2018/03/27 のログ
■ファニー > 「いやいや、『みんなやっていますから大丈夫ですよ~』なんて騙しながら悪戯をエスカレートさせていく楽しさがわからないのかい?」
君とは相容れないなと、あまりこちらの話に興味を示してくれないバーテンの態度にため息を吐き。
そして空になったグラスをカランと傾けておかわりを催促するのである。
「まあ私の願望はともかくとして……今日は余り人がいないようだね。
個室の方に行ってるのかな?
ふむ、単に今日は来客が少ないだけなのか。」
■ファニー > 「ところで良いことを教えてあげようか?
このサイズまで育つと……なんと、シャツの上のボタンを外しておけば、シャツが支えてくれてブラいらずなのだよ。
ああ、サイズをウエスト周りに合わせた場合だよ?
胸に合わせて買うとウエスト周りがぶかぶかになるからね。
まあ、既製品を買う場合の話だが。」
等と割とどうでも良い情報を聞かせてみたりするが、意外と相手の反応が良かったのでクツクツと楽しげに笑いながらカクテルグラスを傾ける。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 怪しげなバー」にサーリットさんが現れました。
■サーリット > 「で、では失礼しますっ…!」
奥の個室に向かう通路から聞こえてくる女の声。
直後に通路から出てきた赤髪の女ははぁぁ…と盛大にため息をついた。
緊張から解放された、という感じである。
採取の依頼を受けて無事に完了したはいいものの、まさか富裕層からの依頼とは思ってなかった。
仲介先からは直接渡してきてくれと言われるし…。
「…肩凝った…。」
やれやれ、という様子でゆっくりと歩いてくる。
幸い、悪い事ばかりではなく直接届けたおかげで報酬には色がついた。
それを考えればよかった…のかな?と考えながら。
女性の客の傍をゆっくりと歩いて通ろうとする。
魔力の流れなどが読めるなら通常の女性とでなく、男性的な面がある事が伺えるかもしれない。
■ファニー > 「まあ他人の身体の部位で好きなところというのであれば……やはり腰回りかね。
男でも女でも腰回りからヒップラインにかけての引き締まった感じは最高だと思うよ?
もちろんムチムチした感じもそれはそれで好きだが。」
なにやらバーテンダーとの身体の部位フェチ談義に華が咲いていたらしく上機嫌に持論を展開する女。
ちなみにバーテンダーは鎖骨から胸へのラインが好きだったらしい。
そんな話をしていると奥の個室の方から扉の開閉する音と人の声が聞こえて来たのでそちらへと視線を向ける。
そして出てきた人物を視界に納めると軽く全身を見回し、『ふむ』と何やら興味がわいた様に瞳を輝かせ。
「おや、お疲れの様だね。
ここで会ったのも何かの縁だし、一杯奢らせてもらいたいけれどどうかな?
ご要望とあればマッサージなんかもしてあげるよ、一応本職だし……ね。」
通り過ぎようとする女性に軽く手を振りながら人懐っこそうな笑顔で酒の席へと誘ってみる。
軽く手のひらをわきわきさせて冗談っぽく笑って言葉を追加したりもするが。
■サーリット > 横を通りすぎようとした際に聞こえてきた話題。
なんというか好みのラインの話とか、なんとか。
なんだかムラムラする話題だなぁ…と頭の隅っこで考え、
横を抜けようとすれば女性から不意に声をかけられる。
「ふぇ? あ、え?えっと…。」
見知った顔。ではなかった。
知らない人だけど、やけにセクシーで特に胸が大きい。
男性が好きそうな感じ…だとは思う。尤も、自分も例外ではなく視線を取られるわけだが。
で、マッサージという申し出なのだが。少し考える。
…確かに帰ってきたばかりで疲労はある。本職にやってもらえるなら願ったりなのだが…。
「…えぇと、いいんです?」
とちょっと聞いてみる。不意の話だったので半信半疑の模様。
とは言え、好意的な答えならば頷き、個室に案内するなどは素直に従うだろう。
■ファニー > 「何があったのか知らないけれど……
私が想像するところだと一仕事終えたってとこじゃないかい?」
立ち止まってこちらを見やる女性の姿に嬉しそうに笑う。
女性の視線が己の胸へと向けられたのが分かれば、クスクスと何だか楽しそうに微笑を漏らし。
「丁度私も今日は仕事を終えてのんびりしているところなんだが、今日はどうにも客が少ないようでね?
