2018/04/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にフラニエータさんが現れました。
■フラニエータ > ここは富裕地区の真ん中、噴水前広場。女は噴水を囲うように設置されたベンチに腰掛けていた。
何気ない表情で行き交う財布…もとい人を観察しながら、近くの食料品店で買った干し棗をもしゃもしゃと食べている。
しかし…あまり簡単にお仕事をさせてくれそうな人は居なさそうで。
掌で口を隠しながらの小さな欠伸をすると、組んだ足、その太ももの上に肘を乗せ、気だるそうに頬杖をついた。
「退屈だわ…イイ子、居ないかしらね…」
ちなみに女の宣う「イイ子」は所謂「おもちゃ」である。全く嫌な女だ。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にイザベラさんが現れました。
■イザベラ > と、広場の片隅。
何の変哲もない扉が開き、そこから人が出てくるのが見えた。
ローブで隠されてはいるものの、微かな起伏から恐らくは女――。
しかも、フードの影からちらりと見えた『本来の服装』は
貧民の身に着ける者とは一線を画す、上質な生地が使われている事がうかがえた。
「――――。」
さすがに遠すぎ、なんと言っているかは聞き取れなかったが、
扉の内側にいる人物に、裾から革袋を取り出して、渡すしぐさも見える。
……あなたなら、その職業柄その『何の変哲もない扉』の先に
何があるか入ったことはなくとも、きいたことはあるだろう。
――貴族専用の隠された会員制クラブ。あるいは高級娼館。
マグメール王国において、こうした秘密の集まりは珍しいことではないが、
なんとも『カネ』の臭いがする獲物ではある。
■フラニエータ > 気だる気な女の眼が一転、獲物を見据えるものに変わった。
その瞳が捉えたのはとある娼館。それは高級娼館であり、認められた人物でしか入場できない場所だ。
そしてそれを利用しているのだろうか、何かを渡す仕草を見せるフード姿の…恐らく女性。
ちらちらと窺える服装は所謂お金持ちのそれで、到底娼婦とも思えない姿。
「女…高級娼館…――ふぅん…?面白そうね…ククク…」
ターゲットは決まった。
女は下卑た笑いを浮かべると、紙袋に入った干し棗を一つ頬張り、咀嚼する。
そして徐に立ち上がると彼女の元へ足を…運ばない。
「んもう…濡れちゃったわ…」
彼女に届く位の少し大きめの声。それは先ほどの女の声とは全く違った色気を帯びたものだった。
さも噴水の水に濡れ、それを掃い退けるかの様に巻きスカートを叩き揺らし、
スリットから覗かれる己の白い足を周囲に配る。
■イザベラ > 「…………。」
その声に――『エサ』に獲物は食らいついた。
ローブの人物は、人気のない路地へと歩を進めていたが、
声が聞こえるとあなたの方にそれとなく向き直り、明らかにローブの下から視線を向け。
白く、それでいて女らしい弾力ある太ももへと舐めるような視線が突き刺さる。
一瞬、立ち止まり思巡するようなしぐさ。
そして、一瞬だが舌なめずりをしたようにもみえて。
しかし、女はそのまま路地裏へと入って行った。
明らかに、あなたに興味を示し、食らいついたようにも見えたが。
■フラニエータ > 明らかに己に反応した彼女。己に向けられる視線が足へと運ばれたのも解った。
立ち止まり、舌なめずりをする姿もしっかりと眼に入る。
男娼を買っていた可能性もある。しかし、今の彼女の反応を見れば、そうでは無い事が計算できた。
「…好色なオジサマを相手にするより…愉しそうだわ…それに…」
何故か路地裏へと向かう彼女。
こちらに反応し、あのような素振りを見せてのその行動は女に興味を抱かせる。
何故人気の無い路地裏へと進むのか…己が追えば、彼女が待っている可能性が高い。
「…面白い女ね…聡い子…気に入ったわ…」
彼女の後を追い路地裏へと歩みを進める女。その口端は微かに上げられており、獲物を追う肉食獣の様な雰囲気だった。
■イザベラ > 「「お待ちしておりました。」」
フラニエータが路地へと入ると、すぐに『待ち伏せ』に出くわした。
とはいえ、そこにいたのは例のローブの女ではなく小ぎれいな身なりをした貴族の侍従らしき2人の少女。
ご丁寧に、馬車まで用意されている。
「「我が主が、貴女を街で見かけられ御所望されております。
よろしければ、馬車にお乗りになって頂けますか?」」
声を揃えて口を開く少女たち。
先ほどの人物からの誘い、ということらしいが……どうすべきか。
■フラニエータ > 女は歩きながらも色々な事を考えていた。
もしかすると己の正体を知っている上での行動かもしれない、その場合はどうするか…
それとも本当に己の誘惑に応えただけなのか…
しかし、女の眼に飛び込んだのは想像を遥かに超えた光景。
「――…ククク…アハハハ!」
二人の少女の目の前で大声で笑う女。予想の斜め上を行く、とはこのことだろう。
「…こんなエスコート初めてよ…本当に聡い子…」
興味が警戒心を超えた。二人の少女の頭を撫で、ありがとう、と声を落とす。
そして女は馬車へと近づき、警戒しながらもその中へと足を運ぶだろう。
どこへ誘われるのかは定かではないが…きっと、愉しめる。そう考える女だった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からイザベラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からフラニエータさんが去りました。