2018/10/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にシュライアさんが現れました。
シュライア > ギィン!、ガァン!、キン!

富裕地区の一角、平民地区にほど近い場所にラクスフェル家が管理している修練場がある
管理している、と言っても特に入場に制限があるわけではなく、入り口で受付を済ませれば誰でも利用できる場所だ
しかし、そういった場所だからこそ…貴族は、「平民と肩を並べられるか」と言い、平民は「貴族と一緒なんてごめんだ」と言う
中々立場が難しい、そんな修練場

そこに、甲高い音が響いている。剣と剣がぶつかり合う音だ。
当然片方はラクスフェル家の次女、その相手は彼女を幼いころから鍛えてきた教官である
二人は他に誰もいないこの場所で模擬戦を行っていた

弾き、牽制し、また剣を合わせ…
その動きは流麗な舞踏のようで。


『ふ―――っ!!』

何度かの剣戟の後…教官が、年齢を感じさせない動きで肉薄し勝負を決めようと一撃を放つ

(…重い剣ばかりでは…だめ、でしょう。あの、相手のような剣を…)

この場所で以前に斬り合った相手の事を思い出す
自分の剣が硬い岩だとするとあの剣技は水だ。
正しく自分に足りないものであるそれを会得するため教官に模擬戦を挑み…そして

キ、ィンッ!

一際高い音共に教官の剣が宙を舞う

『降参ですな。いやはや見事…今のは私が教えたことのない動きでした。
…躊躇いがあったようですが、目的が達成できたようでなにより』

に、と笑う教官に彼女も微笑みを浮かべ

「ありがとうございます。…ただ、仰る通りです。まだ私の剣は硬いだけの剣ですから……ですので」

『?、どうかされましたか?』

「いえ、なんでも。ありがとう、教官。またお願いするかもしれません」

にこ、と笑って今日はもう終わりですね、と言い

『このおいぼれでよければ。…ただまあ流石に体が痛いので先に失礼します』

相手もまたにこ、と笑い返して…修練場を後にし。




「………ふぅ……」

相手が去った後、ぼんやりと。受付しかいない修練場でため息をつき
彼女にしては珍しく、悩んでいる様子で天井を見つめている…

シュライア > 「まだ、足りない……この街に残った悪は多いけれど、やっぱり…」

ただの修練では、足りない、と。
もっと様々な修練を積む必要があると彼女は思う。
しかしそうなるとこの街では足りない。貴族だから、と遠慮する者も多いからだ。

「お父様に言って、旅…もいいかもしれませんね」

自分に足りないのは姉のような機転と、知識だ
異国を巡ればそれを得られるかもしれない

「…とりあえず、誰もいなくなりましたし…少し、体を拭いて私も帰りましょうか」

今度話してみようと思いつつ
受け付けはそもそも見えない位置にいるし、誰も入ってきていないため無防備に…
鎧の留め具を外し、肌着を露にして。その状態で布を濡らし、簡単にではあるが汗を拭い始める

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にナイジェルさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からナイジェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からシュライアさんが去りました。