2016/09/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にドルクスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にカノンさんが現れました。
ドルクス > カノンの人嫌い…もといトラウマの治療も兼ねて今日は王都
その中でも富裕地区にやってきた

「やっぱりここって人も建物もお上品だね。そう思わない?」

ほんの少しの嫌味も込めた感想を口にし隣に立つカノンにも問う
今のカノンの格好は白のシェンヤンドレス…ではなく普通のワンピース
あんな格好をさせていたら性欲を滾らせた貴族が見逃す筈がない
それでも、幻影をかけていないせいでカノンの美しさは損なわれる事なくいつもより周囲の視線を集めている

カノン > 「うー…」

いつもよりキラキラしてて、どこよりも整ってるような町並み
主人の横で…手を繋いだまま、耳は伏せて
どこか緊張から尻尾の毛が逆だってるような、じっと止まったままの尻尾と
ドキドキを隠すように言葉が上手くでてこないかわりに
言葉のかわりに繋いだ手をきゅっとにぎって

「綺麗、だけど…、なんだか綺麗すぎて」

自分には不釣り合いなような何処ともちがう町並み
自分へ感じる視線に少し、ビクビクとこっそり主人に体を寄せて

ドルクス > 「貧民地区、平民地区、富裕地区、とまぁこれだけわかりやすく分けられた人間の待ちも珍しい位に違うでしょ?」

そう、富裕地区は置いてある物も歩く者も他の地区とは違う
要は金を持っているか…大体はこれで説明できる
ここに居るには金が要る、そして金が集まるところが汚いなんて有り得ない
どこを見てもピカピカしていて目が疲れそうだ

「ここなら貧民地区より物騒じゃないから安心していいよ。
貴族とか金持ちが多いから面倒ではあるけど…そこは僕が対処できるし」

催眠魔法はこういう時に強い
カノンを手にしようと強行に出る輩が居ればさっさと家に帰ってもらえばいい
それに冒険者や用心棒と言った武器を持つ人間が衛兵を除いてここには滅多にいない

「だからカノンのトラウマ払拭にはもってこいなんだよ」

カノン > 「うん…どこよりも凄いね」

目に見えるものが今までの町並みとも違い、説明されて確かにと
周囲で自分を見てくる人の姿も整ってるような人ばかり

手をつないで、体を寄せたまま
目線だけでチラチラと周囲をみてたから
緊張に心臓は早くなってたものも
次第に、街の空気になれるように落ち着いてくる

「主さまも…こことかにも居たの?」

以前いろいろと転々していたと思い出して

ドルクス > 「ここらでは一番贅沢な所だね」

カノンの言葉にうなずく
とても正しい解釈だ、ここは凄い
色々な意味で…

「そうだねぇ…カノンと出会う前は色々な所に居たからね
ここの屋敷のお嬢様の家に泊まった事もあるよ」

実際には誑かして~とあまり褒められたものではないので詳細は省略
手をしっかり握り抱き寄せてやる、自分と密着していれば少しは落ち着くだろう

「折角の富裕地区なんだしカノンの気になる所に行こう。勘でもいいから進んでごらん?」

カノン > 「うん…こんなとこのお家にお泊りしたの?」

凄い町並みのお家となれば、すごい屋敷でも想像してて
そこの女の子の家へのお泊りの話を耳にすれば
内心チクンとしたものが・・・

促されるように歩きはじめる
手をぎゅっと握ったまま、とりあえずまっすぐ
歩いてるだけでも町並みの豪華さは飽きることなく
ただの散歩に近いけど

街灯やベンチや何気ない装飾でさえ
おしゃれに見えて

ドルクス > 「そうそう、それもかなりの大きな所」

まぁそれも昔の話、一夜の恋というもの
あの子まだ元気かなぁなんて考えたり

「2人で歩く街並みっていつもと違って見えるもんだね」

ガラス越しに並ぶ服やアクセサリー
他の地区では見る事の出来ないものがそこかしこに並ぶ
カノンはここの空気にも慣れてきたのか歩く早さもいつも通りに戻ってきた様に見える

