2015/10/19 のログ
ロザリー > 今回使用するのは不可視の術式
位置的にも丁度隠せる場所がなかったというのもある

そのためにわざわざ手製の触媒まで用意したのだ

フッと白銀の羽が地面に向けてまっすぐに落ち、そこから空間がブレるような奇妙な間隔と共に魔法陣が展開される

「…忘れ去られし冥府魔道の神々に申し上げる。
 炎緑の礫、蒼玉の楔賜りて、陽聖の縛鎖を却け給え───」

そして、詠唱
加護の下でなければこのようなプロセスも省略できるのだが

吸血姫の周辺が淡い蒼光に満たされ始める、そこで

…気配に、気づいた

「………邪魔が入ったか」

その場に広がっていた光が消えていく

マリー > 「(チッ、ばれた……!)」

何かやろうとして中断した。多分、自分が居るのがバレたんだ。
どうする、こんな真似できるのはきっと上位の魔族だ。突っ込んだら返り討ちに合うかもしれない。
冷静に撤退の可能性を考慮する、バウンティハンターにとって引き際は肝心。無理と思ったらすぐに退くのがプロだ。
……でも。
それほどの奴を倒せば、名が挙がる。
そしてそれは、確実に自分の目標に繋がってくれるはずだ。
しばし逡巡して……

「……よし」

バレてるんだろう。でも、やるだけやってやる。
そう思い、物陰から体を出し……

「(いっけぇ!)」

手のひらに雷光を集約。そしてそれをそのまま、雷撃としてロザリーに射出した。
一応は背後を取っての攻撃、奇襲としては十分のはずだが如何に。

ロザリー > 「……退魔の者かとも思ったが」

バチィッと大きな音を立てて雷光が黒紅のドレスを貫く
その瞬間に一瞬揺らいだだけで、ドレスの少女は倒れない

「…名も名乗らぬとは、無粋なことだな。人間」

ゆっくりと振り返る
その蒼碧の瞳が、赤毛の少女を捉えた

ロザリーの腹部から僅かに白煙が上がっているが、その表情には一切の動揺は見られない

マリー > 「生憎、ボクは立派な騎士様でも退魔師様でもないんでね」

勝気な笑みを浮かべて体を出す。
雷撃は全くダメージになってなさそうだけれど……笑って恐怖を踏み倒す。
そして、喋りながら足裏に魔力を展開。得意とする移動術の準備を整える。

「まあでも覚えてってよ。バウンティハンター、雷光のマリーの名前を、さ!」

言うや否や。

「(迅雷の術、プラス鳴神!喰らえっ!)」

高速で一気にロザリーの背後へ移動、そして雷光を纏った右手でロザリーの頭を握り潰そうとする。
鳴神、とマリーが呼称するこの技は、鉄程度ならあっさりと貫通する必殺の技だ。魔族もこの力で狩って来た。
雷光を纏った手で敵を貫く。単純だが威力の高い切り札で、一気に命を取りに行く……!

ロザリー > 「雷光?」
その口元に笑みが浮かぶ
それは嘲笑

「雷<いかずち>とはこう喚ぶものだ」
右手の細指が踊り、ぱちん、と音を立てて空間を弾く

刹那、ロザリーの背後に迫ろうとしたマリーの目の前へ閃光が墜ちる

その一瞬、大地を揺るがすほどの落雷
大気、そして電荷を受け砕けた石畳が融解し焼けた臭気を放った

マリー > 「あ、ぐあっ!!」

雷使いのマリーは、ある程度電撃に耐性がある。
ましてや自分も『鳴神』を使っているのだ、それで相殺だってできる。
ハズなのに。

「きっついなあ、もう!」

迅雷の術で間合いを取りはするが、それだけ。相殺しきれなかったダメージは体を苛み、一気にマリーの体力を奪い去った。
雷なら、この雷光の力なら負けなかった。
頑張って頑張って頑張って身に付けて、頑張って頑張って頑張って鍛え上げたこの力。
魔族にだって通用するはず、だったのに。

「(ヤバ、格が違う……)」

勝てる相手ではない。
少なくとも……手札を隠した状態では。

「あんまり本気出すの、嫌なんだけどね」

バウンティハンターとして戦い続けるために手札を隠し続けてきたが、そうも言ってられそうにない。
一気にギアを上げて、ゴーグルで目を保護し、両手に雷光を集める。
先程までとは比べ物にならない、マリーの周辺だけ昼になったかのような強烈な輝き。