話相手が出来るのならばその程度は安いものだよ。
丁度試供品として持ってきたアロマオイルなんかもあるしね。」
この店にそういう小物も卸しているのだと小話を挟み。
丁度マッサージをしたいと思っていたところに良い娘が釣れたと内心ほくそ笑んでいたりする。
「さて、それじゃあ横になれる場所の方が良いから個室にでも行こうか?
全身をほぐすには椅子じゃちょっとね。」
等とニコニコしながら言って個室へと連れ込もうと自然に促し。
■サーリット > 女性の言葉にこくりと頷く。
ひと仕事終えたばかりで食事を済ませて睡眠を、と少し思っていた所だ。
饒舌な女性の様子に断る理由もなく、収入もあったばかりなのでそれではとお願いする事にする。
「へぇ、アロマオイルですか。」
主体となっているのは女性故、そういう事にも勿論興味をそそられるわけで。
個室へ、という事だったらおとなしく女性についていく。
先ほど出てきたばかりの通路故気後れしないわけでもなかったが、
とりあえず女性に任せ、その後を黙って追従していく。
■ファニー > 「それじゃあ何か適当に軽く摘まめる物と飲み物を個室へ持ってきて貰えるかな?
あ、もちろん勘定は私に付けて置いてくれたまえ。」
と、バーテンダーへと空になったグラスを返しながら注文を通す。
そして椅子から降りれば先導するようにして個室へと足尾進める。
「ああ、マッサージに使うとリラックス効果とデトックス効果があってね。
ただまあ……どうしても肌が濡れてしまうので服を脱いでベッドに横になって貰えるとありがたい。」
部屋に付くとベッドが備え付けられており、オイルで汚れないようにとタオルケットをベッドのシーツの上に敷いて促した。
■サーリット > 部屋に案内されれば、先ほども見た通り瀟洒な個室。
ベッドが備え付けられているのはここで一泊する人もいるのだと思ってはいる。
先ほどは椅子とテーブルに世話になったけれど、今回はベッドに世話になるようだ。
マッサージ故、わかってはいるのだが…。
「え、えぇと…下着で、いいです?」
いきなり服を脱いで、と言われればちょっと戸惑いつつ。
ひとまずは荷物を下ろし、ゆっくりと服を脱いでいく。
女性的なスタイルは元より、旅稼業の冒険者らしく無駄な脂肪の少ない筋肉質な体が出てくるだろう。
オイルの説明を受けるが、理解できるのは半分程。
リラックス効果があるのはありがたいな…と下着姿でベッドに近寄っていく。
全部脱いで、と言われれば若干戸惑いつつも仕方なく従うだろう。
勿論、ちょっと変わった物が股間についているわけだが…。
■ファニー > 何度か使ったことがあるので勝手知ったるなんとやら。
タオルケットを取り出してベッドに敷いた後はベッドサイドのテーブルにポケットから小瓶をいくつか取り出しては置いていく。
「出来れば全て脱いでもらった方が良いのだけれど……恥ずかしいのであれば下着でも問題ないよ。
最初はうつぶせでね。
ところで、ローズとオレンジとバニラとラベンダーがあるけれど、どれが好みかな?
