2018/10/09 のログ
ご案内:「マグメール カフェ」に紅月さんが現れました。
紅月 > ーーーカタタッ、コトッ…しゃら……

とあるカフェのテラス席。
美しく染まった樹の下、テーブルには紅茶とパンプキンパイ…黄色や橙の雨がひらりと降る中、本を傍らにティータイム。

「…はふ、落ち着く……」

テーブルには鉄扇が一柄置かれており…更に椅子にはこの空間には随分と不釣り合いな大太刀が立て掛けられている。
それらを見れば、彼女が武に生きる者だとわかるだろう。

「お仕事上がりの甘味って、何でこんなに美味しいんだろ…幸せ……」

…わかる、かもしれないが。
緩みきった笑顔で頬に手をあてている姿からは、イマイチ想像がつかなそうな。
というか、いっそ武器の類いが物騒な忘れ物にすら見えてくる始末である。

紅月 > はら、はらり…
ゆっくりと降り注ぐ、黄と橙の雨。
テーブルに頬杖をついたまま、舞い降りた一枚を手に取り…指先でくるくると回しながら観察してみる。

「楓、かな…いい色」

鮮やかに黄葉した其れは、まさに自然界の作り出した芸術と呼ぶに相応しい見事なシンメトリーで。
のんびりと眺めながら笑みを溢す。

「……、…あ、っ…」

不意に、パラパラと本の頁が捲れていく。
色とりどりの木の葉を纏った秋風が吹き抜け、指先の一葉を浚っていった。

…吹き抜ける風と共に躍った紅の髪が、ふわり。
煌めきながら舞い降りる。

ご案内:「マグメール カフェ」にエズラさんが現れました。
エズラ > 「相変わらず、こういう場所がよく似合うな――紅月」

不意に、男の声が女の名を呼んだ。
吹き抜ける風に合わせ、ほんの少しよそ見をした相手のちょうど反対側の道。
店の敷地には入っていないから、通りすがりと知れる。

「仕事帰りか?久しぶりだな――」

彼女の背後には物々しい存在感を示す得物。
知らぬ者が見れば不可解に思うのかも知れないが――自分は、彼女があれらを使いこなすところを実際に見ている。

紅月 > 「あー……っ、んぅ…?」

栞にでもしようと思ったのに…
ほんのり切なげな表情を…もとい、しょんぼりしていた所にかかる声。
顔を向ければ夏ぶりの、久しく見ていなかった男の姿。
思わずパァアアッと表情を輝かせて。

「わぁっ、エズラじゃないさ!
そうそう日課の薬草採取を終わらせてきたトコ。
…お久し振りだねぇ、元気してた?」

ニコニコと笑顔で問い掛けてみる。
尤も、この男が難儀するような場面なんかそうそう起こらないような気もするが。
一応の決まり文句というやつである。

エズラ > 「ああ、ぼちぼちやってるぜ――最近は戦場よりゃ街中の荒事やら港での仕事かな」

テラス席と道の合間にある柵に軽く身を乗り出しつつ近況報告。
秋の樹木の降らせる雨は、精霊の気を帯びる彼女を彩るに相応しかった。
男は一度店の者と目を合わせるが――軽く手を振り、入店の意志はないことを告げ。

「――なぁ紅月、もしこれから付き合ってくれんなら、「また」面白いとこ、連れてってやるけど――どうだ?」

以前、案内した場所を、彼女はとても気に入ってくれた。
ああいうちょっとばかり秘境めいた土地を、自分はまだ知っている。
きっと彼女ならまた気に入ってくれるかも知れない――

紅月 > 「あぁ、エズラは傭兵だもんなぁ。
要人警護も傭兵の得意分野なんだっけ」

相変わらず頬杖をついたまま「一口食べる?」なんて…上機嫌に、残り少なくなったパンプキンパイを一口分にサクリと切って刺したフォークを差し出してみたり。

「あぁ、あの島面白かっ……え、まさか…他にもあんのっ!?」

件の夏の小旅行、緑豊かな場所でのゆっくりとした日々はとても充実していて。
てっきりまた其処に行くのかと思いきや…男の表情を見るに、どうやら違いそうだ。
キラキラと目を輝かせながら男見詰めて。

「行く行くっ!!
うわぁ、今度はどんなトコだろう…!」

エズラ > 差し出されたパンプキンパイについては、遠慮なくぱくりと頂く。
その味は、味覚に疎い自身でも、非常に工夫の凝らされた味と分かるほど。
店選びのセンスは相変わらずのようである――

「ようし、んじゃ店の前で待ってる――ゆっくりでいいからよ」

形としてはティータイムの途中。
それをゆっくり楽しんでからでいいぜ、ということらしい。
その後、彼女と合流し、一路街の外へと出かけていくのであった――

ご案内:「マグメール カフェ」からエズラさんが去りました。
紅月 > 男の口の中へと消えていくパイ。
この男のこういう変に遠慮しない所は清々しくて結構好きだ。

「ふふっ、いいや…早めに行くよ。
気になって仕方ないもん」

微笑みながらそう告げれば、ササッと全てを平らげて男と合流するんだろう。
…はてさて、今度は何処へ連れていってくれるやら。

ご案内:「マグメール カフェ」から紅月さんが去りました。