「仕方ない……アンタには全力だ!」

そして、手のひらを地面に押し付ける。
押し付けた個所から、一気に雷が走ってロザリーを襲う。

ロザリー > 「…わざと直撃を避けてやったというのに、バウンティハンター、とか言ったな…?
 吾に賞金など、かかっていないはずだがな」

今の雷撃魔法と、先程から睨めつけている凝視をレジストしているあたりは腕に覚えは一応あるのだろう
が、王国の抱える退魔師に比べればその戦い方はやはり、魔族向けというには遠い

特に、相手の分析を怠り攻撃に傾倒するあたりは、若さか、それとも別の焦りか

「───アニメシア・アスピーダ」

その言葉と同時、巨大な金属の盾がロザリーの目の前に具現化し、地面に突き刺さる
自身へと這い迫る雷を分断するように、その電荷を吸収すると弾け飛び魔力の粒へと還っていた

「吾の得意魔術は金属の具現化だ。相手が悪いのではないか?マリーとやら」
笑いながらそう言葉をかけながら、魔法陣を展開する
次々に展開される魔法陣から現れたのは、闇色の魔犬だ

「かかれ」

主の命令と共に、4匹の魔犬がその牙を剥いて次々にマリーへと襲いかかる

マリー > 「はん、正直賞金なんて二の次なんだよ。賞金首を倒せば名が挙がるからね」

名を挙げる。『雷光のマリー』の名を、もっと言えば『マリー』の名をこの国に轟かせる。
それがマリーの目的の第一歩、だから果敢に挑んでいく。
それに。

「それに……お前みたいなのをほっといたら、また『ボクらみたいな人』が出るだろうがぁぁぁぁ!!!!!」


吼え立てるは怒り。
怒りのまま魔犬に襲い掛かる。
金属だって、結局『鳴神』を直接ぶち込めば関係ない。
だから、邪魔な犬っころから片づける。
一匹目には右手の雷光をそのまま球体にして叩き付ける。
二匹目には左手の『鳴神』を叩きこむ。
三匹目は左足から地面に流した雷で縛り付けて。
四匹目は雷撃を纏った右足で蹴り飛ばす。
犬をあしらい、その勢いのまま、ジグザグに身を振りつつ高速で接近していく。

ロザリー > 「名声を求めて命を落とすことも厭わないのか…。所詮人間など下賤なものか」

小さくため息をつき、表情から笑みが消える
その表情は、まるでマリーを憐れむような

「そのような逆恨み、知ったことではないな」

ヴンッと耳障りな音と共にロザリーの眼前に出現する、3メートル以上はあろうかという黄金の大剣
接近するマリー目掛けて、紫炎を纏った巨剣が薙ぎ払う

マリー > 「名声なんてのは要らない!ただ二人に、ボクの名前が届けばそれでいい!」

一人はもう目の前で死んでしまった。
でも、後二人。生きているかもしれない。
だったら、『マリー』の名が轟けば、二人にそれが届くかもしれない。
それがマリーの本当に目的、本当の願い。

「その邪魔を、するなあああああ!!!!!!!」

振るわれる巨剣。
躱そうと思えば躱せる、雷光の名は伊達ではない。
が、それだとジリ貧。だから無茶をする。
ギリギリの見切り……は、上手く行かない。脇腹を少し裂かれた。
でも、その瞬間。

「ここっ!!」

巨剣に思いっきり電撃を流し込む。
金と炎は、実は電気をよく通す。
相性がどうこうと言っておきながら、甘い。寧ろこの巨剣はマリーに対して相性最悪。
そう考えて、左手に貯めていた雷撃を一気に流し込んだ。

ロザリー > 「………」

電荷が巨剣に流れた瞬間、その巨剣は弾け飛びあたりには魔力の粒となった光が散った
具現化された金属は一振りという役目を終えれば消えてしまう
元々がそういう性質の魔術なのだ

