2018/10/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」に竜胆さんが現れました。
■竜胆 > 自宅からほど近い富福地区の道を歩くのは一人の人竜、彼女は家からさほど遠くないその場所を歩いていた。
ふわりとしている柔らかな東方の着物を着こなし、しゃなりしゃなりと落ち着いた足取りで進み、その蒼い瞳は、とある大きな建物を見上げた。
「コクマー・ラジエル学院……」
魔法を教える学校、おそらくこの国では最大級の学校であり、いろいろな学生がいるという。
少女は無論そこの学生ではないので、入ることはできないが、こうやって外から見ることはできる。
周囲を歩き入っていくのは、おそらく学生なのだろう、物珍しい少女の格好を見て、好奇の視線を送るけれど声をかける子はいない。
別に声をかけてもらうことを期待しているわけでもないのでそれはそれでもいい。
少女は独学で魔術を学んでいたが、さて……ここで教える魔術はどういったものなのだろうか。
興味は沸くが、入るべきかは悩む、そもそも、半分は人間ではない。
人間は異端を弾く生き物であり、それは周囲の視線で、十分理解できる。
そして、自分の知る魔術の技能よりも、ここで教えるそれが低レベルであったとしたら……、お金の無駄になる。
そのへんは商人の娘なのかもしれない、お金が気になって仕方がないのは。
なので、興味があっても、入ろうと親に強請る事もなく、少女はここにいる。
「……魔術師のギルドとかのほうがいいのかしらね。」
たしか、誰かにそんな話をしたような気もする。
まあ、いいかと考え直しながらとりあえず、向かいにある学生がよく使うであろう喫茶店に入ることにした。
ここに立っていても、邪魔だろうし。と。
■竜胆 > ギルドといっても、ギルドはギルドでよくわからない、と言うのが本音である。
商工ギルドは基本的に商売のための物価とか、取り決まりなどの連絡し、助け合うためのそれなのだけれども、魔術師のギルドは何をしているのだろうか。
冒険者のギルドと同じような感じなのだろうか、それとも、そこの学校と同じ場所なのだろうか。
少女は考えながら喫茶店のドアを開け、中に入り窓際……よく学校の見える席を選んで腰を掛ける。
客に関しては特に気にしていなかった、居たかもしれないし、いないかも知れない。
まあ、関係のない人物ばかりであろう、気に求めておらず思考に走るろう……とした時に、ウエイトレスが注文を取りに来る。
頭をスッキリさせたいのでコーヒーを注文し、ケーキも一緒に。
そして、それからもう一度視線を学院の方へ。
「魔術師につてがあればなぁ……」
そういったものは一切ない、が、魔術書は手に入った。
というよりも、母や、その部下の竜の財宝の中にある魔術書を貰ってきたのだ。
それを使って学び、理論を覚えて使えるようにしたがさてどうなのだろう。
うーん。と少女は悩んで息を吐き出す。
■竜胆 > 思考が煮詰まってきた気もするし、少女は視線を動かして周囲を眺めることにする。
朝の喫茶店ということで、そんなに人がいない模様、いるのは自分ぐらいか。
なるほど、と軽くつぶやいてから少女は、自分の目の前にいつの間にか置かれていたコーヒーに気がつく。
考え込んでいてウエイトレスが持ってきてくれたことさえ気がつかなかったもよう。
苦い笑みをひとつこぼしてから少女はコーヒーを啜る。
にがい。なので、砂糖を……小瓶から一掬い、二掬いして、入れてかき混ぜる。
苦味が減ってちょうどいい塩梅になったので、改めてそれをすすることにする。
いい香りがして、それを堪能しながらケーキに目を向け、フォークで少し切り、口に運ぶ。
甘すぎず、上品な甘さで舌を楽しませてくれる。
うん、おいし、と小さく呟いて少女は微笑んだ。
■竜胆 > ケーキはいちごと、生クリームたっぷりのケーキ、生クリームの甘さと、果物の甘さ、それらのコラボレーションが素敵である。
あむあむ、フォークを何度も往復させてケーキの甘さを堪能し、少女は頬を思わず持ち上げる。
ここ、思ったよりいい店ね、なんて。思わずしっぽも嬉しくてブンブン振ってしまう。誰かいたら足の骨折ってしまったかもだけど誰もいないのでノーカン。
しばらくの間、ケーキを堪能してコーヒーを飲み終えると、登校の時間が終わったからか、門のところに入っていく学生は見えなくなった。
門も閉じられているので、あの中で勉強をしているんだろうなぁ、とちょっと考える。
しかし、すぐに興味は失せる。
せっかくこういうところにいるのだから、もうひとつ何か食べたいな、とメニューを開く。
ここのケーキは絶品だし、制覇するのもいいかも知れないなーなんて、思考はもうケーキに夢中。
ワクワクしながら、メニューの文字を目で追う少女。
■竜胆 > 「うーん……っ。これにしようかな。」
メニューを眺めて決めたのはチョコレートケーキと、フルーツタルト。
どれも美味しそうだけれど、チョコレートというのが凄く興味を引いたのだ。
たしか……普通はドロドロなやつを飲むものだと聞いている、それをこういうふうにケーキにするという発想が面白い。
なので、少女は頼んでみることにした、あとは普通にフルーツがたくさん乗っているタルト。
果物は大好きだし、甘いのは大好物、店ごとの特色があって違っていい。
だからこそ、コーヒーのお代わりを注文してワクワクしながら待つ事にする。
「こういう時、話し相手とかいればいいのにな……」
最近全然見ない数少ない友人を思い出しながら少女は呟く。
もう少し友達でも作ればいいじゃないと思っても……こう、家から出るのが億劫だし。
そもそも、気が合う相手あまりいない。
家の中で完結していたからこその、対人スキル欠乏症所だった。
母はあんなに人と絡むの好きなのに。
■竜胆 > ケーキがやってきて、少女はそれを楽しそうに食べる。
どのケーキも、とても丁寧に作りこまれていて、なめらかで食べやすい。
もそもそしているところが一つもなくて、さすが富裕地区のお店だな、と思わせてくれる。
しばらくはここに通うのもいいかもしれないな、なんて思ってしまう。
今日はもう考えるのも疲れたし、ケーキを堪能するだけ堪能して。
最後にコーヒーを飲んで一息。
お金を支払ったあとは、上機嫌で帰っていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」から竜胆さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区繁華街」にユエルさんが現れました。
■ユエル > (依頼されていた仕事も終わり、抱えていたものがすべて片付いた夜。その開放感のままに珍しく富裕地区、それも繁華街に繰り出した。その開放感の顕れか、少女には珍しく少しだけ冒険した衣装に、少しだけご機嫌な足取りで夜の街へ。
・・・かといっても何か目的がある訳ではなく。肩の荷が降りた為、その気分のままふらりと外に出ただけに過ぎない。そも、この辺りはほとんど来たことがない為、どこに何があるかもよくわかっておらず、ただふらふらとウィンドウショッピングに興じていて。
目的もなくふらふらとうろつき、珍しいものを見るように展示された商品を眺める少女はわかりやすく、おのぼりさん、という印象を与えるだろう。)