2016/01/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/玩具屋」にティネさんが現れました。
ティネ > 富裕地区は小奇麗すぎてティネは少し苦手なのだが、
この玩具店に関してはたまに遊びに来る。……と言っても何かを買ったりはしないが。

女児向けの人形の並ぶ棚やテーブルをひょいひょいと飛び移る。
訪れる客や店員の目に留まる様子は、今のところない。
人形のかわいらしい衣服を物色するのは、結構好きだった。

今纏っているドレスのように、狐の少女にねだれば
また買ってもらえるかもしれないという可能性があるために、
冷やかしもそう暗い趣味ではなくなっていたのだ。

「……っとと」

さすがに近くに客が寄れば、人形のふりをして直立して誤魔化す。
自分を目視できるものは実のところそんなに多くないが、
それでも見つかってしまえばちょっとしたことにはなるし、
心の準備はほしい。

ティネ > しかし以前この店で人形と間違えられて大変な目にあってしまったのも思い出す。
あそこまで勘の鈍い人もそうはいないとは思うけど。

(でもあれは結構楽しかったな……)

じゃあもう人形に間違えて見つけられて好き勝手遊んでもらってもいいんじゃない?
という雑な考えがよぎった。
首を振る。いやいや。なんというかダメでしょう。
あの時のことを思い出すとどうにも胸が高鳴る。
好き勝手されるのが好きなのはもはや認めざるを得ないところだったが、
羞恥を手放してしまったらおしまいである。

ティネ > ホワホワ~と彷徨いて人形の物色を再開する。
スカートの裾を摘んでめくりあげて中を確かめてみたり。
……面白いけどどうにもやってて虚しくなる。

例の狐は自分には甘いからねだれば買ってもらえる確率は高いと言っても
やっぱり自分で自由にできる財産はほしく、
そうなると元の姿に戻りたいなあという未練は捨てきれない。
とはいってもそれには問題が山積みである。
戻る手段とか。戻ってからのこととか。