2018/12/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/カフェバー」にジナイアさんが現れました。
ジナイア > 深夜営業中の河川敷にあるカフェバー。
やや薄暗く広い店内には、何やら書類仕事をしている者や、本を読む学生らしき人物、しんみりとした深夜のおしゃべりに興じている者などがぽつりぽつり。酒を提供する場にある騒がしさは無く、耳を傾ければ外でさらさらと流れる川の音が聞こえてきそうだ。

その静寂に、きいと小さく軋むガラスドアの音。白いコートに白いストールのすらりとしたシルエットが、薄暗い店内へと一歩、滑り込む。

ジナイア > 赤銅色の肌をした長身のその女は、店内を素早く一瞥しながら後ろ手にそっとガラスドアを閉める。
その女に、板張りの床を軋ませる事もなく近寄ってきた給仕。視線が合うと、女はゆったりと翠の瞳を和ませて笑いかける。

「こんばんは…まだ、大丈夫かな?」

給仕から肯定の頷きを得ると、女は更に笑ってテラスに近い席をいいかな?と指し示す。給仕は再度の肯定をして、テーブルへと女を誘って、メニューを差し出して下がっていく。
女はありがとう、と声を掛けてから、低めのソファに深く腰掛けて足を組み、溜息をひとつ。そうしてからメニューを手にして眺め、考え込むように顎に指を充てる。

ジナイア > やがてメニューから顔を上げて、振返って片手をあげて給仕に合図を送る。再び音もなく近寄ってきた給仕にホットサングリアを、と注文を伝えてメニューを返す。
前へ向き直ると、ガラスの向こう――今は真っ暗な河川の方へと視線をやって、組んだ足の上に頬杖を付く。その目はすこしとろんとして、もの憂げにも見える。

「……寒く、なってきたなあ……」

そう呟くと、ひどく重々しく溜息をひとつ。

ジナイア > 暫くして運ばれてきたホットサングリアを一口、口に含む。
暖かさに目を細めて、視線は暗闇に放ったまま組んだ足を揺らし、どうしようかな…とまた独り言をこぼす。

何度か何か思いついたように首を傾げるが、その度に否定的に首を振って…どうやら考えは上手くいかないらしい。
そうしてやがてグラスを傾けてもワインが舌に乗ってこない事に気づく。

ふうと熱い溜息をつく。また視線を暗闇の方って、テーブルの上の伝票を手に、ソファから立ち上げる。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/カフェバー」からジナイアさんが去りました。