「…諦めが肝心という言葉もあるがな」

とはいえ…あまり長時間騒ぎを起こせば別の者がやってくる可能性もある

先程と同じ魔法陣が更に無数に展開されてゆく
闇色の魔犬が、十数匹
唸り声を上げながら牙を剥いた
マリーの背後では倒れていた魔犬達が起き上がっている

挟み撃ちの形となったマリーに、その蒼碧の瞳をまっすぐに向ける

「最初に逃げていれば、命を落とすこともなかったであろうな」
そう言ってその視線を外す。
それと同時に、魔犬達は跳びかかってゆく

マリー > 「ちっ……!」

マズい。
どう判断してもマズい。自分の切り札ならこの状況を覆せるかもしれないが……。

「(クソっ、やっぱそう都合よくはいかないよね)」

空を見上げると、雲一つない夜空。星が綺麗だ、クソッたれ。
本当にキツイ、死ぬかもしれない。そんな状態。
でも。

「ボクは諦めないよ。諦めの悪さは、お姉ちゃんが褒めてくれたところなんだから」

ドジで間抜けで、いっつも失敗ばっかりだったマリー。
でも、大事な姉は、それを咎めながらもこう言ってくれた。
『マリーのいいところは諦めないところなんだから、一生懸命頑張りなさい』と。
絶望的な状況でも、死ぬかもしれない状況でも。
諦めない、最後まで抗ってやる。

「それに……まだ、終わりじゃない!」

180度全域への雷撃の地走り。
足止め程度だろう、大した時間も稼げまい。
それでもその瞬間を捉えて、この『鳴神』をブチ当てる。
それだけだ、それだけ出来れば夢に近づく。
いずれあの日に帰るため、諦めてなんかやるものか……!
決死の覚悟と共に、迅雷の術で一気に肉薄する。
目の前の狗を薙ぎ払い、開いてる隙間を潜り抜け。
狙うは心臓、雷撃を纏った右手を思いっきり突き立てる。

「『鳴神』ィィィィィ!!!!!!」

届け、決死の一撃。

ロザリー > その決死の右手が届く瞬間
吸血姫はその瞳を再びマリーへと向ける
その蒼碧の瞳は、冷ややかなものだった

その右手は確かに少女の左胸を貫いた

そう思えた、その時には吸血姫の体は霧となって霧散し、
淡く紫銀に輝く無数の蝙蝠が散り散りに飛ぶと、マリーの背後でロザリーの姿を形作る

「生憎だがお前とこれ以上遊んでやる暇はなくてな」

そう言って、まだ動ける魔犬3匹をマリーへとけしかける
爪と牙が、背後からマリーを切り裂かんと迫る

「どうしてもというならば吾の城を訪れるがいい。
 我が下に辿り着ければ、お前が満足いくまで遊んでやる」

マリー > 「くっそぉ!!」

振り返って魔犬を薙ぎ払おうとする。が、間に合わない。

「あ、ああっ!」

左腕と右足を抉られた。
一匹は鳴神の残滓で薙ぎ払ったものの、これ以上の戦闘続行は不可能だ。

「どこまでも、馬鹿にしてっ……!」

がく、と膝をつき、ぎり、とロザリーを見上げる。
だが、これ以上の攻撃は出来ない。雷を鎧として自分の体中に展開していないと、魔犬に食い殺されてしまう。
悔しかった。
負けたことも悔しかったが、それ以上に最後の目が悔しかった。
自分の願いを馬鹿にされた気がして、悔しさで涙が出そうなくらいだ。
だけどここで泣いたら完全な『負け』になってしまう。
だから、視線だけは強気に。
不屈の意志を眼光に乗せて、睨み付ける。

