2018/10/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 とある邸宅」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > [待ち合わせ待機中です]
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 とある邸宅」に紅月さんが現れました。
紅月 > ログ> 「そういうモンかねぇ?
……うん、効果が軽いのは売っちゃうかぁ…丁度うちの1階、カフェの店舗のまま大して片付けてないし。
特殊なのはどっかの遺跡に潜った時にでもバラ撒いとこうかと思ってたんだけど…ソッチも一応とっといて、場合によっちゃ売っちゃうかね。
買ったヒトの自己責任って事で」

飾るどころか、いわゆる"宝物庫に置きっぱなし"状態だと言ったら叱られるだろうか…いやさ、模様替えには役立っているのだけれど。
そんな事を密かに思いつつに…商人ギルドへの申告やら何やら、これから大変だと苦笑して。

「あ、そう?いってみる?
……過度、ねぇ…や、うん、梅干しそのままじゃなきゃイケるイケる。
はちみつ漬けの梅干しもあるし。
白ダシと梅肉とで合わせれば…たぶん、コッチの人でも」

実はレモン程に強烈な酸っぱさだなんて言ったら、きっと男の食わず嫌いが増える。
…故、とりあえず緩和させた物を食わせてから単体で食わせてみようと策を練る。
そこまでする意味など全く無いのだが、ちょっとしたチャレンジ精神…と、母国料理のささやかな布教を兼ねて。

「まぁ、極めて特殊な例なのは間違いないやなぁ…そも、鬼と精霊の間に子が実ったって時点で稀少な方だし。
異界で稀少だったんだから、こっちではもっと少ないかもねぇ?
ふふっ、細かいって…また随分とおおらかだこと。
…あぁ、男の姿をとるときは"アカツキ"と名乗ってるから、用があるときはコウゲツかアカツキを探せばいいよ」

相手に拘りがないなら、のほほんと。
ありがたく言葉どうりに受けとめて、もしかしたら外で会うこともあるやも知れぬと"もう1つの名"を明かして。

セイン=ディバン > 「稼げる間に稼いどけば、後々楽だしな?
 ……。特殊なの、って。一体どんなものがあるんだか」

クスクスと笑いながら、男はうんうんと頷く。
考えてみれば、お互いどうやって稼いでいるのか、なんて話したことも無かった。
なんとなく、お互いの仕事を知っている感じ。それくらいだった。

「……ふむ? なんとも、あれなのか?
 その『ウメアエ』ってのは、多様な食い方ができる物体……なのか?」

蜂蜜だとか、『ダシ』だとか。なんだか色々な調理法があるのだな、と。
男は興味深々ではあるが。脳内では、どんなものなのかは全く想像もできていない。
この辺り、男が色々と読んだ文献に記述が無かったので。
男は随分と運が悪いようだ。

「……ん~。なんていったらいいのか。
 ……おおらか、っていうかな。あんまり気にしても仕方ないと思っているというか。
 ほら。俺、人間以外の知り合いも多いし……。
 そっかそっか。じゃあ、その時はそういう風に探すとするか」

相手の言葉に、なんとも困ったような、弱ったような表情。
そもそも最近いろいろと経験しすぎていて、なんだか細かいことを考えるのが億劫なのである。
目の前の人物が信用に足る。なら、あんまり細かいことは気にしない。
戦場でもなければ、男としては基本的にこのスタンスでいくつもりらしい。

紅月 > 「あぁ、言えてる…後々楽できた方がいいもんねぇ。
うん?そうさなぁ…魔法を術具に閉じ込めた時に思い通りの効果になるとは限らないから、その御試しで作った自爆シリーズとか。
呪術の練習で作ってみた呪いの装備シリーズとか。
後は、偶然出来ちゃったヤバいやつ」

何だか少しスッキリした顔で頷いて同意を示す。
やっぱり、謎だらけなのだ…お互いに。
そのまま晴れやかな表情で『特殊な要らない物』の内訳を話す訳だが、なんとも…物騒極まりない、非常に使い道の限られそうな代物ばかりだという事はわざわざ言うまでもなかろう。
…ただの失敗だとかならば解体して再利用するのだが、ようは解体に手間がかかるモノを誰かに貰ってもらおうという事らしい。

