2018/01/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 歓楽街の屋根の上」にマイさんが現れました。
マイ > 高級娼館や妖しげな店舗のひしめく富裕地区にある歓楽街。
客層はどれも上流階級といった立派な召し物を着込んでおり、そこにいる娼婦すら実に上品に振舞っている。
そんな上っ面だけで中身のドロドロしている煌びやかな通りを屋根の上から見下ろしているのは、いかにも怪盗な格好をした少年。
その手には雫のような透明な宝石が美しく輝いていた。

「綺麗だけど、危険だなぁ」

その宝石をじっくり観察しているマイ。
つい先ほどとある実業家の豪邸にお邪魔して、こっそりとこの宝石を頂いてきたところ。
だがこれは宝石などではない、古代のサキュバスが最愛の人を失った悲しみと怒りで零れた涙が結晶化したマジックアイテム。
これを所有している者の精神をじわじわと蝕み、淫魔に堕としてしまうものだった。
そんなものを後生大事に家宝として飾っていたのだから、危ないでしょうと取り上げただけのこと。
「宝石は頂いた」とカードを代わりに置いてきたが、そろそろ気づく頃合いか、憲兵が騒ぎ始めているかもしれない。
個々は歓楽街の屋根の上であり、それほど高さがあるわけでもない。
だが下界が煌びやかだからこそ、誰も屋根の上など気にも留めないし、こんな明るい場所に泥棒が来るはずがないと、並みの兵であれば思うだろう。

「おっと、僕も危ない危ない…」

この宝石にあまり長く触れているのはまずい。
聖水入りの小さな小瓶を取り出せば、その中へ宝石をぽとりと落とし栓をする。
応急的なものであるが、きちんと封印するまでの間なら十分であろう。
下界の様子をしばし見てから、ただの冒険者に戻るとするか。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 歓楽街の屋根の上」にハルクラムさんが現れました。
ハルクラム > 綺麗な月の輝く夜である。夜の情事よく営なわれるこの富裕地区の歓楽街、そこに集まる人間
というものはどれも欲望に狂い、混乱が絶えない。そして、この一人の少女、淫竜である彼女にとっては
おいしい精気の頂けることが多い恰好の”狩り場”ともなっているようだ。

「ふひひぃ…おいしかったぁー…まんぞくまんぞくぅー…」

高級娼館の主をしっぽりと頂いて来たばかりのこの少女、ハルクラム。屋根をぴょんぴょんと跳ねて
棲家への帰路を進んでいた所。見かけは、大きい。あまり動けそうな身体はしていなさそうだが、充分に
魔力を得ている彼女は筋力をそれにて補っていて容易であろう。服装はパジャマだが、少し精液のシミが
できているようにも見える。

やがて光の溢れる屋上を跳んでいると、向こう辺りから騒がしい音が聞こえているのを、耳のいい彼女
は感じていた。

「おぉ…?また事件かなぁ…?んーさっきいた方向じゃないしぃー?なんだろぉ」

と興味惹かれていたが、ふと正面を向けば、一人の少年の様な体格の者。彼女こそ泥棒でもなければ
並みの兵でもない。それどころか人間でもないのだが、ただ気まぐれにそこを通っていた為に彼を
見つけて。

「(んんー…ふひ、ちょっとおいしそうなのー…、かわいいし…ちょっと声かけてみよ…)」

腹がまだ満腹までは頂けなかったハルクラムは、彼に声を掛けて近づこうとするか

マイ > それにしても風俗店の並びを見てしまえば、目に付くのはやはり男受けの良さそうな女たち。
胸の豊かな女もいれば若すぎる女の子もおり、誰も彼もが上品かつ性的に道行く男にアピールをしていたりする。
それを人目を気にせず特等席で眺められるのだから、彼女らのボディラインや胸の谷間を見ているとむらむらとしてきてしまうのは男の性。
ちょっとすっきりしたいところではあった。

「はぁ~、まぁブツを持ち帰らなきゃならないし…」

とても残念そうにため息交じりに呟けば、もそもそと冒険者のルックスへと着替えを始めようかと、まずは目元を隠すオペラマスクを外そうとしたとき。
不意に視線と気配を感じる。
あまりにも唐突だが隠れているような感じもしないその気配のする方へ視線を向ければ、自分と同じように屋根の上に立っている一人の少女。
その見た目はグラマラスなもので、下界で会っていればナンパでもしていたかもしれない。
しかしこんな場所で、しかも部屋着らしき衣服とついでにほんのりと精液臭いニオイ。

