2016/04/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」に暁燕さんが現れました。
暁燕 > 色香る深夜のナイトクラブ
腐れた役人、爛れた娼婦、そして卑しい奴隷が入り乱れる

この場はいわゆる乱交パーティーの最中
あちこちから嬌声が飛び、ステージ上で奏でられる音楽に打ち消される騒々しい場

「♪」

そんな光景を狐は満足気に眺める
こういう場では自分が参加するよりもむしろ斜に構えて見物するのを好みとしている

暁燕 > もっとつよく激しく周囲が乱れるように媚香は振りまく
その結果大勢の男女が、あるいは複数名で絡み合っている
その様子を眺めるのがひどく愉しい
所詮人の理性などそんなものだと思わせてくれる

「おかわリ」

そわそわと、僅かに落ち着きのないマスターにそう告げてグラスを差し出す
例外なく媚香に影響を受けているようで、にんまりとほくそ笑む狐

色彩豊かな灯りの下で繰り広げられる痴態の数々、よい光景だと微笑みソファにどっかりと体重を預ける

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にシドさんが現れました。
シド > 日頃の欲求不満を満たし合う光景を、また場から離れて眺める青年が一人。
カウンターの席に深く座りて眼前に広がる光景を肴にグラスを煽る。
無礼講とばかり身分隔てなく交わりゆく様に浮かぶは侮蔑とも微笑とも綯い交ぜた色が目元に浮かぶ。
その眼差しが行き着く先は、また同じく余興の外で酒を酌み交わす女性が。
手を招く娼婦を颯然と通り過ぎて、自然と足がそちらへ向かっていく。

「隣、いいかな?」

暁燕 > 「構わないヨ」

声をかけてきた男にへ目線を向けて、ほほ笑みを返す

値踏みするように上から下目で視線を投げれば、
綺麗な装いに整った顔、スラリとした身長、恐らくは貴族だろうとあたりをつける

「お相手をお探しかしラ?今日は選り取りみどりヨ」

あたりには盛った娼婦が山盛りである、というように掌を上に向けて宙を滑らせる

シド > 「どうも」

一礼して隣にと腰を掛ける。傍らへと寄ってきたウェイターに注文した後は…
その切れ長い眼差しに意図した緩慢な瞬きを見せてから、一際微笑みを深め声を和らげた。

「生憎、いい相手が見つからずにね。ずっと探していたら……
 同じような人がいたもので、つい挨拶をしたくなった。
 君は……下世話のために此処に来たのではなさそうだね?」

手遊びになぞらうように運ばれてきたワイングラスを揺らして。
その褐色の液体の向こうに浮かぶ横顔を覗きこむ。

暁燕 > 同じような…なるほどそう移るのか、と思いつつ

「そウ、私はシャオイェン。貴方は?」

マスターがおかわりのカクテルをローテーブルへと運んでくる
それを手にとって、そう問いかけた

「もちろン、見ての通り…場を愉しんでいるだけヨ」

この狂騒の場を、飲まれずに愉しんでいるというだけでもある意味では異常性を感じさせる

シド > 「すまない。紹介が遅れた。シドだ。君と同じ……とはいかないが場を見て愉しむことにしたものだ。」

さりとて何が異常かなど語れるほどの良識も善意も持っていない。
噎せる人の乱交の薫りの中で何気なくつぶやく一言に小さく頷いて。
遊び揺らしていたグラスをそっと相手に差し出す。

「場を愉しむもの同士、今宵は仲良くしよう。」

乾杯のつもり、グラスが触れたのなら、カツン、と透徹とした音を響かせて漸く酒精を楽しみゆくつもり

暁燕 > 「シド。見た感じは、お貴族様みたいネ」

身なりでそう判断したそれを、確認するように口にして、
求められるままにグラスをあわせ、小気味の良い音が鳴る

「そうね、仲良くしましょウ。オトコはこういう場に混ざって愉しむものかと思ったけれド」

そう言って挑発的な視線を向ける
周囲では文字通りの乱交が行われている、同時に媚薬を希釈した媚香もまだ僅かだが残っている
この男にたまたま効いていないだけか、はたまた

シド > 「その通り。お貴族様さ。そういう君は?ただの平民には見えないが。」

重ねた杯を口元に傾けても、視線はじっと相手の横顔へ。眸を穿ってその奥を覗き込むように葡萄色が見据える。

「こういう場でオトコだから、オンナだから、と論じるのはナンセンスだろう。
 全てを忘れて欲に耽る場所なのだから。
 まぁ、私も楽しめる相手がいるならね。混じっていたかもしれないが。」

不意に相手の髪房を掬い取ろうとする。出来たのならば鼻先に寄せて。

「ふぅむ。独特な匂いがしてるね……こういう匂い、一度嗅いだことがあるよ。」

暁燕 > 「フフ、どう見えるかしラ」

悪戯っぽい視線、あえて答えは言わずにぼかす
白いドレスは低俗なものにはない綺羅びやかさで、整った外見は下層の民には見えない

「フフ、そうネ。
 …ふゥん。どういう相手がお好み?」

シドを見上げつつそう尋ねる

「あラ、どこで嗅いだのかしらね、フフフ」

媚薬だと気付いただろうか、そう思いつつとぼけてみせる

シド > 「どこぞのお姫様か。どこぞのお貴族様か……それとも、毒窟に住まう猛毒な蛇だったりしてな。
いや、蛇ではなく雌狐かもしれん。」

その悪戯っぽい眼差しに眸を細めて小さく頷く。続く言葉には手にとった髪をはらりと離して。

「目の前の君だったりしてなシャオイェン……嗅いだことがあるのは貴族の仮面舞踏会だ。
 あれは日頃の鬱屈を晴らすために強力な媚薬を使う。それに多少は慣れているが、ここにいるもの人々にはちと辛いだろう。
 ……ほどほどにな。」

