2017/06/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 大通り」にアンネリーゼさんが現れました。
アンネリーゼ > 「あぁー、もう!どうしてこの役者を使っててこんなに陳腐な筋書きなのかしらっ!」

劇場を出てきた途端、少女はうんざりした様な声を上げた。
右手に握られたパンフレットはくるりと丸められており、子供のチャンバラ道具のようだ。
ぷんすか、と少女が憤慨している理由は単純。見ていた劇がつまらなかったのだ。
出演している役者達は、どれほど金を積んだのかという美男美女。
少々演劇を齧った者であれば誰しもが知っているほどの大御所の集まり。
それが、使い古された古毛布の様な筋書きを懸命に演じていたのだからやるせない。

「むぅ、お陰で二時間近くを丸々無駄に使った気分よ。大損害ったらありゃしない。
 それならそこら辺の女の子をひっかけて、昼から褥に潜り込んだ方が有意義だったわねぇ」

とは言え、ぼやいた所で失った時間が戻ってくるわけでもない。
気分転換に近くの出店でジェラートを買うと、噴水広場のベンチに向かう。
腰かけて食べるのは、甘くてひんやりしたイチゴ味。暑気払いにはちょうど良かった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 大通り」にアルティアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 大通り」からアルティアさんが去りました。
アンネリーゼ > 「それにしても、平和そのものねぇ。表面上は、素敵な街って言うのも頷けるわぁ。
 この広場を通る彼らの内のどれだけが、裏でこっそり奴隷を飼っているのかしらねぇ」

貴族達が行楽に向かう姿を眺めながら、小さな舌がちろちろとジェラートを舐める。
程よく甘酸っぱいジェラートは、苺の風味が豊潤で何とも好ましい逸品だ。
これから夏がより深まって、暑さが厳しくなったならば自然とよく売れることだろう。
少女自身も、贔屓にしてしまおうかと悩みながら、手持無沙汰に足をぶらぶら。

「……んー、ジェラート屋さんの子、可愛かったけど浚っちゃったらこれが食べられなくなっちゃうのよねぇ。
 かと言って、白昼堂々、往来の貴族子女を拐かすっていうのも、衛兵呼ばれそうだけど」

どうしようかなぁ、と考えながら、気怠い午後が過ぎていく。

アンネリーゼ > だるーん、だるーん。結局午後は代わり映えなく。
なんだか天気も曇ってきたから、雨降る前に帰ることにする――。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 大通り」からアンネリーゼさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/大通り」にグラハムさんが現れました。
グラハム > 王都大通り、人通りで賑わうその道を一人の男が我が物顔で肩で風を切って歩いていた。
何人もの使用人や護衛を引き連れて歩く男の顔を見るや住民は次々に道を開ける。
悪名高きバランゾの愚鈍、彼に目をつけられないように。
彼に目を付けられて連れて行かれた娘は10人や20人どころではないから。
大半は帰ってくるものの、一体何があったのか決して口を開かない。
そして、一部の不運な者はいまだ戻ってきていない。

視察と称して歩き回っているものの、そもそもここは彼の所領ではない。
それでもなお、ある程度その蛮行が許されているのはその生まれ故。
国王の血に繋がる王位継承権を持つ男。
彼を知る者は皆口を揃える。何かの間違いで彼が王になれば国は滅ぶだろう、と。