2016/06/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にファリンさんが現れました。
ファリン > 「~♪」

ふんふんと鼻歌を歌いながら歩いていく少女が一人。
黒いドレスは夜闇に溶け込み、白い肌と赤い瞳だけが浮かび上がっているよう。
りん、りんと腕輪に飾り付けられた鈴が鳴り、見る事ができれば酷く楽しそうな様子が見えるだろう。

しかし、平常な民などは気にも留めない。
目立つ格好の少女は、何故か目立つ事もなく、貴族達が居並ぶ道を練り歩いていく。

酷く楽しそうな笑みの奥に、獲物を探す狩人の意思を隠したまま。
貴族の子女なんて最高よね…と考えながら歩いていく。

りん、りんと涼やかに鳴る鈴の音は、獲物を惹きつけるように。
心引かれてしまえば、少女の姿を見る事ができるだろう。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にティネさんが現れました。
ティネ > 富裕地区上空を、輝く燐粉を振りまきながら夜闇をふらふらと漂う飛翔体があった。
近くで見ればそれは掌に乗る人の形をしている。俗にいう妖精の姿に似ていた。
この場所に合わせたつもりか、青を基調とした華美なドレスを着ている。

「ん? ふしぎな子がいるなぁ」

異国風の黒いドレスの少女がいる。
シェンヤンから訪れたのだろうか。それにしてもひとりで?
不思議と気を引かれる。なんであんなに楽しそうにしているのだろう。
高度を落とし、その少女の近くに。

後ろからこっそり、見つからないように、ついていく……つもりだけど、
気配を消す術を使っているわけでもないので、悟ることは難しくないだろう。

ファリン > 「~♪………。」

とことこと小さな靴音を立てながら道を歩いていく。
ふと小さな気配を感じるけれど、それには気づいていない様子。
…をしたフリである。
簡単に気づきはするものの、気配の確認はせずに真っ直ぐ歩いていく。

りん、りん、と鈴が鳴り、少女の行く道筋に音を残していく。
適度に小さく、けれどしっかりと鳴る音は、自然と鈴の音に導かれていく感覚を植えつけていくだろう。
こっちにおいで、こっちだよ、と鈴が誘い続け、徐々に判断力を奪うように。

気づかないフリをしたまま、貴族の屋敷の間にある細い路地へ。
薄暗がりのそこへ曲がった、と思えばその曲がり角で待ち受ける。
今宵の獲物はどんな姿をしているだろうか、と嬉しそうに笑みを浮かべながら。

ティネ > もちろん、この妖精もどきの少女――ティネだって、
人を見かけで判断してはいけないのは知っている。
もしこの女の子が人の皮を被った物の怪の類であるなら
すぐに逃げ出せばいいやぐらいのことは思っていた。
飛んで火に入る夏の虫なのである。

ついていくうち、鈴の音を聞いていると、だんだんこっちまで楽しい気分になってくる。
こっそりついていくだけのはずが、だんだん音に吸い寄せられていくようにふわふわと。
そうして、どこかぼんやりとしたまま、路地の暗がりへと吸い込まれてしまう。

ファリン > りん、と小さな妖精の目の前に現れる黒い姿。
夜の帳の中でも、吸い込まれそうな真っ赤な瞳がじっと見つめている。

「…ふぅん、今日の玩具はキミかぁ。」

にっこり。満面の笑みを浮かべて妖精に手を伸ばす。
逃げなければ、ゆるりという調子で頭を優しくなでるだろう。

「キミは、妖精さん、かな?」

笑顔を浮かべたまま、ぼんやりとした思考に問いかける。
問いかけながら、袖口から符が数枚零れ落ちる。
…それは緩やかに舞い、その路地を外界と隔絶していくだろう。

ティネ > 「わ」

鈴の音で虚ろにされていた思考に、追っていた少女の声が入り込み、覚醒させる。
後ろから驚かせてやろうぐらいのことを考えていたら、
こっちが驚かされてしまった。
……“玩具”?

赤い瞳に見つめられ、撫でられれば、反射的にたるんだ笑顔でそれを受け容れる。
逃げるどころか大歓迎だ。

「うん、妖精みたいなものー。ティネ、って言うんだよ。
 ……キミはこんなところで一人で何してるの? お父さんやお母さんは?
 ダメだよー、この国、ちっちゃい子が一人で歩いてると危ないんだから」

撫でられながらも、そんなごく常識的なセリフを口にする。
自分の置かれてしまっている状況を理解できていないのは明らかだった。

ファリン > 「ふふ。」

少し虚ろになっていた所を目を覚まさせてしまったらしい。
でもそれでは面白くない。
宙に浮いている妖精をすくうようにして掌に載せようとする。
載せてしまえば、ゆっくりと顔の前まで。その姿をよく見ようとする。

「ティネ、ね?……私はファリンっていうの。
…ふふ、そうよね、小さな子が一人で歩いているのは危ないよね。」

それはどちらに向けられた言葉だったか。
笑みを浮かべたまま、ゆっくりと手が妖精さんの頭を撫でる。
りぃん、りぃん、とそれに連れて鳴る音が心地よく響いていくだろう。

