2018/04/06 のログ
イグナス > ――といってそう、面白いことが起こるワケでもない。
やれ、と溜息をついておとなしく帰路に就いた。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にアリルネージュさんが現れました。
アリルネージュ > 化粧品などの消耗品を買いに、富裕地区まで足を延ばす。
その特徴的な踊り子の衣装は真っ黒なローブとフードに覆われ、
少し怪しい雰囲気ではあるものの、入口に入ってすぐの従業員に警戒される事はなかった。
少し見つめてあげれば頬を染めて歓待してくれる。簡単なものね、と唇だけの笑みを刻み。

さて、目当てである化粧品の類いくつか手に取っていく。
印象的なシルバーのアイラインやルージュ。
ほんのりと香る香水。そういったものである。
褐色の手指が小瓶を摘まみ、検分するようにしながら商品を選んでいく。

取り扱いのせいか、周囲には数人の女性ばかり。
連れ立ってでもなければなかなか男性は訪れないだろう、とは思う。
…よく見れば欲求不満そうな貴族の婦人などもいる。
遊んであげるのも楽しそうね、と小さくほくそ笑んだ。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にヴィヴィアンさんが現れました。
ヴィヴィアン > 「……見つけたわ。」

と、ふいにあなたの背後で女の声が響く。
どこか、敵意めいたものを含んだその声の主はあなたよりもやや色素の薄い褐色の肌を、
煽情的なドレスで包んだ一目見て娼婦であろうとわかる派手な身なりの女だった。

とはいえ、肌や頭髪の手入れ具合やそのドレスの生地などから見るに、
そこらの裏路地や酒場に屯する一山いくらの場末の娼婦ではなく、相当高級な部類に入るだろう。

「……アリルネージュ、さんだっけ。王都の夜の生活を楽しんでいるようね。
 端的に言うけれど、あなたのせいで『ウチ』は困ってるの。ちょっと顔、かしてくれるかしら?」

――この女、ヴィヴィアンは娼婦とは別に情報屋としての顔を持っていた。
いつもはダイラスを拠点に活動しているのだが、社交界の情報を集めるために、
王都にも自身の息がかかった女たちを幾人か潜り込ませてあった。

しかし、このところアリルネージュなる踊り子が人気を集めており、
有力な『情報筋』の何人かを取られてしまった。それゆえに、その実態を確かめようと、
女は乗り込んできたのだ。もっとも、アリルネージュにとってはそんなことは知った事ではないし、
降りかかった火の粉。早急に払ってしまいたいところだろう。

アリルネージュ > 少し敵意の籠った声。
かけられた声にゆっくりとした調子で振り返る。
人違いではないかしら?と微笑むつもりが名前まで調べ上げている様子。
仕方がない。という風に小さく嘆息した。

「こんばんは。」

第一声として、ごくごく普通の挨拶を行った。
うっすらと浮かべた笑みは心のどこかを溶かすような、そんな雰囲気を纏っている。
有力な『情報筋』、数人を落とした微笑み。それは男女を問わなかったであろう。

「『ウチ』というのがどこの事かはわかりかねるけれど…。迷惑をかけたなら謝るわ?
どこへ行けばいいのかしら…。」

殊勝にも下手に出ていく。
しかし、コツ、と一歩近づけばふわりと甘い体臭が鼻腔をくすぐるだろう。
同時にちらりとフードの下から覗く白銀色のルージュが、艶やかな唇が視線をわずかに引く。
惹きつける、たらし込む…自然な仕草だけでもそれが理解できるかもしれない。

ヴィヴィアン > 「フン、素直じゃない。ならこっちよ。」

そういって、ヴィヴィアンはあなたを先導するように店を出る。店先には馬車が用意されておりこの後二人はいずこかへと消えていった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からヴィヴィアンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からアリルネージュさんが去りました。