ロザリー > 「……ふん」
ギラついた視線をまっすぐに見据えて、鼻で嘲笑う
魔犬2匹を自身の側へと戻らせて

「莫迦にして…?
 まるで自分が莫迦ではないかのような言い方であるな。
 いや、言い換えよう…間違いなく利口ではない」

その眼光もつまらぬものと言いたげに視線を外し、同時にその左手の細指が踊る

マリーの周囲に出現した黄金のナイフが鮮やかに、マリーの衣服を一瞬にしてズタズタに切り裂いた

マリー > 「このぉっ!」

完全に馬鹿にされて、激昂して無理に攻撃しようとする。
が。
それより先に、服が切り裂かれた。

「え、ひっ!?」

ロザリーを襲う事など忘れ、自分の体を抱きかかえるようにして体を隠す。

「な、なにすんのよ、この変態……!」

羞恥に震えながら、きっと睨みあげる。

ロザリー > 「クク、良い格好ではないか。そのまま街を歩いて帰るのだな。
 運が良ければ誰にも見つかることなく帰ることもできるであろう」

───が、既に戦闘音によって周囲の邸宅には灯りが灯された家もあり、この場に人が訪れるのは時間の問題に思われた

「さて…思わぬ邪魔が入ってしまった。エリアの拡大はまたの機会にするとしよう。ではな」

側に座る魔犬の頭を一撫ですると、夜の闇を増幅したような闇に包まれ、
やがて膨張した闇が弾け飛ぶように大量の蝙蝠となって月灯りの下を飛び去っていった───

そして静寂の後、どやどやと街の警備隊が駆けつけるような足音が遠くから聞こえてくる

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からロザリーさんが去りました。
マリー > 「ふ、ふざけんなっ!こんなカッコで帰れるわけないだろっ!」

抗議するも、聞き入れられるわけも無し。
もう怒りやら屈辱やら羞恥やらで頭の中がごちゃごちゃだったが、さりとてこの場で固まっているわけにもいかない。
迅雷の術を使う余力もなく、結局こそこそと人目を忍んで無様に逃げ帰るしかできなかった。

「(ちくちょうちくしょうちくしょう!次は、次こそは絶対倒してやる……!)」

そして、その露出状態の帰り道の中、復讐を誓うマリーだった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からマリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にエドガーさんが現れました。
エドガー > 「ほぉ…どうやら既に多くの者が、王都に溶け込んでいるようだ。」

(黒い杖でリズムを刻むように地面を突きながら歩く男が呟く。肌に感じる魔の眷族の気配。人間達は必死になって守っているつもりだろうが、既に侵入、潜伏を許してしまっているらしいと独り笑う)

「いやはや、努力の方向を間違えているのではないかと思うが…私には関係の無い話かな」

(糸目に見える目元。その瞼を僅かに開いては、此処からでも見える王城を見据える。男の目的とは、何ら関係は無いと何処か投げ遣りな態度だった)

エドガー > 「まぁ、此処でも私が興味を惹かれるものに出会えると良いのだが。」

(どのようなものに出会えるのか。それだけが男が重要視することだった。魔族と人間の争い事など、既に自分とは別次元のようなものだと考えていた。革靴の足音を鳴らしながら整えられた道を歩く最中に、左右の豪邸を見遣る。ほぅ、と感心するように手を口元へ添えて)

「なかなか煌びやかじゃないか。人の中にも、美的感性が豊かな者もいるようだ」

(特に目を惹いた一軒の豪邸の前に止まり、そこから興味深そうに眺めている)

エドガー > 「おっと…はは、すまないね。そこの豪邸が余りに見事だったものだから、見惚れてしまった。何も企んではいないよ。 …仕方ないね、もう少し眺めていたかったが、大人しく何処かへ退散しよう」

(しばらく眺めていたら、警備の人間が近づいてきた。両手を軽く上げて言い訳をしながら、その場からいそいそと立ち去る。肩を竦めて残念そうな表情で、そのまま何処かへと歩いていくのだった)

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からエドガーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にロゼッタさんが現れました。
ロゼッタ > (路地奥にある洋館は、外装だけは絢爛豪華だが造りは小ぢんまりとしており、家先の明かりは今にも消えそうな街灯ひとつだけ。其処が何か知らぬ者が前を通ったら、化け物屋敷と勘違いするだろう。その中の一室で、どこか愉快気な罵声が響く。)

「お客様のご命令だろうがァ、つべこべ言わずにとっとと脱げ!!」

(――― 洋室のベッドに、華奢な体躯の少女が突き飛ばされる。少女は悲鳴を上げたが、構わず頬を張った。バシン、と小気味良い音に、己の口角が緩く上がり。隣で煙草をふかす小太りの男は、上等のスーツを脱ぎながら、己を制した。ニタリと嫌な笑みを深めて、胸に手を当て恭しく礼をしつつ数歩下がり)