「子供が一人でいると…連れていかれてしまうもんね?」

甘やかな音は、次第に全身の性感に響いてくるように感じてしまうかもしれない。

ティネ > 掌にすくいとられて、燐粉を散らしていた羽根は羽ばたくのをやめる。
遠慮のない仕草と視線が、少し照れくさい。
妖しげにきらめく赤い瞳と向き合っていると……そのまま吸い込まれてしまいそうだ。

「うん、そうだ……ね……? 連れて……」

さっきまではっきりとしていた意識が、再びぼんやりと霞んでいく。
撫でられる感触も、鈴の音も心地よく……身体の奥まで響くようだ。

「あれ? なに、これ……」

音が鳴るにつれて、全身がじんわりと熱くなっていく。
息が荒くなる。衣がいやに気持よくこすれる。
戸惑ったように、自身を手に乗せる少女を紅潮した顔で見上げる。
明らかな異変にも、この場所を逃れようという気が、なぜか起こらない。

ファリン > じっと見つめる赤い瞳。
吸い込まれそう、と意識してしまえばその通りになってしまうだろう。
意識を瞳の色でつつまれていく奇妙な感覚にとらわれるかもしれない。

「ふふふ。」

りぃん、りぃ…ん、と少しずつ間延びするような鈴の音色。
深く、深く体の中をくすぐるように浸透していくだろう。

「妖精でも感じるのね。ふふ、興味深いわ。」

人差し指を伸ばし、そっとティネの視界を塞ごうとする。
塞いでしまえば、あとに残るのは心地よい鈴の音と、瞳の色だけだろう。
そこに『してもいいのよ?』という囁き声が音色に混じって聞こえてくるだろう。

ティネ > 指一本で視界を塞がれると、見えるものはもう何もない。

涼やかな音色とは対照的に、ティネの喘ぐ息遣いは激しくなっていく。
せいいっぱいに大きく、口を開いて湿った息を吐き出す。
苦しい。熱い。この苦しさを、逃さなければいけない。
でも……

してもいい。
許可が下った。
さほど疑問に思うこともなく、その声に感謝をしながら、腕を動かす。
片方の手は胸に、そして片方の手はスカートの下に。
着衣の上から膨らみをくにくにと揉み、両脚の間からは小さくも淫靡な水音がこぼれる。
小さくも、人間と何ら変わりない身体の作りと欲情の仕方だった。
ファリン、ファリンと名前を呼びながら、淫らなショーを手の上で演じる……

ファリン > 「ふふ、気持ちいい?」

掌の上でオナニーショーを始めてしまった妖精に問いかける。
言えばもっと気持ちよくなるわ、と自分に従う快楽を導いていく。
その間も鈴の音は響き、さらに深い陶酔の世界へと導いていく。

「…音、気持ちいいよね。私の声も気持ちいいよね。」

囁き、問いかけ、自覚を促していく。
ただの音。
しかし気持ちいいと自覚してしまえば、それが快楽に変わっていく。
しかし促すだけではない。

「ほら。」

りん、と少し強めに鳴る音。
妖力の込められたそれは、全身の性感を瞬間的に貫くように響くだろう。

ティネ > ファリンの冷ややかですらある声色が、
情欲で火照りきってしまった自分には染み入るように心地いい。

「うんっ……きもちいいよぉ……
 音も、ファリンの声も、っ……」

促されるままにそう口にすると、本当にどんどん昂ぶりが加熱されていくのがわかる。
どこか霧のように自身を包んでいた快感が、自らの裡で形をなしたような。
控えめだった手の動きが、さらに激しくなる。
感じる箇所をごしごしと乱暴にこする姿にはおよそ品性というものが失われており、
見るものによっては目を背けかねない下品な有様となってしまう。
そんなことを気にかける余裕など、快楽に支配されきったティネにはあるはずもない。

「あ、ああ、っああ――っ!」

身体の中心を何かが稲妻のように駆け巡るような感覚。
背筋をぴんと伸ばし、びくびくと痙攣する。
ぴしゃ、と水のほとばしる音。
蓄えていた淫欲の蜜が、ファリンの手の上に水たまりを作るだろう……。

ファリン > くすくすくすと笑う声。それすらも心地よく響くだろう。
あっという間に快楽に落ちた妖精の姿はまさに『玩具』である。
ただただ貪るように自らを慰める姿を、妖精の視界の外でほくそ笑んでいる。
そして、鋭く鳴った鈴の音で絶頂を迎えてしまえば、さらにそこに囁きかけていく。

「音でイっちゃったねー。
音だけで気持ちよくなれるんだね?」

音で絶頂を迎えた、という事実を認識させていく。
自覚してしまえば、ただの囁きだけで愛撫されているように感じてしまうかもしれない。
イったからとて落ち着く間もなく、妖精の性感を炙っていく。

「どこがいいの?……胸?」

胸にじんと。

「それともアソコ?」

刺激が股間に。

「……でも、音だったら……ね?」

くちゅり、という舌なめずりの音が何度も。
全身を舐め回されているような、そこにあるはずのないものが浮かびあがってくるだろう。