2018/04/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 富裕地区の通り。夕刻といったところ。
きらびやかな通りには似つかわしくない冒険者の姿。
道行く貴族はイヤそうな目でこちらを見るが、こちらも貴様たちなどと仲良くなりたくもないからお互い様だ。
ムスッとした仏頂面で冒険者たる少年がこんなところを歩く理由はただ一つ。
依頼だ。
依頼主はカエルのような顔をした金持ち…貴族だか商人だかは覚えちゃいない。
内容はとてもわかりやすいお使いで、貧民地区にある薬屋からある品物を受け取ってきて欲しいとのこと。
しかも、内密に。
回春剤だか媚薬だか知らないがろくなもんではないことは確か。
ご禁制の薬、というわけではなく、ただ、周囲の人間…特に妻にはしられたくないとのこと。
まぁ、十中八九、ろくなことには使われないだろう。
で、その帰り道というところだ。

ブレイド > 「ちっ…」

思い出し舌打ち。
そういえばあの依頼主…自分の姿を見て『何だ、男か』と、ひどくつまらなそうにいったことを思い出す。
女だったらどうしたというのだろうか。
興味はないし、聞きたくもないが…まぁ、予想はつく。
もし当事者になっていたら、そのカエルヅラに思いっきり拳を叩き込んでいただろう。
ある意味男でよかった。

ブレイド > 報酬は…たしかによかった。
ギルドに戻れば、ずしりと重たい布袋が待っているはずだ。
それとあと、件の薬を一瓶。
何の冗談か知らないが渡された。
口止め料のかわりのつもりだろうか?
結局何の薬か聞けないままに屋敷から追い出されたので使い方もわからない。

「(どっかで売っぱらえば二束三文にはなるか…)」

少なくとも、富裕地区に住まう貴族の愛用するものだ。
結構な額になるかもしれない。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にクロエ・ラ・シャアルさんが現れました。
クロエ・ラ・シャアル > 肌を撫でる風に笑みを浮かべる。
クロエにとって今日の風は心地よく、それは上機嫌にさせるものだったらしい。
少女らしい笑みを浮かべながら散歩をしていた。

そんなところに、この地区には合わない存在の姿。
その姿を一度見たことがあるクロエは足早に近づいていき
「お久しぶり、ブレイドだったかしら?」
と声をかける。

ブレイド > 「ん?」

こんなところで声をかけられるとは思わず
仏頂面のまま声の主に視線を向ける。
そこには明るい桃色の髪。紅玉のような瞳。

「ん、あぁ…風呂場の」

この髪色の人間の知り合いなどそうはいない。
といっても、少し言葉をかわしたに過ぎないが。
確か、クロエだったか。

クロエ・ラ・シャアル > 「こんなところでどうしたの。
ここは貴方の住む場所ではないでしょう?」

やはりいつかの少年。
自分でもわかるぐらい、得意げな顔をしてしまっているだろう。
気分は問題に回答して正解だった、そんなときの気分だ。

ブレイド > 「は?」

貴方の住む場所ではないときたか。
たしかにそのとおりではあろう。
ここは選ばれしお貴族様たちや金持ち様の住処であろう。
貧乏人はねぐらへ帰れとでも言いたいのだろうか?
ドヤ顔しやがって。

「依頼の帰りでございますよお嬢様。下々の者はねぐらに帰りますゆえご安心を」

言われなくてもこんなところにとどまる気はない。
まったくもってこの地区はろくなもんじゃない。

クロエ・ラ・シャアル > 「依頼?」

耳がピクリと動く。
彼の不機嫌を無視し、しかしこちらからは遠慮なく押し迫る。

「それはあれ?
冒険者、というやつの依頼かしら?
貴方冒険者だったの?」

ブレイド > 「そーでごぜーますよ。お嬢様。
万年貧乏の冒険者。ろくでなしのごろつき。
ヤクザな仕事のあれでごぜーますよ。
クロエお嬢様みてーなやんごとなき方にわざわざお声をかけていただく存在じゃございませんでね」

わかったらさっさと帰れと言わんばかりに
手をひらひらと振る。
というか、依頼と聞いて目の色が変わりやがった。
こういうのはものすごーーーく面倒な手合いだ。

クロエ・ラ・シャアル > 「庶民らしい殊勝な心掛けね。
でもそんなに卑屈になる必要はないわ。
貴方は確かに貧乏でごろつきだけれど、とても面白い存在だもの。誇っていいわよ」