「えーと、こんばんは…?」

なんだか彼女の視線は獲物を見ているかのようでもあるが、敵意や悪意といったものは感じられない。
警戒はしつつも余裕を振る舞いながら彼女にこちらから声を掛けてみた。

ハルクラム > その身体故、風俗の機会に出れば簡単に男を誘惑し、公然あろうと秘密裏であろうとまぐわいの場を
を得て、奉仕し、快楽を引き換えに精を食す事ができるハルクラム。所詮、ここらの男は身体さえ
捧げれば簡単にえっちしてくれるちょろいニンゲンであり、彼女にとってお腹は満足でも心は
あまり刺激無いものになっていた。

さては彼に近づいたなり、彼の方から、慎重げに声を掛けられる。

「あらぁ…こんばんはですのー…」

こちらも、やや上品に言葉を返す。その距離大体三メートルといった所、彼の顔はオペラマスクをかけて
おり、どうも常人には見えない。服もとにかく一般人ではない。
素性を破られてはいけない存在なのだろうか、彼は怖じけては無い様子のもののその姿勢は
やや屈んでいるようにみえて。

「んえ…あたいのような女がこんな所にいるのは不思議かなぁ…?うん。普通じゃないよ?
あと、あたいはあまり演技もできない質なの……」

彼が逃げなければ、ハルクラムはどんどんと彼に近づく。体格差からいって、まるで大きな熊が兎に
じりじりと近づいて、束の間、飛びかかり捕食をしてしまうかのような、そんな状況。
だが、ハルクラムは、いきなり襲うなどの事は考えていない。流石にこの低めの屋根の上で、
声を上げられれば下界の者は気づくだろう。彼女も、今は他の人間にバレてはいけない場面であって

「とにかく、隠れるの、なんか騒ぎあったみたいだし、ずっと屋根上なんかいられないよねぇ?」

別段色気というものはなく、素に問いかける。

マイ > 近づいてくる彼女は妙ではあったし、狙いのありそうなそんな目をしているような気がする。
手に入れたサキュバスの雫を狙っているのか、だとすれば同業者か。
いや、彼女の様子を見れば、それとは関係ないただの偶然の出会いか。
ふくよかという表現をしていいのかどうか、それくらいボリュームのある少女が近づいてきても何故だか悪い気がしないのは確か。

「不思議ではあるけど、それはお互い様かな」

確かにパジャマ少女が屋根の上にいるのはおかしいが、それはマイも一緒であると笑ってみせた。
襲い掛かかるつもりならとっくに襲われている。
マイは盗みの腕はあっても、戦闘能力が高いというわけではない。
実力者であればそれくらい見てわかるようなものだろう。
近づかれると食べられそうな気がしないでもないが、それも悪くないなんてどこかで思うのは彼女を可愛らしいと思っているからか。

「隠れる必要があるのもお互い一緒ってわけか…
じゃあ、行こうか」

彼女の言う騒ぎというのは自分の起こした盗みのことだろう。
だとすればここへ憲兵が探しにくるのも時間の問題、彼女の言うとおり安全な場所へ移動するべきだ。
そう決めたのであれば、彼女に手を差し伸べてくる。
会ったばかりだけれど魅力的な彼女とお別れもなんか寂しいので、一緒に来ないかという意味を込めて。

ハルクラム > 彼は、その小さな成りでとても冷静に、言葉と表情を返した。余裕?いや、自分の事を充分に看破した
上での態度だろうか。しかし人の優しさにつけ込むこともハルクラムの誘惑の流儀。

「そうだねぇ…お互い様なの…、君もね…こんな娼館ばかりの危ない歓楽街に来るような体格じゃない
でしょぉ…?あたいは大丈夫かもだけどぉ…」

襲おうと思えば簡単だ。攫う、それが目的なら片手で彼の脇を掴み、翼で以って空を飛翔する。常人、
しかも彼位の子供はは逃げる術もない。殺す、ならばここで炎を吐いてしまえば終わりだ。だが、そもそも
彼女はそのような事をしない。弱者を虐げることは本当に嫌う彼女だ。だから、そんな弱者の人には、
弱者自身が自分に何か働きかけるように、自分を襲う事を誘われるようにしてやるのが筋通る行動。

「うふふ…よろしくねぇ、一緒にー…」

どこに行くかは分かっていない、とにかく安全な所だろう。ハルクラムも具体的には決めていない、彼に
決めさせる予定でいる。彼の事はまだ出会ったばっかりの冷静で、”おいしそうな“子供としか
思っていないものの、下界の野郎よりかは楽しめそうだと。好奇心溢れているような笑顔でその手を
掴み、彼に連れられるだろう。