2016/09/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にエドヴェルト=ランデルさんが現れました。
■エドヴェルト=ランデル > 富裕層の住まう街並みも夜となれば時折、馬車や警備の兵隊が行き来するくらいで人影も疎らである
そんな街並みをフードを目深に被り、貧相な服装していれば余程の間抜けな警備兵でなければ、声を掛けるというもので、
ここに至るまでに4度程、警備兵とすれ違い4度声を掛けられるに至った
始めの警備兵2組には「旅人である」と答え、あたかも地理に不慣れな様をしてみせ、
次は「刀を貴族に売りに行く商人でございます」と答えて、3度目は「依頼完了の報告へ貴族の私邸に向う冒険者」と応えたろうか?
4度目はもう、色々と面倒になり咄嗟に腰の刀をマントの内へ巧みにしまい込めば「物乞いでごぜぃます」と頭を下げた
どれもこれも。
警備兵は訝しい様子であったが、結局は行け、と道を通してくれたのだから、警備兵が有能であるのか、
ただ徒党を組み夜の富裕地区を闊歩するだけの存在なのかは王都に住まう者や彼らの上司が判断すれば良いのだが、
なんともこの王都というのは、人種職種様々なものがあって愉快である。
そもそも、遠い国で囚われの身となり、王都を経由して魔領方面へ買われていった奴隷の身であるから、
書面で様々なことを学びこそしたが、主人であり、師であり、不敬を承知で言えば「父」のようでもあった、
(故)前陛下の元を離れてからというものは毎日が新鮮な驚きで満ち溢れていた。
三十路過ぎてもう十年にはなろうかという(元)奴隷の男に夢見がちな少女のような形容が似合うか、どうかは
また別の話であるのだが……
どこぞの豪邸が立ち並ぶ四辻に立ち止まりそんな事を考えつつ。
自分に刀剣の依頼を出すような貴族は大概が欲の皮の突っ張った老人ばかりであるから、
折角だから着飾った貴婦人でも見物してから宿へ戻ろうか、というような心持ちになった。
豪邸からは夜会でも開かれているのだろうか、笑い声が小さく聞こえている。