2017/01/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリュヴィートさんが現れました。
リュヴィート > 「ンッンー………今夜はコレでお仕舞いっと……」
本日今宵最後の手紙を届け終わったか両腕をぐんっと夜空に向けて伸ばし、背筋を伸ばして身体の解す少年が一人。
背筋を伸ばしたと同時に欠伸をこぼし、欠伸は温かな吐息と共に口を飛び出して白い湯気となり夜空に消える……そんなとても寒い夜。

年末年始、富裕層の住まう地区では挨拶のやり取りの手紙の配達は多く、此処最近休む事無く働いていて、今宵やっとそんな大仕事がひと段落着いたわけで、更に裕福な人間が多いだけあって、年末年始は羽振りも良く、今宵貰ったチップだけでも暫く仕事せずに済みそうなくらい懐も温かい。

で、いつもどおりに富裕層が住む地区をのんびりと歩いて帰宅中なのだが、懐温かくてもこんな寒い中一人で過ごすのもあまり面白くなくて、手ごろな人間を見つけて寄生……もとい一時的に家族として滑り込んでやろうと、哀れな犠牲者を物色中でもあった。

「さて、手ごろな人がいてくれると助かるんだけど?でないと凍え死ぬ可能性がなきにしも……。」
正直言えば肉体的に凍死はしない、きているのもフードがついた防寒用のローブである。
だが元々精神体の夢魔である、心が凍てつけば肉体にも影響がないわけがなく、そういう意味で凍え死ぬ可能性が……等など、一人外灯明るい大通りを歩いていると、余計な事を考えがちで。
頬が弛んでだらしない笑みを浮かべたり、逆に眉間に皺を寄せたり、ときっと傍目から見れば表情がコロコロと変わる大変面白い見世物かもしれない……。

そんな少年は目的もなく防寒用のコートの襟元を強く握り締め、楽しいことがないか暫く富裕地区を彷徨う予定である。