2017/12/21 のログ
■フェゴール > 『まぁ教えないよね。ヘタにお礼参りとかする悪い子はお礼参りのお礼参りするんだけど……駄目だよ?私も、セイン君と関わった女の子も男の子も全部お礼参りしようか?……一人くらいは生き残れると良いね?』
(ハーフジャイアントという者がそもそも少ないのだけれど。一応は内緒。お礼参りとかさせませんと。むしろ、お前が言うなと。)
『バケモノ云々以前だよね。僕のような概念の存在が、自身の概念が希薄な今の君に、どういう感情を抱いてしまうかわからないかな?
ま、別れるのが嫌なら、少し距離を置こうよ。
今の君は「つまらない」
……と、言う訳で。明日の朝にはこの家出るから…ということで。』
(そこで水をグイッと飲み干して。カップを返す)
■セイン=ディバン > 「わ~怖い。すんませんっしたー。
……いや、まさか本当にお礼参りとか考えてないよね?」
鋭い切り口の反論に、内心冷や汗ダラダラながら、平常心平常心、と自分に言い聞かせ。
あくまでも軽薄に謝る男。久々に妻の凄みを垣間見た気分である。
「……なるほど、ね。ん~。さすがに。それはちょっと想像できないなぁ。
一応俺、まだ自分は人間のつもりだし?
……ふむなるほど。そういう結論に至ったか。
うん。わかった。断固としてお断りいたします」
相手の言葉に、うむむ、と顔をしかめる男。どこまでいっても小物な人間。
魔王という存在、その視座からの感情、見える風景など想像できるはずもない。
そして、相手が言葉を切れば、カップを受け取り、それをトレイに置いて。
またもやこの男は自分勝手なことを言い始めた。
「っつーか。ここまで関わっておいて逃がすとかありえねーっつー。
俺から離れたいなら、俺を嫌いって言ってもらわなきゃ認めない。
それか、俺を殺して打ち捨てたらいいじゃん」
……おそらくは。相手がそれを出来ないと知った上で男はそんなことを言う。
そのまま相手の身体を抱きしめようと、両腕を伸ばす。
まさしく男の本領発揮。自己中心的利己主義人否人行動全開であった。
■フェゴール > 『―――嫌い――――――できれば消えて。』
(と、見せかけて。別に本音という訳ではないが。割とあっさりと言ってのけて、挙句に追撃も加えた。
抱きしめられる様子に、むぅっと眉を潜めて頬を膨らませる。)
■セイン=ディバン > 「え、本当に言う? ここはさ、普通に考えてさ。
『嫌いなんて言える訳ないじゃん。ばっくん、ゴメンね許して愛してる』……。
とかなんとか。そういう展開がセオリーじゃね?」
まさか本当に言われるとは思っていなかったのか。だいぶショックなご様子の男。
いつも以上に軽口を叩いているのはそれを誤魔化すためで。
……抱きしめた感触にこそ安堵しても。心に雲がかかるのがわかる。
「……ん……。俺は、フェゴちーが好きよ? 愛してる。
でも……今の俺が、キミにとって愛情の対象にならないなら、距離を置くのは、まぁ。納得できないけど、受け入れるけど。
……そうなると、俺マジで悲しくて泣いちゃいそう」
さすがに嫌いと言われたのは堪えたか。幾許か冷静になり、相手に言葉を投げかける男。
抱きしめる形のまま、相手に頬ずりする力もちょっと弱々しい。
■フェゴール > 『ん~……けどね、今の自我がグチャグチャな君は観ていて良い気分ではないんだよ……というか軽くドン引き……』
(頬ずりはそのままにさせているけれど。要は、その中身がグチャグチャ過ぎるのも、無理に男に戻っている今の状態も。少なくとも自分が関わっていることでもあるので)
『少し、人間関係をほぐすのをお薦めするよ……治療みたいなもんだ。』
(と、喋っている辺りで片手に羊皮紙を転送させ、見せる。どうも地図のようだ)
『それでね、この家出てここに引っ越すんだけど。ごはんはここで食べるから、今まで通り決まった時間に食卓においといて』
(羊皮紙の、地図が示す。印の場所。ここから歩いて15分くらい。直線距離にして2kmくらいだ。近所)
■セイン=ディバン > 「ど、ドン引きとまで……?」
魔王に気遣いはムリ、と言ってこそいたけれども。
こうして物分りの悪い男に的確に現実を突きつけている辺り、十二分に気遣いはできていたりする。
「う~……フェゴールがそう言うなら、そうするよ。
……はぁ、でも寂しい……って、ん?」
治療、と言われてしまえば。男としても受け入れざるを得ないわけで。
しかして、地図を渡されれば男はそれを見て小首をかしげる。
「……あの。愛しい愛しい魔王様?