「多様?多様…まぁ、そうなのかな?
家庭ごとに微妙に味が違うって言ったけど、住んでる地方によっても毛色が変わるからなぁ…家族が好きな味を見付けたら、それが家庭の味になるんだ!」

この辺りは彼にとって全くの異文化だろう。
基本はあれど正解はない、雑なのに繊細…なんとも曖昧で応用力の高い、それこそ記述には残しにくい口伝系の食文化である。

「あー……そうねぇ、魔族だけで見ても変わったヤツだらけだしなぁ…精霊やら妖怪やらまで加えたら、ぶっちゃけ収拾つかないもんねぇ。
うん、そうしてそうして!」

お前が言うなと言われてしまいそうだと自覚はある、が…実際永く生きてみて、しみじみと思うのだから仕方ない。
それと比べれば人間族に、ある種の安心感さえ抱く程だ。
まさか判断が億劫だと思われているなどと露程も知らぬ紅娘は、男とはまた違った視点から苦笑し…丁度食べ終えたプディングの器に手を合わせて「御馳走様でした」と一声かけるのだった。

セイン=ディバン > 「そういうこと。先に苦労しておいて、後を楽にする、ってな。
 ……ふむ。結構面白いな。使いどころ、あるかもしれん。
 例えば、それを敵地に贈り物として送る、とかな」

相手の言葉に、男はほうほう、と声を漏らす。
普通に使うのがムリなら、別の使い方がある。
特にこの男は、そういう特化型の道具を上手く使うのは得意だ。

「ん~。なかなか面白いんだな。
 こっちの国じゃあ、地方ごとに食材も大きく変わるから。
 そういう、家庭の味、ってのも……まぁ同じ地域だと似偏るんだよなぁ」

ふむ~、と。話を楽しそうに聞く男。
そもそも東に比べれば西の料理は随分と……冒険をしない気がする。
男はかなりの料理を覚えたが、それでも、東の料理はまだまだ齧った程度なのだ。

「いや、ほんとうに。
 そのどれもこれもが良い出会いだったか、といわれれば……まぁ、アレなんだけど。
 ん。オソマツサマでした、だっけか?」

本当に、ここ数年で出会いはかなり増えて。それで痛い目も見たり、幸せになったり。
なんとも、身の回りは変わったな、と男も苦笑しつつも。
相手がデザートを食べ終えれば、男は一声かけ、皿を片付け始める。

紅月 > 「…ちょっとしたイタズラから家屋が吹っ飛びそうなのまでピンキリだから、面白半分のつもりだったんだけど。
贈り物かぁ…あー、山賊街道のタチの悪い奴らにわざと盗ませるのもいいなぁ。
…うん、今度何か入り用になったら声かけてよ、安く卸すから」

男の知恵に、きょとんとした顔で呟く。
紅月が行うのは基本的に悪戯までであって、罠だとかは二の次三の次…仮に思い付いても結局武術一本で切り抜けてしまうのがオチ。
しかし彼のように悪知恵だとかで上手くやれば、確実に楽が出来るし不用品も捌けるだろうと思えば…装飾品としては一級品の悪意無いミミック達を男に譲渡して結果を聞くのが何だかんだ一番面白そうだと。
小さくほくそ笑み、冗談半分の商談を持ち掛ける。

「あぁ、そう言えば職場の上司も言ってたなぁ…こっちの料理は基本的に『腹壊さない為にしっかり加熱~の、香辛料ドサー』だって。
…成程、こっちの料理作ってて何となくレシピを弄りたくなるのは、何処で食べてもアレンジが極端に少ないからか」

某騎士長や目の前の彼の言葉から察するに、こちらの料理はきちんとした型にはまった物ばかり…そういえばたまたま道すがら出会った冒険者からせびった昼飯ですら、何となく食べた覚えのある味だったと思い出す。
飽きないのかしら、なんて素朴な疑問が浮かぶものの…やはり東国民が食、とりわけ米と米周辺に拘りすぎなのだろうと思考を改める。

