2018/06/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 墓地」にヒマリさんが現れました。
ヒマリ > 故人の武勇伝が読み上げられ、棺が埋められた後。
付き合いのあった貴族が思い出話に花を咲かせ、そこから脱線しても話し込んでいる。
異国の黒衣を身に纏った少女は、曇天のせいで昼過ぎだというのに暗い空を見上げ、傍に木に背中を預ける。

「いい場所だ。ここで眠るのも悪くないだろうな」

昨今勢いを増す魔族側の手により倒れたという軍人の彼。
肉体が朽ちても勇猛さは伝わると言われるほど、優秀で果敢な男だったらしい。
先代の付き合いなので己は彼をほとんど知らないのだが、参列者の顔を見れば事実だと分かる。

(母上の埋められた墓地とは大違いだ)

ミレー族の母は墓地とも呼べぬ荒れ地が死後の住処。
己とて他人事ではない。意識的に、獣の耳と尻尾を隠す術を強めた。
伝聞で語り継がれ、人々の記憶で生き続ける彼とは違う。
命が尽きれば術も解け、ミレー族の血が混じっていることが知られてしまう身だ。

ヒマリ > 葬儀はまだ終わったわけではない。
場所柄感傷に浸ってしまいがちだが、呼ばれると意識をそちらに戻し、今しばらく“お付き合い”を。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 墓地」からヒマリさんが去りました。