2018/04/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にルーシェさんが現れました。
ルーシェ > 魔族の領域に広がる海、その深層に転がる貝殻。
人間の世界でも目にできそうな白い巻き貝の様なそれは、音を溜め込み、魔を込めた音色を作ることで高純度の魔力を秘めた真珠を生み出す。
それを手にしてやって来たのは、金持ち達が道楽に耽る世界。
金で美貌と悦楽を買い、ひと時の享楽に沈む彼等に興味があるわけではない。
通りの中央にある開けた場所は、娼婦たちが近くに住まう男達に媚び、擦り寄りながら快楽への誘いかけを紡ぐ。
そんな中で足を組み、貝殻を載せた掌を太腿の上に重ねて座る姿は少々異様かもしれない。
だが、もっと異様なのは、瞳を閉ざしたまま微笑みを浮かべながら歌を口遊んでいる事。

「~♪」

周囲に聞かせるような大きな歌声ではなく、料理かお風呂の時にでも口ずさむような弾み具合。
心地よさそうに音楽にでも聞き入りながら、自身も歌を重ねるようにして澄んだ歌声を奏でながら、時折掌に載せた貝殻を転がして弄ぶ。
女を買いに来た貴族に声をかけられようと、聞こえていないかのように歌い続ける。
通りかかった客や、そこを仕事場にする女達。
それぞれから奇異の視線を浴びようとも、普段と変わらぬマイペースさは変わらず、歌声は止まることを知らない。