2016/12/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリュヴィートさんが現れました。
リュヴィート > 富裕地区と平民地区の往復には飽きてきたが、ご贔屓さんが居るのだから仕方ないと割り切って、今宵もあちらこちらを言ったり来たり……。
特にご贔屓さんは深窓の令嬢と言う奴で、どこぞの箱入り娘さんと平民地区に住む売れない芸術家の実らぬ恋の恋文渡し、と言う面白くもおかしくも無いけど心ならぬ懐の温まるお仕事を与えてくれました。
両家、と表現する程片方が栄えていないが、一応両家のご両親や関係各所には内緒で手紙を渡したり受け取ったりしてくれ、と言われたが面白くない事この上ない。
もうちょっと第三者が余計な手を加えたり、お嬢さんに婚約者でも……と思ったが、世の中そんなに面白い事は頻繁に起きないようだ。

今宵はそんなお手紙をお嬢様に手渡して、ついでにメイドさんの一人のお尻を撫でて、即退散。
今は当て所なく新しい顧客でも開拓できるか、それとも暇つぶしでも出切るか、とか欠伸を噛み締めながら富裕層の住まう明るい通りを一人歩いていた。

「あれだよな、もうちょっとお駄賃安かったら、ご両親様に売りつけるんだけどなー?」
と猫でも殺しそうなレベルの退屈さに不穏な事を呟きながら、くわぁ……と人目を憚らず大あくびをし、竜のブレスの如く白い吐息を吐き出してから、手持ち無沙汰な手で黒いベレー帽の位置を直し、僅かながら眉間に皺を寄せる。

種族柄、退屈と餓えは大嫌いで今宵こそは何か面白いことはないか、とわざと家路を遠回りしていて……。

リュヴィート > どんなに遠回りをしていても、暫く歩けば平民地区との境界線に辿り付き、今宵は何事も無く大したトラブルもなく家路につけそうだ。
それを何とも複雑な表情を浮かべて理解をすると、大げさなほどに大きく溜息を吐き出してから、一度だけ富裕地区の方にチラっと視線を送る。
で、再び大きく溜息を吐き出せば、何処と無く項垂れながら、平民地区の方へ歩いていくのだった……。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からリュヴィートさんが去りました。