それとオイルの前に少し触診させて貰うよ?」
等と言ってオイルを手にする前に軽く女性の身体に触れ、軽く揉んだり押したりして凝っていそうな場所を探していく。
「なかなか良い体付きをしているようだね。
しなやかな筋肉をしていて実に良い。」
服を脱いでいく最中に彼女の下着姿が目にはいると、先程感じていた物が確信にかわり、何だか楽しそうに笑っていた。
■サーリット > 下着でもいい、と聞いてちょっとほっとした様子。
そのままベッドのタオルケットの上にうつ伏せになる。
胸がつぶれて少し苦しいが、すぐに終わるだろうと考えつつ。
「えっと…その中だとラベンダー…かな。 んっ…。」
ひんやりとした指先が触れればちいさく声を漏らす。
性感ではなく単に冷たさにちょっと声が出てしまっただけらしい。
筋肉のついた身体は柔らかな弾力を持っているだろう。
「ふふ。ありがとうございます。」
褒められれば素直にうれしい。
寝転がっていれば徐々にリラックスして力を抜いていくだろう。
■ファニー > ベッドにうつぶせになる様子を眺めながら上機嫌でオイルの準備を始め。
どうやらなかなかの自分好みの体付きの持ち主だったらしく自然と口元に笑みがこぼれてきている。
「それじゃあ始めるよ~。
オイルがちょっとひやっとする事があるかもしれないけど、ちょっとだけ我慢してね?
極力温めてやるようにはするから。」
そう言ってラベンダーのオイルを手のひらにたっぷりととると両手で揉むようにして温める。
そしてその手を彼女の腰へとやり、最初は腰から背中へとぐーっと押し上げるようにしてほぐしていく。
それが終われば肩甲骨周りや首元や肩などへとまだ最初なので真面目に凝りをほぐすように手を動かし。
■サーリット > ひんやりした感触とぬるっとしたオイルの感触。
背中の筋肉が心地よい弾力を女性に返しながら少し形を変える。
荷物を常に背負っているせいか、肩部分の筋肉が少し強張っているだろう。
「ん……わかりました。」
しかしその凝った部分をほぐすようにされれば心地よさに息が漏れる。
肩から首。そこから少し降りて腰の部分。太ももからふくらはぎにかけてなどが疲労が蓄積しているだろう。
そしてその心地よさに次第に身を委ねて、全身がリラックスしていく。
■ファニー > そういえば夜のお店用の試供品だから感度が良くなる効果もあるんだったなと今更思い出し、悪戯へ移るまでに効いててくれれば楽しそうだなと思ったりと。
凝っている部分にはあまり痛くならないようにゆっくりと揉みほぐしていく。
「ふむ……肩や足の周りが結構凝っている様だねえ。
せっかくだし重点的にほぐしていこうか。」
そう言って再びオイルを手に取り、足裏からふくらはぎ、そして太ももからお尻へと老廃物を掻き出すようにマッサージを続け。
「この辺はリンパが集まっているから特にね~」
太ももの付け根を重点的に指先を使って刺激していく。
割ときわどい部分に触れているので、色々と手に当たったりしているかもしれず。
■サーリット > オイルの効果か、塗布されてマッサージされた部分がじんわり熱を帯びている。
その範囲が徐々に広がっていけば、湯船に浸かっているような心地で非常に気持ちいい。
効果も相まってさらに脱力していく。そこが敏感になっている事にはまだ気づかない。
「ふぁい…お願いしまふ…。」
うっとり目を閉じたまま、若干怪しいろれつで答える。
次は脚。
脚も張った部分を解され、ふにゃあと力が抜けていく。
「ん……はぁ、い……ふぁ……。」
ぐにぐにときわどい部分を解されるが抵抗できない。
抵抗できないまま、熱を帯び、感度が上がっていく。
自分でも気づかないうちに女性の部分が湿り気を帯びてきている。
そして前の股間部分もなんだかムラムラしているよう。
