膜を穿たれる。
半地下に作られたこの空間を満たす音楽は、あまりにけたたましい音量というだけでなく。
年配の者達ならば間違いなく。眉を顰めるか、或いは首を傾げるかするであろう…そんな、直近の流行歌だった。
今現在の市井では。若い年代の間では。こういう歌が、曲が流行っていたのかと。久方ぶりにそんな物へと触れる懐かしさ。
それでも聴覚の、意識の半分程度だけを向けた侭。カウンターに向き、適当なスツールに腰を預けた。
これだけ店の奥迄来れば。若い女達の嬌声も亦、鼓膜に障る。
必然バーテンダーとは、まるで顔を付き合わせるかのような距離となる。仔娘の入店に、訝しげなその人物へ。
帽子の縁を持ち上げ、幾許かの見覚えはあるだろう顔を明かしてやれば。目を丸くされる…そんな自身に。変遷に。苦笑する。)
…何、久しぶりにこういう所で騒ぎに興じるか――我が身という奴を投げ出してみたくなったのさ。
ストレス発散という奴だよ、きっと。
(差し出された、キツ目の酒精が香るグラスを手に取り乍ら。
…実際、半分は言葉通りだった。忘れたい、投げ出したい、そういう気持ちになる事は。どんな人間にだってあるだろう。
その為には――適した場所だった。客同士が何をしようと。手を出そうと出されようと。目を瞑ってくれるこの店は。)
■ナイン > (そう。此処はそんな店だ。
嬌声――と表したのも強ち冗談ではない。
或いは薄暗い店の物陰。或いは見せ付けるような席の上。
金を惜しまないのなら、用立てられた個室内、等といった其処彼処で。
誰に憚る事なく、同義や規範などかなぐり捨てて、享楽に耽る者達が多々。
それを酒の肴に眺める者も居れば。釣られて一夜の相手を探す者も居る。
場合によっては客同士が徒党を組み、一匹の獲物を狩り貪る光景すらも。
――それを遠目に、唇を綻ばせた。見咎めたバーテンダーがますます首を傾げるようで。)
…そんなに。普通じゃない方が、好きだったかって?
まぁそれは。…人間、堕ちていくけれど。その逆は、滅多に無いという事だよ。
(堕ちていくなら。沈んでいくなら。誰にも起こり得る、平等な変遷だ。
それこそ少女自身も。平気な顔でこの店に居座れる程。陵辱される者を嗤えるか、羨めるかする程。
腐りきったこの国に、染まり切ってしまったと思う。)
■ナイン > (だからこそ。その堕落に浸りたいと。
耽り、のめり込み、その他一切を忘れてしまいたいと――そんな夜。)
っ、っは――――
(浅い笑みは。背後から、誰かに声を掛けられたからだった。
お忍びじみた様相は、男と女、どちらだと思われたからなのか。
…何、どちらでも。誰でも、構いはしない。声の相手へと振り返れば。
さぁ、共に。この堕落に溺れるだけだ。)
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 ナイトクラブ」からナインさんが去りました。