2017/03/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にマイヤさんが現れました。
■マイヤ > 冒険者たるもの未知なる道への探究心を失ってはいけない……未知なる道にこそ発見があるのだから……。未知と道をかけたのは勿論言うべくも無し、と言い訳を繰り返し心の中で呟くほどに今宵は迷子と言う奴になっていた。確か、偶には違う武器を扱ってみようと、ハルバート等の長物が販売しているという武具の店に向けて、仮拠点の宿の主人に書いてもらった地図を見ながら歩いていたのだが、気がつけば周囲は露骨に裕福そうな家々が立ち並ぶ地区に来ていたのだった。……此処はどこだろうか。
「……いや、遺跡やあれやこれやで迷子になるよりは?」
良い筈だ……良い筈だと、言い聞かせ少しばかり伏せ眼がちの視線を周囲へと向けて、欠片でも見覚えのある道か、道を案内してくれそうな人間が通りかからないか、視線をうろうろ、整備舗装された通りの道を歩く足もうろうろ、頬はもうこれ以上に無いほど引き攣って、平静を装う笑みも寒さ以上に凍り付いている。場所が場所、たぶん治安は良いだろう、服装も普段と変わらぬブレストプレート……上半身をガッチリ守る装備に普段の服にズボンにと其処まで怪しい姿はしてない筈で……どうだろう?この服装を見ても嫌悪の視線を向けない、誰か親切そうな人はいるだろうか?
■マイヤ > この地区に住む人々は若干名を除いてこの時間帯はお屋敷と言う奴に篭る人が多く、元々人通りは少ない通りでは右を見ても左を見てもほとんど人気が無くて、さあどうしようか?と言う感じだった。巡回中の治安維持をしている兵士の人でも捕まえるべきか、でもそれで余計に判らない場所に連れて行かれても困るし、一晩拘留されても全く持って面白くない、故に今しばらくうろうろしていく道を選択する。革のブーツの底と舗装されたレンガ道、歩き心地は良いのだが、普段居る地区とは違い何となく居心地も悪く……。
「……何だろうな、若しかしてオレ場違い?」
と思わず愚痴をハッキリと零せば、通り過ぎる裕福そうな人々が頷いた気もして、愛想笑いもそこそこに頬は引き攣りあがりっぱなしである。冒険者だけにコネや縁があれば見知った者も居様が、生憎この辺りに住んでいそうな人物なんて知るはずも無く、王都に在住を決めてまだ1週間足らずで、こうなるとはおもいもよりませんでした……と。しかし、ふと、思い出すのが孤児院で世話になったシスターの言葉、「迷子になったときはそう、壁に左手をつけて進めばいいの!」と言うアドバイス。だが此処はダンジョンでも遺跡でもなく住宅街、それも大通り、壁に手をついて歩けば今向けられた視線に奇異のそれも追加されるだろう、それはごめん被りたいのである。――…だが、迷子と言う問題を打開するにはそれしかないかな?ともおもい始め、手近な屋敷の壁を触ろうか、触るまいか、指先をくねくねわきわきとさせた。