2017/05/03 のログ
■ティエンファ > 「多分ね、少なくとも、俺が自分から甘えて良いと思えるなんて、あんまりない
へへ、そんな事言って、ほっぺた緩んでるぜぇ? ん、ほれほれ」
冷たいグラスをチェシャの手の甲に寄せてからかう。
さっきまでの乗り気じゃない表情から考えられないくらいに楽しそうに。
しかし、妬いた?と問いかけられて、きょとんとした後にじわっと目元を赤く染めて、照れた。
自覚が無かったのだろう、そうかも、と思えば、酷く恥ずかしくなってしまう。
「…かも、しれない 別に良いじゃん、ちょっとなんか、気になっただけだしっ」
そしてそれを誤魔化したりする小賢しさも無く、チェシャに向ける表情は子供っぽい。
普段の飄々とした表情とは違う、ちょっと執着を見せる少年の顔。
その顔に指がかけられて唇を重ねられれば、自然と緩く瞼を閉じて…。
…悪戯な笑みを見れば、恥ずかしそうに自分の唇を舐める。
「なんか、いつもと立場が逆な気がするんだけど…っ
…需要ねえ、でも、多分その、俺はそう言うの、割り切って付き合えないからさ
身体を重ねたら、商売なんてできなくなりそうだし、商売ならそう言う事はしたくないな
…なんだろうな、チェシャがそう言うと、何でも知りたくなってくる
酒場で馬鹿なおっさんが似たような事言った時は、問答無用で殴り倒してやったんだけど」
冗談のように返すが、はにかんで返す表情はくすぐったそうで。
そして、手をなぞる指と耳元の囁きに、ぞく、と身震いして…。
返した視線は、チェシャですら初めて見る、艶っぽい流し目になってしまう。
「チェシャは、売った俺で良いのか?」
そして、なぞる指を軽く自分の指を絡めて声を漏らさずに笑って。
「んな話してたら、堪らなくなっちまうじゃんよ
…明日の朝まで、空いてるだろ?」
問いかける声は、一瞬前と打って変わって、雄の低い物。
絡む指は捕食する爪のように強く、子供のように遠慮がちに。
■チェシャ=ベルベット > 妬いていることにすら無自覚なティエンファの様子に
へぇこういう初々しいところもあるんだなぁと思う。
人間らしいというか、そういった欲に近いところの感情は持たない人間かと思っていたが
そうではなかったらしい。
そしてその顔がチェシャは好きだった。
聖人の顔をした人間より、生き生きと泥に塗れて自分の欲望を隠しもしない人間のほうが好きだった。
「妬いてよ、もっと。僕もティエに誰か好きな人ができちゃったら
すっごい妬くと思う。誰か他に気になる子ができても同じだと思う。
それくらい、普通だからもっと妬いて。ティエの目が僕に向いてて嬉しいから」
同しようもないほど自己中心的な理由をつけてティエンファの妬いた態度をもっとと扇動しようとする。
「立場が逆?たまにはいいでしょ?
いつかはティエの後ろを頂く予行練習みたいなものだよ。
ん、わかった。割り切れないのがティエのいいところ。」
かえされた視線は、艶っぽい流し目。色を感じさせる仕草。
どきりとしなかったと言えば嘘になるが表面上は攻めの態度を装った。
「売った君でもいいけど、
僕が買ったティエンファのほうがいいかな」
響きにこだわるようにそう言い直した。
絡む指の強さと相反する遠慮。それを一切合切握りしめて
「やっとティエから堪らなくなったって言わせられた。
明日の朝まで空いているよ。でもまずは用心棒のお仕事終えてからね
僕も手伝ってあげるから、このままぎりぎりまで、ね?」
こちらもすでに心得たもので猫なで声の甘ったるい声でティエに応じる。
■ティエンファ > 「…妬いてって言われても困るぜ …コントロールできるほど経験豊富じゃあないんだ、俺
や、妬かなくっても、ちゃんと見てるってば! …んだよ、嬉しそうな顔しちゃってさ
にやけちゃってまあ、くそ、どっかでまた一本取ってやるんだからな」
赤らんだ頬に自覚があるので、自分の頬を軽くこすって誤魔化して、
でもこうしてじゃれ合うのが楽しくて、すぐに笑いだしてしまう。
「いただくことは確定なんだな!? …ヤ、ヤサシクシテネ?
…って、なんか今日のチェシャ、すっげえ攻めてきてね?
この服の効果か? …そうか、チェシャは服装に興奮する趣味も…」
そんな冗談を照れ隠しに言って頷くけど、
自分から「したい」と意思表示してしまえば、今日は勝てないだろうなあ、と苦笑した。
でも、悪い気はしないから、頷くチェシャが握った手の甲に唇を寄せて。
「あとの時間は、さっきと違って楽しんでできそうだ
…さっきよりも、過ぎる時間が長く感じたら、チェシャのせいだぜ?」
仕事が終わるのが待ち遠しい、そう言って笑い、またグラスを傾けるのだった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からティエンファさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。