はぁ、と吐いた息は自分が思っていたよりも熱っぽく…。
■ファニー > うっとりした様子で己のマッサージを受ける様子の彼女を見ると、先程までバーテンダーと話していた欲求が実現しているのでとても楽しげに笑っていて。
多少のオイルの効果はあるとはいえ、普通のマッサージでここまで蕩けてくれているのだから、悪戯したらどこまで楽しませてくれるのだろうかととてもワクワクしながらマッサージを続けていた。
「少しだけ腰を上げてね~」
きわどい部分へと指を這わせていき、直接は触らない程度にギリギリのラインを攻めて楽しんでいる。
もしも自分の言葉通りに彼女が腰を上げてくれれば、太ももに抱きつくように腕を回し、腕全体できわどい部分をこすったり、己の豊満な胸もオイルまみれにして太ももに押し当てるような格好になりそうだ。
■サーリット > はぁ…と完全にリラックスした、かつ熱っぽい息を吐き出す。
きわどい部分に感触がある度にひく、ひく、と腰が揺れる。
しかし、それをマッサージと信じているのでおかしいとは思わない。
むしろその反応を内心少し恥ずかしがっているのだが…。
「気持ちい……はぁ……。」
思わず声が漏れてしまう。
腰を上げて、と指示があれば抵抗なくゆっくり腰が持ち上がる。
ずいぶん卑猥な体勢なわけだが、頭が回らず気づいてないようで。
「んっ……ん、ぅ……。」
腕がきわどい部分に触れる。
その度にぴくんと腰が揺れる。
にゅるにゅると柔らかく心地良いものが太ももに纏わりつく。
気持ちよくて…気持ちよくて…。
腰を覆う下着…ショーツの前を、すっかりと勃起したモノが押し上げてしまっていて。
腰を上げている分、はっきりとそれが見えるだろう。
■ファニー > 「この辺りは重要ポイントだから重点的にして老廃物を排出しないとね~」
老廃物の言葉に少しばかり意味深な意味を込めて悪戯っぽく笑うが、うつぶせにさせているので彼女にはきっと見られてはいないだろう。
腰を上げてもらうとお尻を突き出すような格好になるのを楽しそうに眺めながら指先を動かしていく。
その指先の動きは際どい部分から段々と中心部へと向かっており。
「おやおや、とても苦しそうだね。
これは溜まった老廃物を外と内からの両方の刺激で排出させてあげないといけないね。」
そう言ってアロマオイルをたっぷりと彼女のお尻に垂らし、すでにオイルに汚れたショーツを更にぐちょぐちょに濡らしていく。
そして外側から回した手で彼女の女性器を片手の指で弄り始め、もう片方の手の指は指先で男性器の先端を包み込むようにして扱き始める。
豊かな胸は彼女のお尻の上へと置くことになり、ヒップラインを柔らかな感触がなぞりはじめ。
■サーリット > 「あぁ…はぁ…。そう、なんです、かぁ……?」
勿論女性の表情など見えておらず。
徐々に大事な部分に近づく指先をやっと不思議に思い始めるだけだ。
しかし、すっかりと火照らされた肉体は、それを待ち望むように蜜を溢れさせていく。
「んんっ……そ、れぇ……あぁ……。」
くちゅ、くちゅ、といやらしい水音が響く。
自分のモノが出している音だとは思えないほど卑猥な音。
女性器の愛液と、男性器の先走りが出すぬめった音。
その2か所を解すような指先の動きが始まれば、頭の中で快感が渦巻き、溺れそうになる。
豊満な乳房が撫でる臀部すらも心地よく、すっかり解された肉体は抵抗する事もできない。
熱っぽい吐息と共に、短い喘ぎが漏れ始めていく…。
■ファニー > 「さっきまでのマッサージで集めた老廃物をここで出すために必要なことだからね~。
だから恥ずかしくないから大丈夫だよ?」
女性器を弄っていた指先をそのままその中へと埋め、中から刺激するように指でかき混ぜたり抜き差ししたりして刺激を与えていく。