「カノンはさ…まだ戦う人間が怖い?」

カノン > 「すごいねー」

住んでた環境といえば、おそらく想像できないくらいだから
主人との差が大きいと感じては少し気が落ちたかもしれない

珍しいものを並べたお店の飾り
主人の手と声に守られてたから緊張も次第に溶けて
周囲も自然に眺められるくらいにはなり

「怖くない、主さまもいるし…」

ふいにかけられた声に主人を見上げるように返して

ドルクス > 「ここに居る人間には尊敬するよ、住みたくて住めるものじゃないし」

まだちらほらとこちら…カノンを見る眼が多い
自分の方にも婦人方の視線を感じれば微笑みを返す
カノンに見惚れてばかりいる夫の横腹に一撃を加える奥方まで居た

「そっか…でも後々はカノン一人でも怖くない様になって欲しいかな?」

自分が居れば怖くない
少し強がりも混じってるかもしれないがそれでもだいぶましになったのだろう
けれどまだ一人では危ないか…まだまだ時間がかかるのは仕方ない

「人間なんて怖くない。そう思えると良いんだけどね」

油断し過ぎない程度に
それを最終目標に考えている

カノン > 「そうなの?…1人でも?」

先ほどまでの会話と今の言葉を聞いてしまえば
歩いてた足が止まって、聞き返す言葉は少しの不安も混じって
繋いでた手を離し少し俯いて

「じゃ…1人でも平気」

ここは他よりも危なくはないと話してたから
くっついて歩いてた体を数歩分離れてみる


手を離すと主人を感じなくなると
鼓動が早くなる
思い切るように歩き始めてみる
再びの緊張と不安に耳はぺたんこ、尻尾を固く動かないままで

ドルクス > 「そう、一人でも。
でもすぐに一人で克服なんて思って…」


そういう間に一人で平気と言われてしまった
ふむ、何か要らない事を言ってしまったかもしれない
とりあえず数歩離れたカノンを見る
表情は曇り耳は倒れ尻尾は微動だにしない
極度の緊張が見て取れる

「まだまだ時間をかけてで良いって。無理してそんなことしたら悪化するよ?」

離れた分歩み寄り肩を抱く
まだ一人は無理だとよく分かった
やはりトラウマはかなり根深い、そう簡単に治るものでもないのだ

カノン > 「だって、主さまの言うこと…ちゃんと聞かないと…だって…」

言いかけた言葉は先が言えなくて止まる。

歩き始めても両手はギュッつと丸く握ったまま
力がこもってる(怖い…怖い…心を占めるのは不安だけの感情)
後ろかからかかる言葉と、肩を抱かれて足が止まり

「だって、私ちゃんと1人で歩けないと…主さまが困ると思って」

顔を俯かせたまま、唇を噛みながら少し震える声で

ドルクス > 「別にさっきのはそうだったらいいなぁってだけの話だよ?
命令や言いつけなんかじゃないから安心しなさい。」

言う事を聞かないと…狼らしいと言えばらしいが勘違いだ
命令でトラウマを克服なんてただの虐めだ
そんなことするわけないよと肩をたたき

「困る事は無いさ。僕はね?
でもカノンがもしもの時に大変だろうしトラウマはできるだけ早く拭いたかっただけ、それも今すぐの話じゃないからね?」

心配ないと言って聞かせる
こういう所が真面目過ぎるのはカノンの美点でもある
勘違いさえしなければそんなネガティブな事も考えなくていいだろう

「カノンの事を迷惑だとか思わない、絶対に。
でもカノンは人間よりも強いって事だけは覚えとくと良い。そうやって少しずつ慣れていこう」

カノン > 「…本当?…私、困らせてるのかと思って」

1人でできないことがあれば、なにか役に立てないこともでてくるのかと
よほど怖かったのか、片手を延ばし主人の腰くらいの上着を掴んで
肩を叩かれると徐々に鼓動も落ち着いてくる

安心したように肩にこもってた力も緩んで
尻尾も垂れて

ドルクス > 「ないないない、全然困ってないから。」

そう、絶対に困ってないと主張する
いつの間にか周囲のギャラリーも消えてしまった
こんなにお互いくっついていたらそりゃ察することもできるだろう

「いいかいカノン、人間が武器を持ってようがカノンの方が強いんだ。
それを忘れずに僕と一緒に歩いていたらきっと人間を怖くなくなる」

人間は怖くない、自分よりも弱い
それを何度も言い聞かせる
刷り込みにも似た手段でトラウマを削っていく

「だからもう少し歩こうか、料理でも食べて買い物もして家に帰ろう。
今日は何を食べても構わないよ?」

頑張ったご褒美、自分と離れて怖い思いをしたのだから当然だろう
決して甘くない。正当なご褒美だ

カノン > 「…うん」

主人からかけられる言葉の刷り込み、無意識だけど一番の近道かもしれない
想い人からの言葉は大きくて

「ん…主さまの食べたいの食べる…同じのがいい」

見えるものはどれも選びきれないし
食べたこともないようなものも多くあるだろうから

なにがいいかが選べなくて
少し歩きながら、歩調はゆっくりめで

ドルクス > 「うん、カノンは良い子だ。」

素直にうなずくカノンの頭を撫でて考える
ここでなら…肉か。魚なら港湾都市の方がいいしここはステーキだろう

「じゃぁ少し奮発していい店を探そう、いつもとは違って溶ける肉を食べさせたげるよ。」

カノンもきっと喜ぶ…か?
もっと肉らしいのが良いとか言われたら泣いてしまう
まぁそれも後の楽しみ、カノンの肩を抱きながらレストランを探す
カノンの歩幅に合わせゆっくりと…二人きりのデートを楽しんだ

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からドルクスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からカノンさんが去りました。