これ、めちゃくちゃ近所ですよね?
てか、食事はウチで食べるんですか?」
突っ込みたかった。すっごく突っ込みたかった。男の心はそりゃあもう叫んでいた。
『距離取るって割りに、結構微妙な取り方だね!?
物理的にも行為的にも!!
っていうか、これ他人が見たら、距離取ってない! って言われない!?』
……無論飲み込んで、地図ごと懐へと締まっておいた。
この魔王様のやることだ。計算か天然か、判断に難しいからで。
■フェゴール > 『――――自炊しろと?――――』
(笑顔なのだけど一瞬、本気の殺気が放たれ、周囲の温度が5度ほど下がった)
『うん、でも。エッチしたあとすぐ寝れるって大事だよね。それに、やっぱり私も個人の時間は欲しいし?プライベートを大事にしたいっていうか。』
(理由が酷い。男連れ込むから別居したいと言っている。
今までのうんちくはどこへ行ったのか。どっちが本音なのか、それはどっちも本音だ。)
■セイン=ディバン > 「……前から言おうと思ってた。自炊しろ。
というよりも。キミの持つ知識量なら、炊事ゴーレム作れるだろ」
言ってはならない一言というものはある。だが、男はついにその一言を口にした。
何故。キミはそういうゴーレムを作らないのだ、と。
「……いや、そういう意図での質問ではないのですけれども。
……はぁ……まぁいいや。……ん?
え、ってことはオレ、フェゴールとしばらくエッチおあずけ!?」
別段、自分も浮気行為を容認されているのだ。相手のそういった行為を本気で咎めようとも思わない。
でも。そこで男は気づいた。妻との行為。エッチ。愛の確認作業。セックス。
それをお預けはさすがにイヤだー、と。更に抱きついて頬ずりすりすりすりすり。
なっさけない姿である。
■フェゴール > 『――――もう離婚する――――』
(怒るかと思ったら。壁が顕現し、2人の距離を段々広げていく。)
『お預けじゃないつもりだったけど、もう二度とエッチしない……』
(むーっと怒った様子で体育座りになって。障壁を半径2m位まで拡大しつつ最初に読みかけだった本。続きが気になるのだとページを開いて。拗ねた)
■セイン=ディバン > 「そこまでか!? そこまでのことか!?
……ってか。魔族の国とか、この国のどっかにあるんじゃないのか?
既製品の炊事洗濯ゴーレムとか……」
自炊をするのがそんなにイヤか、と。逆に驚く男。
いや、男とてやりたいことではないが。何も離婚までを視野に入れるほどのことでもなかろうに。
「あー、あーあー! ちょい、チョイ待ちなさい!
わかったわかった! 自炊に関してはしなくてもいいから!
まったく……魔王なのに子供みてーな拗ね方すんだから……」
このまま放って置いたら終いには泣き出すんじゃないだろうか。
そんな感じの体育座りだったので、前言を撤回する男。
当然、エッチできないのは困る、という思惑もあるが。
しかして男は相手の方を見てニヤニヤと笑っている。
なんだかんだ、仕草とかが可愛いので。
■フェゴール > 『美味しくないごはん食べるくらいなら何も食べない。』
(お忘れか。基本的に栄養摂取は魔力供給で何とでもできる。それが今、とても健啖家になっているのは。美味しいごはんなら食べることで栄養補給にしてもいいと思っているからで。)
『きらいきらいきらいきらいきらいきらいきらいきらいきらい…………』
(呪詛のように呟きながら本に顔を隠してしまった。実際呪詛みたいになって辺りに禍々しい気配が満ち始めていて。)
■セイン=ディバン > 「……はぁ。そうだった。ベルフェはグルメ……というか。
お義姉さんか、そのお義姉さんに料理教わったオレレベルの料理じゃないと満足しないんだった」
すっかり忘れていたが。この妻はグルメ、しかもかなり厳しい類のグルメであった。
男とて、妻の姉貴分のベルゼブル様から料理を教わっていなかったら、きっと『マズイ』の一言で手料理を切り捨てられていたことだろう。
「あーもう! わかった、判りました!! オレが悪かったですよ!