男性器を弄るオイルや彼女の分泌物でヌルヌルになった指先は亀頭をキュッと締め付けたり、男性器全体をこすりあげるようにしてたのしんでおり、乳房は乳房で時折硬くなった乳首が彼女のお尻を擦るようにして柔らかな刺激の合間にまた異なった刺激をあたえていて。
「ふふっ、このしなやかな身体のライン……本当に美味しそう。
ちゅっ…れるれる……ちゅっちゅっ」
後ろから覆い被さるようにして彼女を弄っていると、己が顔の前にあるのは彼女の背筋。
とっても魅力的に見えたそれに口づけを落とし、舌を這わせたりキスをしたりと楽しんでいた。
■サーリット > 「んっ…はぁ…あ、ぁん…!!」
びくっ、と腰が揺れる。
解された思考に流し込まれる性感。
抵抗できない肉体はあっさりと陥落の意を示し、すっかりされるがまま。
女性の思うままに感じさせ、楽器のように啼かせる事ができるだろう。
「んぁ、はぁ…ん……。」
膣内は入り込んでくる指先をにゅくにゅくとしゃぶるように締め付け、
男性器は擦られるたびに跳ね、さらに硬さを増していく。
背中や乳房に感触が走れば、ぞくぞくとした快感によってさらに表情を蕩けさせていく。
蕩けた身体と思考が性感に染め上げられ、瞬く間に溺れていく。
快楽に酔いしれ、すっかり女性の玩具といった風情。
■ファニー > 打てば響くというのはこういう事なのだろうかと、弄ればそれに良い反応を見せる彼女の身体。
この素晴らしい楽器を前にして自重しろというのは酷な話である。
なので、自重しない女は女性器に入り込む指先の数を増やしたり、膣内での動きと彼女の反応見て彼女が弱そうな部分を探り出してはそこを重点的に責めるようにする。
「ほら、溜まった物を出したいんだろう?
いっぱいどぴゅどぴゅ出して良いよ。」
手の中で跳ねる男性器の反応へと気をよくすると、射精を促すように扱くスピードを速めていく。
そして背中に這わせた舌先も背中だけではなく彼女の脇腹や胸元へも口づけを落としていって。
■サーリット > 「あぁ、はぁ…っ…ん、あぁぁ…っ…!」
うっとり蕩けた表情のまま、半開きの口から涎が零れる。
性感に酔いしれたまま、指先が膣内を探りその度に頭の中が蕩けていく。
徐々に徐々に昇り詰め脳内を白く染め上げられ…。
「はぁ…あぁ…、ん、あっ、あぁぁっ…!!」
トドメをさすように加速する手淫。
そして時折走る身体への濡れた感触。
男性器が限界を伝えるように先端を膨らませると、
膣内から伝わる快感に頭の中を真っ白にされ……。
どぷり、と濃厚な精液を吐き出してしまう。
どく、どく、と何度も何度も男性器が脈打ち、濃い粘液を放出し、
その度にスパークする快感が頭の中で弾ければ、最後に女性器からもぷしゅっと潮を噴き出して…。
それが終わる頃合いに、ぐったりとベッドに脱力してしまう。
…そして、まな板の上の鯉となったサーリットは再び女性に弄ばれるのか。
長い夜はまだまだ続きそうで…。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 怪しげなバー」からファニーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 怪しげなバー」からサーリットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にフラニエータさんが現れました。
■フラニエータ > 煌びやかな装飾を掲げた大きな建物。お金を沢山持った人物ご用達、そんな雰囲気を持った酒場が目の前にある、噴水広場。
女はその酒場から出入りする人を観察しながら、紙袋に入った干し棗を齧る。
先日たまたま買った干し棗が気に入ったのか、今日も同じ露天で同じ物を買っていた。
「…はぁ…あいつも駄目…あの人も…駄目ね…」