こちらの地位を理解し卑屈になっている彼を励ましてやる。
庶民の心もわからないではない。
だから、その心を理解できる私は彼を励ましてやるのだ。

「ところで、これからギルドに帰るのでしょう?
帰るのよね?
片手間でできる依頼を受けてみない?」

まぁ、励ます理由はそれだけではなく、こちらの依頼を受けさせたいがためなのだが。

ブレイド > 「はっ、そいつぁー光栄なこって」

少女の言葉には、鼻で笑いつつも仰々しく頭を下げる。
悪い目つきは余計に悪くなっているだろうが。
カエルの相手でつかれてるっていうのに、このピンクのせいで疲れは更に加速している。
嫌味の通じないあたり余計に。

「は?依頼だ?」

何いってんだこいつ。
思わず素に戻ってしまった。

クロエ・ラ・シャアル > 「そう、依頼!
冒険者は依頼を受けるものでしょ?
そして依頼は誰かが出すもの。
大体は貴族とかじゃないのかしら?」

残念ながらその辺りの事情には疎いためにほぼ予想なのだけれど。
怪訝な顔をしてこっちをみる彼をみて、もう一度いってやる。

「だから、貴族である私はあなたに依頼を出したいのだけれど?」

ブレイド > 「……」

まぁ間違ってはいないが間違っている。
貴族の依頼人もいるにはいるが
まぁ、全体の二割かそこらが関の山だろう。
そしてこの娘はなんか大きな勘違いをしている。
そこらのお使い気分で依頼を出されたのではたまったものではない。
たまったものではないのだが…聞かなきゃ更に付きまとわれるだろう。
ギルドを通せと言ってもギルドに連れて行けと言うに違いない。

「どんな依頼だよ」

貴族に媚びる下々ムーブをやめ、やや不機嫌なまま
ぶっきらぼうに答える。

クロエ・ラ・シャアル > きっと予想は当たっているのだろう。
彼のぐうのねも出ない様子にふふんと自慢げな顔になってしまう。
私にとって、ちょっとした情報から推察するのはなんてこはない。
それはともかく、お金をいくらか、二日ぐらいは豪勢な料理を食える程度を出し。

「簡単よ。
貴方の血を吸わせなさい」

ふふん、どやぁ。

ブレイド > 「何いってんだお前…」

未知の言語を聞いたような顔。
実際理解に苦しむ。
血を吸わせろとは…貴族にしたって趣味が偏りすぎているだろう。
でも、報酬は十分というか
そこいらの簡単な仕事数回分の稼ぎになる。
正直美味しい。

「いや、まぁ、その依頼を受けるにしてもよ
吸うって、お前…どーやってだ?」

ストローでもぶっ刺すとでも言うのだろうか?

クロエ・ラ・シャアル > 「別にそこはあなたが気にするところじゃないわ。
別に道具とかもいらないし。
天井のシミとか空の星の数を数えていればすぐ終わるわよ?」

目の前でちゃりんちゃりんとお金を鳴らす。
別に拒否してくれても構わないが、それはそれで尊厳を傷つけられるので、こうやってコインを鳴らすことで誘ってみる。

ブレイド > 薄々感づいていたが
なんとなくわかっていたが
気づかぬふりをしていたつもりではあったが
こいつ、相当にアホだ。
やや呆れ顔でコインを楽器にしている依頼主(仮)に声を掛ける。

「で、受けるとして…どーすりゃいいんだ?
ここで吸うのか?」

一応ここは天下の往来。
富裕地区とはいえ、まだ人通りのある時間だ。

クロエ・ラ・シャアル > そういえば、と周りを見る。
気にしてもいなかったが、気にしてみればそんな場所だ。
流石にそれは迷惑かもしれない。
稀に嫌がる人もいるし。

「んぅ、仕方ないわね。
また今度でもいいかしら。
私もそろそろ屋敷に戻らなきゃいけないし」

ブレイド > 「今からじゃなきゃ、いつどこですんだ?
オレは別に構わねーけど…
依頼ならちゃんと決めとけよ?」

ため息混じりに答える。
良識があるんだか無いんだか。

「まー帰るなら送ってってやるよ。
なんかてめー一人だと心配だ」

変なのに声かけられて裏路地でひどい目に合いそうな顔をしていると言うか。

クロエ・ラ・シャアル > 「そうね……普段は路地裏とかでするのだけれど……。
とりあえず、屋敷に戻ってから考えるわ。
それじゃ、ついてきなさいブレイド。屋敷まで案内するから護衛しなさい」

屋敷でしてもいいのだけれど。
しかし、あの吸血をすると屋敷が臭くなるためにあんまりしたくないというのもある。
とりあえず屋敷に帰ってから考えよう。

ブレイド > 「へいへい…護衛の代金はサービスしとくぜ」

我儘なお嬢様に引き連れられて歩きだす。
今日は厄日なのかもしれない。
いや、金運はあるのかもしれないが、それと引き換えになにかどっと疲れた気分だ。
このまま彼女を屋敷まで送り届けるとなれば
今日は歩きづめだ。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からクロエ・ラ・シャアルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からブレイドさんが去りました。