今度好きなメニュー作るから機嫌直してくれよ!!」
いよいよ拗ねまくりの子供モードに入ってしまった妻だが。
嫌いと連呼されるのも、恨みが呪いとなって空間に満ちるのも。
どちらもゴメンな男としては、謝るほか無く。
「まったく……本当に、どっちが上でどっちが下なんだか」
小声で呟く男。この魔王様は、見た目と裏腹に凄く大人びてたり、含蓄のあることを言ったりするのに。
時折本当に子供。しかもお子ちゃまと言っていいような行動を起こすことがある。
おそらくは人間などでは理解できない思考・行動パターンの賜物なのだろうけど。
■フェゴール > 『――――――――』
(何やら数字の混ざった呪文の詠唱が始まった。拗ねている傍の空間が歪んで、禍々しい。山羊の髑髏の頭部を持つ、黒いローブのザッツ悪魔なゴーレムが這い出てくる。魔力反応。ちょっとヤバイレベル。どうも即興で、作成していたらしい。久々に、ダンジョンの一部を起動していた。)
『シュラハトプラッテ……』
(ゴーレムは戻って行った。本の端から、顔を半分覗かせて呟く)
■セイン=ディバン > 「だー!! すぐ魔王武力行使しようとすんのやめなさいっ!!」
明らかにヤバイ詠唱が始まったので、すぐさま制止する。
結構いい値段した家を吹き飛ばされるのはマズい。
というか、近隣まで吹き飛びかねない。
「……。はぁ。……あのなぁフェゴール。流石にちょっと怒るぞ?
まったく……。キミは時折無茶が過ぎる……」
魔王なので。人間の常識が通じないのも道理なのだが。
ちょっとした喧嘩で本気を一々出されていたらキリが無い。
■フェゴール > 『…………っ……』
(食べたいリクエストを言ったのに怒られた。グッとなった顔が涙ぐんで。)
『もーエッチしないッ!!―――絶対しない!!嫌いキライっ!!セイン君キラーイっ!!!!』
(立ち上がってパンチの動き。と言っても実際のパンチじゃなくて障壁を部分的に動かして、触れずにパンチっぽくしているだけだが。名付けて、「なんちゃって百裂拳、破壊力はなんちゃってない、辺り判定広い」である。とかなんとか、この夜は何だかんだとこの調子で言い合いが続いただろうか。そもそも、喧嘩が対等な言い合いになっていることが珍しいのは、いつ気づいてくれるだろう。なので、明日からも、別荘が増えただけで、あんまり変わらない。)
■セイン=ディバン > 「……?」
間。沈黙。相手が涙ぐむ。男、戦慄。思わず後ずさり。
相手が涙ぐむのを見るなんて、初めて、もしくは二度目。それくらいレアな光景だ。
「ちょ、ちょぉ!? おご、あぐっ、あたたたたっ!?」
謎の障壁パンチラッシュが、ぽこぽこと当たり、男は苦悶する。
痛さはさほどでもないが。衝撃は結構ある。
何とか相手をなだめようとしても、その衝撃にのけぞって上手くいかない。
……そうして、男が疲弊しきった頃。ようやく喧嘩は終わるのだろうけど。
男としては、この夜の会話は色々と。傷になったり。思い出になったり。
……思えば、こうして二人の関係について真面目に考えたのは、初めてだったかもしれなくて。
……ただまぁ、嫌い、といわれるのは凄く辛い、という部分は。
しっかりと記憶と心に刻んだ男であった……。
ご案内:「ディバン邸」からフェゴールさんが去りました。
ご案内:「ディバン邸」からセイン=ディバンさんが去りました。