原則同じ人物から盗まない。女の目に入るお金を持った人々、所謂この酒場の常連は大抵、変装した女があの手この手でお財布代わりにした連中だ。
新たな標的を探そうと目を凝らすが、金持ちはそうそう増えるものでもない。
ベンチに座って足を組み、その上に肘を乗せて頬杖をしながら、退屈そうな、半分寝ている様な目で酒場の入り口を見続けていた。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 「と、っとと……」
富裕地区の建物の屋根の上に、突然男が現れる。
空間転移呪文による瞬間移動で、現れた男は、ぐぅ、と鳴る腹を押さえつつ、通りを見下ろす。
今日の晩飯はどうしようか、なんて考えていれば。噴水広場にて、賑わう酒場を発見する。
「……あ。あの店まだ入ったことなかったな」
割と有名なお店であることを思い出し、男は晩飯の場をその店に決めた。
そうして、男は身体強化の呪文を唱えると、軽やかに屋根から飛び降り、広場へと音も無く着地する、のだが。
「……お?」
しゅた、と降り立ち、周りを見れば。やはり多少奇異の視線を向けられてしまう。
ま、気にすることも無いか、と視線をぐるり、と動かしていれば。
一人の女性が視界に納まる。
「……あれ。あれって……」
その人物の姿を認めた男は、とことこと相手に近づき、しゅた、と手を上げて声をかけてみる。
「やっぱりか。よぉフラニエータ。お前、こんな所で何してんの?」
相手は、いわゆる同業者の女性であった。と、言っても。
男の本職たる冒険者の同業ではない。もう一方、盗賊家業の同業者だ。
男は相手を知ってはいたが、声をかけるのは初めてだった。
盗賊ギルド内でも有名な、やり手のシーフ。相手が自分を知っているかどうかは、わからないが。
男は少し尋ねたいこともあり、相手に接触してみたが。どうなることやら。
■フラニエータ > 干し棗をもうひとつ、と紙袋に手を突っ込む。そしてそれを摘み出すと、少し嬉しそうに頬張った。
…とその時、己の名が聞こえる。
色々な人物へ色々な誘惑をかけてきている女は、その正体を悟られない様にする為か一般人に名を告げていない。
名を知っているという事は、即ちそれ同業者の訳で。
そしてその声の主に目を向けると、女は微笑み、手招きをして座っているベンチに来るよう促した。
彼が歩みを寄せれば女は口を開くだろう。
「…往来で名前、呼ばないで欲しいのだけれど…?」
向けられているのは笑顔。口調は優しいもの。青筋さえ立てていなければまるで聖母の微笑み。
■セイン=ディバン > なんだか知らないけど、何かをもっしょもっしょ食べてる相手。
近づいて声かければ、にっこりと微笑まれて、ベンチへと招かれて。
うん? なんで返事をしないのかな? なんて気にしつつも、相手の誘いに乗ってベンチに座ろうとした所で。
すっごく 怖い 声が 。
「……いや、すまん。お前さん俺らの中じゃ有名人だから。
つい名前呼んじまった。許せ」
表情こそ、美しい顔立ちに似合う涼やかな笑顔。しかし、よくよく見ればこめかみには青筋。
口調はまるで冥府から這い上がる某の声のようで。
男は思わず、素直に謝罪し、頭を下げ。そこで、相手から人一人分のスペースを空けて、ベンチへと腰掛けた。
「で、なんで酒場見てぼーっとしてんのお前。
メシ食いたいなら入ればいいじゃん。
金無いなら奢るぞ?」
相手に凄まれたものの、男は平然と声をかけなおす。改めてみれば、うん。なるほど。
実力もさることながら、美貌も名を売るのに一役買っているのだろうな、と素直に思う美人っぷりであった。
■フラニエータ > 女は相手を知らなかった。が、多分同業者であること、そしてこの…なんというか…物怖じしない独特な雰囲気?
