2018/02/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 菓子屋通り」にツァリエルさんが現れました。
ツァリエル > 昼過ぎ、王城から抜け出すのに以前もらった女子の服装を纏い、化粧をして富裕地区へ。
未だに女の子の格好で外をうろつくのは恥ずかしいが、堂々としていればバレないと言われた通り
一応気をつけて歩いていれば不思議と誰も男とは気づかない。

それはともかく、今日はいつもお世話になっている人に何かプレゼントを贈ろうと買いに来たのだった。
化粧品やドレスなどは個人の趣味もあるし、贈り物などあまりしたことがないから
重くなりすぎないものを、と考えて菓子職人の店が軒を連ねるこの通りに繰り出した。

どの店も女性子供が楽しそうに並んだりウィンドウショッピングしていたりする。
さて、どのお店にしようか……。そう言えば買い物の経験は少ないのだった。
それに菓子は王城でパティシエが作ってくれるからあまり城下で人気のものを知らない。
さて、最初から困ったことになってしまった。
ウロウロと行列がすごく長い店などを見てみるも、人の勢いに押されてしまう。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 菓子屋通り」にフォーコさんが現れました。
フォーコ > 「おっと…。」

勤務中の団員に差し入れをするべく大量に菓子を買い込み、詰め込んだ大き目の紙袋を両手に抱えて歩いていると少女と身体が触れる。
どうやら人ごみに押し出されてしまったようだ。

「すまない、悪気は無かったんだ。
君、大丈夫か?」

私はブロンドの髪の綺麗な少女に声をかける。
少女が転倒しているならば手も差し伸べよう。

そして、私が手にしている袋の中は色んな店で少しずつ買ってきた菓子でいっぱいだ。
その中には少女のお気に召すような物もあるかもしれない。

ツァリエル > とん、と肩が押されて思わずバランスを崩し尻餅をついてしまう。
とはいえそれほど衝撃が大きくなかったため、ぺたんとお尻が地面にくっついた程度だ。
ひらりとめくれ上がるスカートを慌てて押さえ、

「あっ……ごめんなさい……ぼく……わ、私、ぼーっとしてて」

見ればスーツに身を包んだ女の人が手を差し伸べてくれている。
そのご厚意に甘えて手を掴み、立ち上がると、彼女の持っている紙袋の中身をそれとなく見てしまう。
この一帯で買ったものだろう、飴から焼き菓子まで様々な菓子が一緒くたに入っていた。
その中でも、飴細工で出来た花束、それが一際目を引いた。
これだ、贈り物にも華やかでちょうどいいかもしれない。

「あの、すみません!これ、どこで買いましたか?」

飴細工の花束を指差して気遣う女性に尋ねてみる。

フォーコ > 「私の方こそ、目当ての品が変えて思わず不注意だった。
申し訳ない。」

小柄な少女の手を掴み、引き上げる。

彼女も目的は私と似たようなもののようだ。
手にしている袋に視線が動いていた。
どうやらその中でも飴細工の花束が気になっている模様。

「うむ、これなのだが。 既に売り切れた後でな。
私も随分並んでようやく手にした所だ。」

目の付け所が良い彼女だが、少し出遅れたようだ。
この菓子は贈答用としても自分で味わうにしても人気の品で早くから並ばないとあっという間に完売になってしまうのだ。

ツァリエル > 飴細工の花束は既に売り切れてしまったところだと聞けば残念そうに目を伏せた。
来るのが遅かったのだし、何が人気かを知らないで来てしまったのだから仕方ないのだが……。

「そうですか……、売り切れて……」

しょんぼりと肩を落とすけれども、気持ちを切り替えるように頭を振って
女性にさらに尋ねてみる。

「あ、あの……、わ、私、人にお菓子を贈りたいんですけれども
 このあたりで日持ちがして、それなりに人気の美味しいお菓子ってどういうのがあるかご存知ですか?」

これだけ沢山の菓子を買っている女性ならもしかしたら菓子に詳しいかもしれない。
そう思って尋ねてみるが、さてどうだろうか。

フォーコ > 痛々しい位に表情が変化し、肩を落とす少女。
今店を回っても目ぼしい物は既に狩りつくされた後だ。
このまま手ぶらで返してしまうのも可哀そうだし、
とはいえ私もせっかく並んだのだ。 何もなしにあげるのもちょっと…だし。

「生憎だが、この辺りで君の言う条件を満たしたものは売り切れたと思うぞ。
とはいえ、そうだな…。 
私の所に着てくれるのならこの花束を君にあげようじゃないか。」

口にした後、改めて自分の言っていることがヤバイ発言だと実感した。
彼女の困っている姿を見ているとひとりでに口走ったのだが、
このまま通報されてもおかしくはない。

さて、彼女はうんと言うだろうか。

ツァリエル > 既に殆どのものは売り切れてしまった後だと知れば尚更がっくりと肩を落とす。
やはり開店と同時に並んだりしなければならないのだろうか。
困ったように俯いていると女性から条件を切り出される。

「あなたの所に? ……えっと、着いていくだけでよろしいのですか?
 その、ご迷惑ではないのなら、構いませんが……」

どうして着いていくだけで花束を譲ってもらえるのかはさっぱりわからなかったが
どうやら彼女は助け舟を出してくれたらしいことをツァリエルは理解した。
やや困ったように頷いて、もじもじとスカートの端を握りしめる。
ただ、着いていくだけで済むのならいいのだが……

フォーコ > 「では、行こうか。」

事が進めば、後は割り切って動くだけ。

彼女に手を伸ばし、互いに手を握り合って通りを後にする。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 菓子屋通り」からフォーコさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 菓子屋通り」からツァリエルさんが去りました。