酷くゆっくりと立ち上がり。

「夜も更けてきた。そろそろ帰ろうと思う。君に『悪戯』されないうちにね。」

暁燕 > 「当たらずも遠からずってところかしらネ?」
クスクス、悪戯娘のように笑って見せる

「…あラ、お気づき。
 フフ、お相手をできたらよかったのだけド…お貴族様にしてはちゃんとしてるのネ」

そのへんの調子の良い貴族達とは違うようだ
じ…とその端正な顔を眺めつつ、逃がすのは惜しいかしらネ。と思惑するが…

名前と顔を覚えておけるだけでも良しとしたのか、グラスを煽る

シド > 「この世で最も恐ろしいのは獰猛な獣でも剣幕張る偉丈夫でもない。
 ……にこやかに獲物を品定めする者。
 経験があるからね。」

背を見せて立ち去ろうとするが背後から感じる眼差しに一度
振り返れば片目を瞑り。

「時間が時間だから。また機会があれば続きと洒落込もう。
 ただし、私の身の安全を確かめてからな。
 おやすみ。シャオイェン。」

今度こそ長い銀髪を靡かせてその姿は酒場から消えてゆく。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からシドさんが去りました。
暁燕 > ひらひらと手を振ってその背を見送る
希釈させてあるとはいえ媚香が効果を示さなかった男
薬物への耐性があるのか、単純に身体と精神が強靭であるのか…

「(アレはカモにはできなさそうネ)」

再びグラスを煽る
そういうタイプではなさそうだ
麻薬漬けにして遊ぶにもなかなか苦労しそうである

「……美男子が壊れるところモ、素敵なんだけれどネ」

ゆらゆらと薄朱の尻尾が揺れる──

暁燕 > 周囲を眺める
相変わらず事に及んでいる男女、
ステージの上でも、ショーを終えた女に男が群がっている

「(ここで全員麻薬漬けにしちゃうのも楽しいんだけどネ)」

折角手に入れた王国での拠点である、すぐに潰してしまうのは惜しい
こうやって酒の肴にも困らない
今しばらくはこのままにしておこうと狐は考える

「(もしくは……適当な貴族でも嵌めて家を乗っ取るほうが目立たないかしラ)」

暁燕 > グラスを空にすると、ソファから立ち上がる

ふと、恐らく媚香にあてられたであろう、貴族らしき男が行く手を塞ぐ
その目からも、自分を襲おうというのがはっきりと見て取れた

「邪魔ヨ」

くすっと笑みを浮かべてその首筋に素早く隠し持った注射針を突き刺す

哀れ薬液に侵された男はそのままソファへと倒れこむようにして白目を剥く
…数瞬の間に、意識はお花畑へと連れ去られてしまっていた

暁燕 > 「すこーシ、刺激が足りないかもネ」

ふぁ、と小さなあくびを浮かべて、狂乱の地下から出て行く

普通の人間なら目を丸くするような淫欲の宴も、狐にはただただ退屈であった

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」から暁燕さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > まだ日も高い日中、煌びやかな飾り付けをした店が並ぶ商店街を少女は歩いていた。
別に何か買いに来た、という訳ではない。
いつものように路地裏を適当に歩いていたら、こんな場所に出てきてしまった、というだけだ。

「むむむ…何度歩いても迷うのぅ、はてさて、困ったものじゃ」

目立たない服装で来ても良かったのだが、気分的に今日はこちらだった。
相変わらず向けられる視線は、好奇のもので、やれやれ、と肩を竦める。
見られて感じる趣味があるならともかく、そういった趣味はまったく持ち合わ…もとい、時と場合によるが今は無い。
…まぁ、他の地区に比べれば、そこまでのものではない。
どこかの貴族か何かのところに居るミレー族、といった感じの見た目なのだから。

タマモ > ふむ、と改めて周りをよく見てみる。
あれだ、店を派手に見せているのは良いのだが、こうも飾っていては入る気が失せる。
高級さを見せられて、ほいほいと店に入るタイプではないのだ。
…決して高級な品が似合わないと思ってるから入らない訳ではない、うん。

「せめて、こう、入り易そうな店とかあれば良いのじゃが…期待は持てんのぅ」

ぼそりと呟く。
後はあれだ、知り合いとか、そういった者が居るなら入っても良い。
一人でこんな場所に入るとか、どんな罰ゲームだよ感覚だ。

タマモ > 高い割りに、気に入った物が無い。
別に貧乏性という訳でもないのだが、人生の…いや、妖生?の大半を庶民的な生活で費やしてきた。
だからかもしれないが、無駄に飾ったりするのは微妙、と考える。
まぁ、うん、ここではこの着物自体が結構上物な気がしないでもないが、それは気のせいだ。

食べ物に関しても、色々とあったりする。
味は良いのだ、味は。
だけど、やれマナーがどうの、味の割りに量がとか、良いところよりも悪いところの方が自分には目立つ。
食事くらい好きなものにしてくれ、というのが本音。
…とかいうと、きっと栄養バランスがどうこう言われるので、言わないが。

そんな感じで、なにやら考え込んだ風な様子で商店街を抜け、程よく腰かけれそうな木箱のある路地があれば、そちらへ足を向けた。
とりあえず、休憩をしよう。
ちょこんと腰を下ろし、はふーっと一息。

タマモ > 「………む?」

路地の木箱の上で休憩中、くらりと僅かに世界が歪む。
いつからだろう、時折、こうして何かの前兆のように起こる目眩。
すぐに戻るから害はないから、まぁ、良いのだが。

「そろそろ、一度戻るとするのじゃ」

よいせ、と腰を上げると、その姿はゆらりと消えていった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からタマモさんが去りました。