2015/11/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 裏路地」にリーシャさんが現れました。
リーシャ > (富裕地区の裏路地に、黒フード付きのローブを纏った少女が立っている。今日は"仕事"をすべく、人待ちである。貴族を狙った暗殺者か、或いは貴族に金で買われた娼婦か、それともまた別の目的があるのか。ともあれ、今は"富裕地区の裏路地で待て"という言葉通りに、ひっそりと息を潜めていた)

「……厄介事は御免被りたいけど、実際額面次第って感じだよね――」

(さて、どのような相手がやってくるか。警戒する必要もないような気はするが、備えとして腰の刀には手をかけておく。暗殺者狩りだの賞金稼ぎだのに狙われる可能性もあるのだから。とはいえ未だ、待ち人来たらずといった所。懐から琥珀色の飴を取り出すと、口に含んで転がした。鼈甲飴の香ばしい匂い。舌の上の甘みを楽しみながら、待ちの退屈を紛らわせる)

リーシャ > (未だ待ち人は来たらずだった。ローブの下はそれなりに着込んできたから寒くはないが、僅かに小雨が降る裏路地は普段よりも静かだった。雨の降る音以外はしないような、静かな通り。人が来ればまず気付けないはずがない、そんな涼やかな静寂が満ちている)

「……それにしても、遅いね。悪戯かなぁ?」

(そういうこともなくはない。冒険者に差出人不明の手紙で依頼をして、のこのこ出てきた所を遠目で見て楽しむというやつだ。富裕層の貴族の嫡男などがよく度胸試しや悪戯目的でやっているらしい。――やれやれとは思うが、貴族の嫡男に手を上げれば其れこそ冒険者側が不利になる。その結果として、彼らはやりたい放題である。脅すなら口が訊けぬほどに虐めてやればよいのに、とも思うが、其れは邪道なのだろう。――どちらにしろ、口の中の飴を転がしながら手持ち無沙汰な待ちを続ける)

リーシャ > (世の中は昼時だ。貴族の邸宅からは昼食の用意をしているであろういい香りが漂ってくる。ぐぐぅ、と腹の虫が鳴った。空腹だ。何か美味しいものが食べたい。――仕事の約束さえなければ、酒場の方に向かっていたことだろう。うまい肉と酒があるのだ。寒くないとはいえ冷えた体を温めるにはちょうどよい。とは言え、これで大きな仕事を逃すというのも馬鹿らしい。仕事と食事、どちらを取るか考え、一つため息をこぼすと)

「――あと少しだけ待とっか。それで何も来なかったら、後でやけ酒。お肉だって一杯食べてやるんだから」

(後にご褒美を作ることで、今の自分に忍耐を与える。誰でもいいなら来るなら来て、話はちゃんと聞くから!と若干涙目になりつつある少女なのである)

リーシャ > (結局昼時が終わるまで、相手が来ることはなかった。――悪戯だろうか。ならばまぁ仕方がない。憤懣としていてもなにかが変わるわけでもなく、ローブを目深にかぶると、少女は富裕地区の路地を駆け抜けていく。その後、黒髪の娘が酒場の肉を食い尽くしたという噂が流れるが、其れが真実かは杳としてしれなかった――)
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 裏路地」からリーシャさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にセリアさんが現れました。
セリア > 仕事を締め括るのも雑に済ませる。それを咎める部下もいないから尚更だ。
富裕地区の詰め所に顔を出して労いの声をかけ、足を向けた先は裏通り。
行きつけの酒場へ向かおうとしたのだが。

「―――んん?」

『本日休業』の文字が堂々と掲げられている。
それを見るなり肩の力が抜けた。肩透かしとも言うべきか。

「………さて、困ったね。どこか空いてる店があればいいが……」

店の前に立ち見渡す。今日に限って人目も無く閑散としているが――
何れ見つかることを期待したのか。適当に目星つけて歩き出した。

セリア > 「そういや……おっさん、此処らにあまり良い店ないって言ってたっけな」

困った、と溜息吐く。
行き付けの休業日くらい把握しておけば良かったと今更後悔しても遅い。
ことによってはこのまま帰路につくことも考える必要がある。

「歩いてりゃ何かあるかねぇ……」

そろそろ陽も暮れる頃合。街中に灯る明かりが道行を照らし出す。
左右に立ち並ぶ邸宅も様相を変え、夕餉の空気を醸し出して。

セリア > 突き当たる。怪しげな雑貨屋が開店している他は、目ぼしいものもない。

「……他に行くかな」

流石に人通りの多い道ならば、空いている店も数多くあろう。
そんな適当な考えで以て、今度は大通りに抜ける道を探し始める。

漂う夕餉の薫りに空腹を鳴らしながら――

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からセリアさんが去りました。