2017/04/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリュヴィートさんが現れました。
■リュヴィート > 「毎度ありがとうござまーっス、手紙1通から配達しますんで、またお呼び立てくださーい。」
トレードマークのベレー帽を一度脱いでから大きく少し大げさに頭を下げて、直ぐにスポッとベレー帽を被り直しながら頭をあげて、最後にダメ押しの営業スマイルをニコリ。
今宵もお屋敷からお屋敷へ、胡散臭いのからそうでないのまで手紙を運んで大忙しだ。
今もお屋敷の一つに中身を見たら首が物理的に飛びそうな色々な意味で重たい手紙を届け終えたばかり、口止め料を含めたこれまた重たい皮袋を頂き、懐に仕舞いこみながら、背中を見せないように後ずさりと。
で、あまり長居をしていると相手の気分一つで死人にくちなし何て事になりかねないので足早に屋敷の前から踵を返して離れて、富裕地区でも人が来なさそうな路地に飛び込んだところだった。
「いやぁ、アレだねこの時期は忙しくなるねほんっと……。」
温かくなってきている昨今、愚痴と一緒に白い吐息は毀れる事はなくなったがため息だけは相変わらず言葉と零れてしまう。
でも思いのほか重たい感触を懐に感じれば言葉では色々と大変そうな感じにはなっているが、頬はだらしなく弛んでしまっている。
――夢魔
人の夢に入り込み、人の夢を喰らい、人にあだ名す悪魔とも精霊とも言われている存在。
少なくとも己もそれに属する者だったのだが、あまりに人に触れる時間が長かった所為か肉体を得てしまい、こうやって仕事をして物を食べて、時々夢をツマミ食いして生きている。
さて、今夜はこれからどうしようか?
寝るには惜しい時間であるし、仕事も終わっているし、とやる事もないのでツマミ食い出来そうな獲物とであるか、何か有るまで富裕地区を一人散歩しようかな?と路地の壁によりかかって思案中で……。
■リュヴィート > 結局眠くなるまで散歩する事にした。
背中を少しだけ強めに路地の壁に押し付けて、反動で前に出ると両腕をぐーんっと夜空へと向けて天高く伸ばし、背筋を伸ばしてから最後に大あくびを噛み締めた。
眠気はないにしろ、暇だと欠伸が出るのは肉体を得てから、昔だったら即存在意義に関わってたナァーと、人の精神を喰らう夢魔としては退屈は緩慢な動きに死に向かうと同じ事で……と、一人ぼやくのはココまでにして、指先でベレー帽の位置を直すとゆるっと路地から出て歩き出す。
「顧客の新規開拓、若しくは無防備なお屋敷に忍び込む、どれも捨てがたいけど、それもこれも縁だよなぁ……。」
舗装された道を歩き出すとつい口から零れる愚痴と独り言。
平民地区の道よりも歩きやすい道を軽い調子で歩きながら時折欠伸を噛み締めている。