2018/09/14 のログ
ご案内:「マグメール 富裕地区/とある空き地」に紅月さんが現れました。
紅月 > ーーーそよ、そよ、ちりん…

街並みを見下ろせる、秘密の場所。
秘密と言っても単に誰の所有物でもない小さな空き地で…けれどふかふかな芝生のそこは小さな花が咲いていたり、見晴らしも良くて。
何処から通じているのか人通りの少なそうな坂道の上…居心地のよいそこをコッソリと秘密基地のように思い、ただただ居座っているだけなのだが。

「もうすっかり風が冷たい…
……ふふっ、この国にも"芸術の秋"とか"食欲の秋"なんてのはあるのかしら?」

独り秋風に紅の髪を靡かせながら微笑み、静かに月を眺め…坂道の上、ちょっとした崖に腰掛けて下駄をプラプラさせている。
坂の道は紅月の後方…大通りの方へと繋がってはいるが、それこそこんな細道を通るのは何処ぞの使用人くらいだろうと気にもせずにのんびりと過ごしている。

紅月 > 「…今夜は何か作ってみるか。
何がいっかな……星屑を詰めたタリスマン、お月様のランプ…あっ、秋虫の音色を小箱に閉じ込めたら素敵かも!」

首を傾げ、簪の飾りの涼やかな音を鳴らしつつ…唇から零れるのは何ともふわふわとした発想。
夢見がちな少女の空想ともとれるような独り言。
けれど、この紅月には…それらを生み出すことが出来てしまう。
…彼女が幾つか持つ稀有な技術のひとつ、魔創。
それはマジックアイテムの類いを生成するというもので、けれど錬金術とはまた少々違う…強いて言うならば付与魔法の応用を更に変化させたような、ユニークスキルに近いモノ。

普通の思考であれば、そんな技能を習得しようという暇があれば戦場で華麗に舞う技術や、華々しい魔法魔術なんかを会得し、地位や名声を欲しいままにするのだろうが…残念ながら、この紅娘の関心は常に"好きなこと・好きなもの"にある。
それ故、なのか…自分にとって好ましい何かを作り出せる技術は彼女のお気に入りであった。

「最近お花ばっかり作ってたからなぁ…たまには違うのがいいや」

紅月 > 「……、…あっ、なんか混ざった」

せっかく特殊技能を持っているのに、技師を名乗らぬ…その理由。
それは、たまに作り出すモノが奇妙な力を持ったりしてしまうからで。

「…今回は何やらかしちゃったかね……
【汝の姿を示せ】
……ん、ん~?
さしずめ"流れ星"の御守り…かなぁ」

今回は使った素材がマズかったか、それともその素材の逸話を思い返したのが雑念となったか…思い描いていた物とは大分違う、強力過ぎるものが産まれてしまったらしい。

どうやら、願いを強く祈った後に訪れる3つの試練を越えれば…その願いが叶う、という物なのだが。
願いの規模が大きければ大きいほどに試練の難易度もキッチリと上がるらしく、明らかに殺しに来てると言っても過言ではないような試練も普通に訪れてしまうようで…願いも、試練の難易度も、青天井。
つまり…冗談で分不相応な願いを祈ろうものなら、死ぬ。確実に。

「ちょっと…かなり、マズイよなぁ……」

ご案内:「マグメール 富裕地区/とある空き地」に紅月さんが現れました。
紅月 > 「またお蔵かぁ…やれやれ」

がっくり、と…隕石の欠片と魔石を用いたタリスマンを片手に、俯きながら肩を落とす。
もし誰か坂の下に居たなら、心底残念そうな顔を拝めただろう。

「素材はきちんとイイの使ってるんだけどなぁ…」

苦笑しながら立ち上がる…残念無念、しかし、詮無き哉。
…そろそろ帰るかとその場を後にするのだった。

ご案内:「マグメール 富裕地区/とある空き地」から紅月さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にテリスさんが現れました。
テリス > 「いちち。無茶しやがる。」

通りから一本外れた通り。そこで少年は悪態をついていた。
確かに不審者なきらいはあるが歩いて聞き耳立ててただけである。
それが原因で衛兵に追われる始末になってしまった。

しかしすばしっこい上に裏通りばかり通るので鎧を身に着けた衛兵達では捕縛できなかった様子。
ただ、ごみごみした通りを走り抜けた為にちょっとした傷がちまちまと残ってしまっていた。
別に大けがをしたわけではないので移動にも仕事にも不都合があるわけではないのだが…。

「ケチがついたかな。今日は帰るか…。」

やれやれ、と言った様子で一つ呟いた。
その姿もまぁ、不審ではある。
ローブ姿で紛れている為、声を聞きつけるか、明りで照らせば見つかるかもしれないが…。

テリス > 気づけば、暗がりに少年の姿はない。
拠点の貧民地区に帰ったか…あるいはまだ情報を集めているか。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からテリスさんが去りました。