「あっはははっ!
そりゃまぁピンキリでしょうねぇ…悪いモノに関しちゃあ天災みたいなもんだろうし、ご愁傷とだけ言っとくよ。
うんうん、合ってる合ってる…片付けの間ものんびり待ってた方がいい?」

男がどんな出会いや冒険をしたのか…その辺りはきっと多すぎて、訪ねようにも聞ききれないだろう。
これから少しずつ聞かせてもらおう、なんて笑いながらに思うのだ。
皿の片付けを始める彼に、のんびりと訊ねながら首を傾げる。

セイン=ディバン > 「面白半分でも、案外使い道はあるもんさ。
 ……ふむ。そりゃあ面白いかもな。
 あぁ、その時はよろしく頼むよ」

相手の言葉に、ニヤリ、と笑う男。基本、意地が悪いので。
山賊をいびったりだなんていうのはもう趣味の一つなのだ。
にやにやと笑ったまま、男は相手から何を売ってもらおうか、なんて考えたり。

「保存が利くようにしたり、な。まぁ、それはそれでいいんだが……。
 おかげさんで、俺も料理作るときアレンジするようになっちまった」

相手の指摘に、男は頭を掻く。全てが全て、という訳ではない。
だが、確かにその多くが固定観念によって作られた料理であるのは確かだ。

「笑いごっちゃねぇぜオイ。こっちはそのおかげで……。
 ……あぁ、やめだやめ。辛気臭くならぁ。
 ……ん。そうさなぁ。片付け自体はメイド共が帰ってきたらやらせっか」

相手の笑みに、男は肩を竦めるが。すぐに笑い、皿を台所に置くと、肩をぐるぐると回し、相手を見れば。

「……家の中、案内すっか?」

そう、提案するのだった。

紅月 > 「んー…その辺り、ちょーっとセインに先生してもらいたいかも。
紅はそのテの詳しくないからなぁ。
…ふふっ、お任せあれ!」

実に愉快げな男の表情に何だか自分まで嬉しくなり、ふわりと笑みつつに。
ここに邪悪極まりない悪戯っ子同盟が結ばれてしまった。

「あ、やっぱり…?
そうだ、こっちの料理のアレンジレシピも今度見せあいっこしようよ!
…って言っても、紅のは異国や異界の調理法を何でも使うからセインの参考になるかはわからないけど」

ヤレヤレといった様子の彼に、ついクスクスと笑ってしまい。
男が料理好きそうなのは舌でしみじみと体感した故、折角だからと勉強会の提案を。
己はマグメールらしいアレンジの仕方を学べるし、相手はアレンジの手段そのものが増える…得のウェイトは若干己に多い気もするが、そこは後々何かで補填しておこう。

「ふふっ、セインは何だかんだ苦労人してそうだからなぁ…?
…お、食後の探険!行く行くっ!!」

伊達に執事服は着ていないというべきか…無駄の無い所作で食器を下げる彼の背を、片肘ついて眺め。
肩を回しながら戻ってくる彼に、声をワクワク弾ませて表情を嬉々と輝かせる。
美食も大好きだが、やはり好奇心を満たせる探索に心踊らせてしまうのだ。

セイン=ディバン > 「うん? まぁ、そりゃあかまわないが。
 ……ふむ。教えれば、売れ筋の商品とかを作れるかもな?」

相手の言葉には、男は大きく頷く。
需要のある物を作れば、この相手もまた楽に儲けられるかもしれない。

「ふむ、そりゃあいいなぁ。
 お互いに料理の幅が広がるもんな」

願っても無いことだ、と。男は快諾する。
料理のレシピは、身につけるだけ身につけておくと損はない。

「うっせー。余計なお世話。
 んむ。じゃあ、ちょっと着いて来な」

んべっ、と舌を出しながら笑う男。
そのまま、男は廊下を歩き出す。

「一階は生活スペースだな。台所、リビング、風呂……。
 倉庫に武器庫……。あとは、冷蔵室か」

相手を先導しながら、部屋を紹介していく男。
そのどれもが、一般的な家の部屋よりも断然広い。
特に冷蔵室は、魔術を使用し、食品などを腐らせないようにしている。