疑問符がついているのは推して知るべし。恐らくあの男なのだろう、と安易に目星を付けられる。
まあ、同業者はその存在を隠すためにいくつかの顔を持つ人物が多いので、
彼のこの態度ももしかするとその内の一つかもしれないのだが。
「ご飯が食べたいのならこんな所でこんな物を食べてないわ…お仕事しようかな、って思ってただけ…
――貴方は?」
仕方ないと、大きく息を吐く。こういう風に許せるのもまた、彼の人徳なのだろう。
干し棗の入った紙袋を彼に突き出すと、どうぞ、とそれを一度揺らしてみせる。
■セイン=ディバン > せいぜい、相手のことはちょっと見かけたことがあったりするくらい。
最近この国で活動している盗賊たちの中では、この相手はかなり名を上げてきている相手だ。
いろいろと噂は聞いているし、盗賊の間では様々な通り名、二つ名までつけられている。
「は、そういうことね。……。ふ、む。
うん? あぁ、ちょっと九頭龍の水浴び場で休暇中だったんだけど。
腹減ったからメシだけ外で食おうかと思って。お、センキュ」
ため息吐く相手に、すまんって、と手を合わせるジェスチャー。そうして、男は差し出された干し棗を一つ取り、ひょい、と口に入れる。
そこで何かを思案する様子を見せるが、急に表情を真剣なものに変える。
「……なぁ。ちょっと聞きたいことがあるんだが。
そこの酒場でメシでも食いながら話さないか?
情報料はしっかり払う。今はお前さんしか頼る相手がいないんだ。
……頼めないか?」
それまでの飄々とした態度はどこへやら。微かに、追い詰められているような表情で。男は相手に頼み込む。
■フラニエータ > 女の中での彼の評価はこうだ。
腕は一流。独特な武器を使う彼は憎らしいほどに標的への嗅覚が良い。
目ぼしいお宝を知った時は既にそれが彼の手に、なんてことがザラにある。
なので女は少々毒を吐く。
「休暇中?そのまま休職してくれればライバルが減って嬉しいのだけれど…?」
紙袋の中から干し棗が一つ減れば、残りは一つ。女は其れを摘み、食めば、紙袋をくしゃりと潰して懐へ収める。
そして続けられる彼の言葉に、更に毒を塗りつける女。
「…初めて会った同じ仕事の人、その相手が心底困っていて…助けを求めてくる。
そして食事をしながら詳細を話そうと提案される…
そんなシチュエーション、貴方が受け側ならどう思うかしら?」
そう言いながらも女は顎に指先を当て思案していた。
その表情を見れば本気で困っている様にも見える。時間も腐るほどある。
この優秀な男になら、恩を売っても良いかと女は二つ返事で了承する。
「…高いわよ?」
その言葉を吐くと、女はベンチから立ち上がり彼が立ち上がるの待っていた。
■セイン=ディバン > 組んだことはないし、直接的に目標に対して競合したことも……なかったはずだ。
とはいえ、男が狙った獲物を相手が手に入れたことはあったとは思うし、逆もしかりなのだろう。ゆえに……。
「勘弁してくれよ。本業は冒険者でも、盗賊業もわりかし実入りいいんでな。
ライバル、っても。お前さんとオレとじゃそもそもの稼ぎ方が違うだろ」
男は、あくまでも本業が冒険者。宝物の鑑定や、罠の解除のために、盗賊スキルを身に着けたに過ぎない。
対して、相手は気持ち良いほどにクラシカルな盗賊だと聞き及んでいる。
目の前で干し棗を食しながら、男に敵意にも似た毒を注ぐ相手に、男は苦笑する。
「おう? ……ん~。そうだな。
まず罠を警戒する。同業者潰しをな。
次いで……オレが女だったら、体目的なんじゃないか、と警戒する、かな?」
くつくつと笑いながら言う男。まるで他人事のような口ぶりだが。
少なくともこの相手に嘘やおべっかなど言っても効果はあるまい。なれば、と。男は正直に口にしたのだが。
「……そうだな。メシはオレが全額奢り。
情報の有益無益に関わらず、情報料として10000ゴルド。
プラス、今後カモに出来そうな金持ちの情報は優先してお前さんに回す。これでどうだ?」
