2017/03/10 のログ
■シキミ > お代わりを聞かれれば、結構よ、と短く告げる。
本当にあまり飲むつもりではなかったらしい。
…というのも、飲んでいるのもポーズに過ぎないから、という理由もある。
「ふふ。声はよくかけられるものだから、ね。
貴方を相席させたのは…そうね、たまたま、かしら。
…その辺りの貴族よりは気が紛れると思ったからよ。」
男の笑みに釣られるように笑みを浮かべ、相席を許した理由を述べた。
本当にたまたま、である。ただ、あまり断り続けるのも妙だろう、そんな思いがなかったとは言わないが。
「残念だったわね。アテが外れて…あら…どうかしたの?」
かたり、と少し腰を浮かせる。
そのまま、異常を感じて片手を顔に当てた男性の様子を伺おうとする。
当然、前かがみの姿勢になり……より、深い谷間が覗く。
抵抗できなければ、視線と共に意識を吸い込まれるような感覚を催すだろう。
同時に、頭の中に深い陶酔感と共に、甘い性的な快感を感じるかもしれない。
■セイン=ディバン > 次いでの酒は不要と告げる相手に、了解の意を示すように頷きながら、男は酒と肉を胃袋に収める。
かなりの量だったはずだが、男にとっては軽い食事であったようだ。
「ハハハ、そうか。まぁそうだろうなぁ。
……ん。たまたま、ね。まぁ、貴族のボンボン共よりはトークが切れる自信はあるがな」
女性の口にした言葉に、ウソはなさそうであった。
ふむ、こりゃ相当なヤリ手か、あるいは本当に予想が外れたか?
そう男が思索に時間を費やしている内に……。
「あぁ、いや……。うん。なんだ、コレ……?」
女性の心配する声が遠い、遠い。揺れる揺れる。
額に触れられた手の感触すら、どこか夢か幻のように感じる。
そうして、男は視線を外す事も出来ず。ただただその蝶を見続けてしまう。
急速に奪われる思考力。そして、じわじわと這い上がってくる、何か、強い違和感のある快感。
「……うへぇ……。キミ、それ……ってか。何した……?」
ぐわんぐわんと世界が遠くなる中。男はかろうじてそう尋ねた。
■シキミ > 「でしょう? あの人達、皆同じであまり面白みがね…。」
言いながらも、よく食べるのね、と気の無い感想だけを述べる。
そのまま、少し調子の悪そうな男性を気遣う様子を見せつつ、
額に当てた手を男性の頬へとズラした。
「私?…私は何も…?」
心配するように手を頬に当ててはいる。
しかし、男性にはその深い谷間に包まれているようにも感じるかもしれない。
甘い匂いと共に、体と意識の力を抜けさせる柔らかい感触。
先ほどまでの貴族と同じように、幻に導いた事を確信すると、
ふぅ、と男性に耳元に甘やかな吐息が触れ―――。
『何も違和感はないわ。貴方はここでただ談笑していたの。
少し、お酒にくらっとしただけ。』
という言葉が、抵抗を解す甘い快感と共に、男性の思考に忍び込む。
■セイン=ディバン > 「あぁ言えてる。まぁ、貴族なんてそんなもんさ。
似たようなことを繰り返し、似たように生きるように出来てるんだ」
貴族を馬鹿にするようなことを平然と口にしながら、余裕を見せていた男だったが。
いまやその状況は一変していた。いつしか頬に触れられているのも、遅れて気付く始末。
「……いや、してる、だろ……じゃなきゃ……。
不用意に飛び込んだ……オレの、アホさ加減、が……」
自身の愚かさ。無警戒さ加減。ソレこそが問題だった、と。
そう言うことすら出来ぬまま、体中の力は抜け。
耳元に吐息を吹きかけられれば……。
(……いや、しまったなぁ。我ながら、こうまで見事にひっかかるとは……)
「……あぁ。うん。そう、だな」
脳の中。断裂していく思考の中心へと這い寄る言葉。
強い違和感を感じるものの、抵抗は既に出来ぬ状態になっている。
そうして、男が違和感を感じていれたのもほんの僅かな時間のみ。
男は、いつしか甘い快感に支配され。促されるとおりに状況を補完してしまった。
■シキミ > 目をとろーんとさせたまま快感に浸る男性を見て、ふ、と微かに笑った。
そして、肯定の言葉が口から出れば、暗示を完了させたという事を確信し、身を離していく。
「先に帰るわ。……もう少し浸っていて構わないから。」
そして、最後に囁くように言う。
青年が馬鹿にした貴族と同じような状態になっているのだが…気づく事もないだろう。。
くすっと笑いながら席を立ち上がる。
その甘い快感は、男の妄想のままに夢のような心地良さを体験させてくれるだろう。
男性が浸っている内に、淑やかな動作で席の間を抜けていく。
途中、支払いはあの人持ちで、と主人に声をかけるのも忘れずに。
飲んだのは一杯だけだが、それなりに高級なお酒。
そして男が気づいた時にはもう姿は無く―――。
今夜眠った後、夢の中で柔らかな谷間に包まれる感触を思い出す事ができるかもしれない…。
■セイン=ディバン > 目の前で女性が笑い、離れるのを男は確かに認識している。
しかし、認識してこそいるもののそれだけだ。
それを意識が理解をしていない。
「……お? お~……」
酔っ払いのソレのように。調子っぱずれかつ意味を成さない言語での返事。
そしてフラフラと手を上げ、酒を追加注文。無意識の行動であった。
そして、それが届く前に……男は机につっぷし、寝息をかき始めてしまう。
結局の所、女性の正体には指先一つ触れることできず。
それどころか、見事にあしらわれただけの男だったが……。
夢の中でだけは、女性の身体を味わい。
しかして、目を覚ました後は、見事に記憶を消えうせさせられ。
……再度再会したときに、それでも思い出せるのかどうか。
……おぼろげな記憶の種だけを残し、男は「なぜ一人で酔いつぶれていたのやら?」などとぼやいたとか何とか……。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からシキミさんが去りました。
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