2018/02/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にさんが現れました。
> 富裕地区の豪邸立ち並ぶ住宅区画から少し離れた一角。
やや平民地区寄りにあるそこは観光客や王都を訪れた商人が使うためのホテルが存在し、平民地区とはまた違う夜の賑わいを見せている。

眩い光がガヤガヤとした喧騒、時折聞こえる大声……そんな賑やかさを他所に女は1人当てもなく通りを歩いていく。

> きっかけは些細なことであった。
店を閉める前、何気なく行った占術。
それが示したものは吉兆とも凶兆ともとれない、至極曖昧なものであった。

所詮占い、本来なら無視してもいいはずのものであったがそれが妙に心に引っ掛かり続け、その曖昧なものの正体を求め気付けばこんなところまで足を運んでいて。

> 「どうせ気のせいだってのは、重々分かってるんだけどねぇ…」

煙漂う煙管を片手に苦笑いをしながら小さく呟く。

今までもこういった予感を得てふらりと足を向けて見ることは少なからずある。
そしてその殆どが一時的な気の乱れ等大した問題ではなかったということも女は記憶していた。

それでも、心の何処かにあるイレギュラーの発生、異常事態への期待感が足を止めることを許さず。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にマヌエラさんが現れました。
マヌエラ > 「おねえちゃん」

ざわめきの中で妙によく響き、燐の耳元に届いた声。
それはこの場にも時間にも相応しからぬ、童女の高さと拙さを備えていたがゆえか。

「ねえ、おねえちゃん」

燐の前方に、声通りの幼子が立っている……金髪のボリュームが大き過ぎる以外は、ごく普通の幼子にも見える。

「どうしたの? つまんなさそうなお顔をしているわ?」

小首をかしげて、幼女は女を見上げた。

> よく通る声が耳元に響きぴくり、と身体が反応する。

声の元を探して視線を巡らせると女のほんの数メートル前、幼い子供の姿が目に入った。

「……すまないね、ちょっと考え事をしてたさね」

なるべく柔らかい表情を作って答えようとするも、表情が引きつりぎこちない笑顔になる。
小奇麗な冬の装いに異様なまでに長い金髪。
一ホテルから抜け出してきたどこぞの貴族の娘に見えなくもない。
しかしその姿の奥に潜む異質さ、異様さが、女の身を強ばらせていくのを感じ。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にグライドさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からグライドさんが去りました。
マヌエラ > 「かんがえごと…」

思案するように視線を彷徨わせたあと、にっこり、と無邪気に笑んだ。

「あやまることなんて、ないわ! むつかしいことを考えていたのかしら? だったら、楽しいことしましょ! そうよ、それがいいわ!」

世間知らずな貴族の娘――確かにそうも思える言葉を、手袋に包まれた掌を合わせて幸せそうに口にする。

「ねえ――あそびましょ!」

幼子が、友達になったばかりの同年代の子に声をかけるような明るさでそう言うや

周囲の景色が淀む。

幼女と女だけを包む水の膜でも張ったように、その外の景色はぼやけた。魔力の発露……結界の創造。しかし、その外側の人々は、誰ひとりそれに気付いていないようだった。

マヌエラ > ――果たしてその後、いかなる運命が待ち受けていたかは当事者たちのみぞ知る。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からマヌエラさんが去りました。