相手が立ち上がりながら言うのを聞き、男は条件を提示する。
同じように立ち上がりまっすぐに相手を見つめ。もしも相手がこの条件に乗るのならば、さっそく、酒場へと向かうだろう。
■フラニエータ > 彼の返答に肩を竦める女。わかってるじゃない、と言葉を返すとそのまま酒場へと足を運び始める。
女は流石にこの格好ではこんな場所のこんな酒場に入れないと思ったのか、髪留めを外して黒髪を下ろし、春風に靡かせた。
そして彼の提示する条件にはこう答える。
「1つめ、2つめはOKよ。…3つ目は…そうね、まだ貴方の事、信用してないの…
…変な情報を貰っても困るだけだから、要らないわ…」
そう言いながら、女は彼の腕へと手を伸ばし、半ば強引に腕を組み、彼の腕に体を密着させた。
仲の良い男女を装っているのだろう、彼に向けられる笑顔は恋人に向けるそれの様なものだ。
囁かれている言葉は全く色気の無い言葉なのだが。
■セイン=ディバン > これは冒険者や盗賊に限らない話なのだが。ある程度の実績などを残した者は、少なからず自分の実力に慢心をする。
だが、目の前の相手は、そんな油断の気配をまったく匂わせない。
それどころか……。
「……ハハハハハッ! いや、まいったな。
恐ろしいほどにクレバーだな、お前さんは。
ま、そういうことなら。まずは条件は飲んでもらえたってことだな?」
同じ国で働く同業者。ですから信用します、なんてことにはならないのは盗賊の間では珍しくない。
しかし、条件内の、情報、というものに関してその精度や男の人物像を考え、切り捨てる。
並みの盗賊には出来ぬ、実に冷静な判断。男は内心うなりつつも。
「おぉっ!? ……あー……。
じゃあ、行こうか、ハニー?」
いきなり腕を組まれれば驚くものの。周りの人間に怪しまれないよう、相手の演技、仕草に従い、そんな冗談を口にする。
もちろん、男とて相手からそういった好ましい感情を受け止めていないことは理解しているが。
そうして、男は相手をエスコートするように、酒場へと歩き出す。
■フラニエータ > さて、酒場の扉の前に来れば、その両脇に黒い服を着た男が立っている。
女はその一人一人に微笑を向けた後、彼の顔へと視線を向ける。
「今時ハニーなんて…笑わせるつもり?」
と小声で一言。そして続けて一転、蕩けるような甘い声。
「早く行きましょう?ア・ナ・タ。私、お腹ぺこぺこなの…」
その言葉を脇の二人に聞かせる様に言えば、彼のエスコートに従って、店内へと入っていくだろう。
選ぶ席は勿論、外から見えない場所。女は組んでいる腕を引っ張り、その席へと彼を誘導する。
彼が己の座る椅子を引いてくれるのを待ちながら、
女はじっと、彼を見つめていた。さあ、目の前のダーリンは一体何を話し始めるのか…。
■セイン=ディバン > 目的の店、一見の男としては。黒服が入り口を固めているという雰囲気に少し緊張もするが。
相手は実に慣れた様子で、男たちへ微笑みかけている。
思わず口笛を吹く男であったが。
「……い、今時? もしかして、オレ順調にオッサン化してる……?」
男としては、そういう関係でもないのにハニーなどと呼ぶ、という冗談のつもりだったのだが。
相手にしてみれば、今時ハニーなどと言うのは古臭いとでも言うかのよう。
小声でつぶやくのもつかの間、男も表情を変え。
「あぁ、そうだな。じゃあ行こうか?」
見事に仲のいい男女という演技を、黒服たちに見せつけ。
ごく自然に入店することに成功する。そのまま、男は慣れた手つきで椅子を引き、相手が席に着くのを促していく。
冒険者兼盗賊にしては、実に堂に入ったエスコートであった。
相手の目の前に座れば、男は、ウェイターが来る前に単刀直入に切り出す。
「人を探してる。大切なパートナーの一人だ。
少し前から、行方不明で、情報も手に入らない。
……『白蛇』のノア。最近会ってないか? あるいは、情報だけでもいいんだが」
男の表情は、苦々しいものだ。憔悴しきっていると言ってもよかった。