2018/01/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にシエルさんが現れました。
シエル > 新年を祝う煌びやかな夜会。
さすがに王城やそれに準ずる貴族達が祝うものよりは格が落ちるだろう。
しかし、会場内では今回ばかりはと金に糸目をつけないような衣服、装飾で飾った貴族や商人がざわめき、
豪勢な食事や酒がふるまわれていた。

そして会場の中ではぁと小さくため息をつく少年。
ちょっと疲れたな、と手に持ったグラスからノンアルコールの果実水を一口。
先ほどまで父と挨拶回りに連れまわされていたのだ。
しかしそれもひと段落。好きに回って適当な時間に帰りなさいとお達しをいただいた。
父はまだ回る所…人?がいるようだ。大人って大変だなぁと少しだけ考えた。

周囲を見回せば貴族や商人がわいわいと談笑している。
取引の話や、出来事の話。ちょっと危ない根回しの話も。
聞かれてどうという事のない内容なのだろうけれど。
もうちょっと場所を選べばいいのにな、と少年はこそこそ場所を移動していく。
君子危うきに近寄らず、というわけでもないが入れたくもない話題からは逃げるが吉。

そうして一人会場の隅の方で暇そうに料理と飲み物を口にするようになっていく。
この後どうしようかな、というよりは何時くらいまで滞在しようかな、と考えながら…。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリーノさんが現れました。
リーノ > 煌びやかな夜会の一角に静かに佇む女が一人。
祝賀だというのに漆黒のドレスを纏い、柔和な表情を浮かべてはいるが、どこか影を差すような憂いを表情に乗せている。

その様子を伺いながら、
『ファーレーン公爵夫人は、まだ喪に服されているようだ』
『祝賀の会ですのよ、もう少し弁えて頂きたいわ』
そう人々の口の端に乗ることももう慣れているし、特に何の感慨もなく、ただただ粛々と挨拶をこなし、「夫に先立たれて悲しむ貞淑な妻」を演じているだけ。

そろそろ帰りたい、とまるで子どもみたいなことを考えて、飲み終えた葡萄酒のグラスを返したとき、
ホールの端で退屈そうに佇む少年の姿が目に付いた。
ゆっくりとそちらへと歩み寄り、少年がこちらが近づく気配に気づけば穏やかな笑みを浮かべるのは、
常日頃、貧民地区で子供たちに接しているためか、実に自然なものであろう。

「こんばんは。退屈ですね、こういう場所は」

鈴の音のような柔らかく耳触りの良い声が、喧騒が包むホールの中で小さくも、少年に届く声量で発せられ。

シエル > ふとひそひそとした囁き声が聞こえてくる。
また何かあったのかなぁ、と視線をあげると真っ黒なドレスに身を包んだ女性がこちらにやってきていた。
こちらが気づいたのを見て女性が柔らかく微笑む。
少しドギマギとしてしまい、もぐもぐとしていたサラダをんぐっと飲み込んでしまう。

「あ、そ、そうですね。僕にはまだちょっと早い感じですし。」

話しかけられれば、こんばんは、と言いながら言葉を返した。
容姿も美しいけれど、声も美しい。
相手が美人であればやはり緊張してしまうのは少年らしいというか。
しかし、何故自分に話しかけてきたんだろう?とちょっと不思議そうな様子で女性を見返す。

リーノ > 貴族や商人たちの腹の探り合いを聞いているのも飽きてきたし、
所詮表面上の「挨拶」周りに辟易していたところで見つけた少年。
確かに、こういう場所には多少不釣り合いな様子がないわけではなかったが、

「そんなことありませんわ。こういうところに顔を出しておくのも、遅かれ早かれ必要ですもの。
…でも、退屈そうでしたから、つい声をかけてしまいました。
わたくしも…退屈なんですもの」

にこやかな表情を崩さずに、それなりに世を知る大人としての助言めいたことを告げた後、
声の音を落とし、まるで囁くように告げた言葉は秘め事のような響き。
退屈だという大人としては宜しくない台詞を口にしたときは、少しばかり悪戯っぽく笑ってみせたが。

「よろしければ、退屈しのぎにここを抜け出しません?」

その悪戯っぽい表情と秘め事を囁く声色はそのままに少年へと問う。

シエル > なんだか優しそうな雰囲気だなぁ、と感じながら女性の言葉を聞いている。
しかし、そっと囁かれる言葉の中に艶やかさを感じてしまい、
ちょっと赤くなってしまう少年であった。

「そ、そうなんですね。
…大人の人でも退屈な人もいるんですねぇ。」

同じように感じている人もいるのだ、と思ってどこか少年は安心した様子。
けれど、一緒に抜け出さないか、と言われれば?と首を傾げた。
お茶でも飲むのかな?と手元の皿を空にしてしまう。

「いいですよ。よかったらお話とか聞かせてくれれば…。」

そんな風に言って、無警戒に女性を受け入れてしまい…。

リーノ > 「退屈しのぎ」になりそうな予感に、ふふっと微笑む姿は妖艶なものであろう。
そして連れだってホールを後にしていく………。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からリーノさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からシエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリンさんが現れました。
リン > 「は――、よっぱらっちったい」

夜の裏通り。
正月のマグメールは、どこもかしこも祭りだ。富裕地区だって例外ではない。
リンにも楽器弾きとしての仕事が巡ってきたのだが、
それもそこそこに酒を飲んだり食ったり前後不覚になっているうちに
帰るタイミングが遅れてしまった。

「こっちの道で合ってるんだったかな……」

春はまだ遠そうな冷たい風に外套の襟を寄せ、
バイオリンケースを背負ってゆらゆらと歩く。