「ごゆるりと。 ご用があれば備えの通信機器にて… ……。」

(少女の悲鳴を背に、部屋を出た。扉は出来るだけ静かに閉めるが、廊下を歩く足取りは乱暴で粗雑。小汚い階段を下り、一階まで向かおう。清掃は行き届いているが
だだっ広いだけで古めかしさが拭えないロビーへ。―――― 鋭い舌打ちをひとつ)

「成金、ロリコン、変態野郎。」

ロゼッタ > (金箔をあしらった趣味が悪いとしか言いようのない受付カウンターにて、暇そうにコンピューターを弄っている男を、指先でちょいちょいと招く。不機嫌を全面に出した表情で、しかし所作だけは優雅に口元に手を当てて)

「休憩をいただくよ。……いやなに、先の奴隷が反抗的でね。少々疲れてしまった。何かあったらすぐに連絡を。」

(男は曖昧に笑んで応える。こちらは慇懃に微笑んで手を振り、裏口から出て正面入り口へと回る。……今日は客の払いが悪い。休んでいては稼げないから客引きと休憩を兼ねようとの考えだ。しかし、何故オーナーである自分がこんな、低俗な仕事まで請け負わねばならないのか。答えは簡単。自分に商才がないのである。分かってはいる。認めたくはない。本日数十回目の舌打ちをし、煙草を咥えて火をつけた。人通りのない裏路地を眺めながら、気怠そうに紫煙を吐き)

「―――― ダリィ。」

(これが由緒正しき貴族の、唯一の後継者だなんて。先祖が見たら大泣きするだろう。)

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にノエルノートさんが現れました。
ノエルノート > 「ふう…人間は人使いが荒いのが難点だよねぇ…当分死体集めは難しそう…」

白銀の長髪をたなびかせながら、魔族にしては考えられないがまるで冒険者のように膨大な数の依頼書を手にして幼い印象の少女がなぜか全裸で溜息をつきながら路地裏を歩いていて。しばらくは何かを探すように路地裏を練り歩いていたが煙草を吸いながらけだるそうに路地を見つめている男を見つけて

「ねえねえ、辛気臭い、お兄さん。ちょっといいかな?」

とてとてと近寄ると顔を覗き込むようにしながら話しかけてみて。相手がこちらに応じるようにと思ってかどこから拾ったともしれない煙草を一本差し出して機嫌をうかがうように顔を見つめて

ロゼッタ > (やってられねぇ。我が城へ戻りたい。しかし城は建物から家具類雑貨類、金目の物は全て差し押さえ寸前であることを思い出し、大きく溜息を吐く羽目になり。どれもこれも全部、自分の所為だから。金だ。金が要る。客が要る。強欲に塗れたクソ野郎共。とはいえ誰も通りを歩かない……煙草を足元に捨て踏みにじった頃、 おやっと顔つきを変えた。 小さな影が歩いてくるのが見えたから。平素鋭い目をまん丸く見開き)

「…………… は、」

(驚愕も束の間、嘲笑を浮かべた。何故裸?―――考察するまでもない。下卑た嗜好の輩に買われたのだろうと予想する。此処は、そういう世界だ。 あろうことか己に話しかけてくる少女――恐らく――に、)

「何だい、お嬢ちゃん。ステキな格好しちゃって。私はこう見えて忙しいんだ、手短に……その小汚いモノは下げてくれないか。」

(声音だけは優しく、だが明らかに見下したような表情で。差し出された煙草はあくまでも優雅に、掌を突き出して制す。)

ノエルノート > 「おっ?お兄さんもそう思う?やっぱりこの格好が一番しっくりきちゃうよね?」

相手の予想や皮肉が理解できなかったらしくななめ上にずれた返事をすると丁重に断られた煙草を地面に捨てて踏みにじって。自分を明らかに見下した態度であることには気づいていないらしく特に怒ることもなければ手短にと言われたため言われた通りに単刀直入に要件を伝えて

「猫を探してるんだけど…こんな子。見かけなかった?教えてくれたら報酬は出すからさっ」

そういうと依頼書と同封されていた猫のあまり手がかりにもならないほどへたくそな絵を見せ付けて。報酬と言っても金銭はあいにく持ち合わせていないため何か相手にクエストでも頼ませようと考えていて

ロゼッタ > 「…… ああ、とても、良く、似合っていると思うよ。」

(皮肉も理解できない低俗民め。…否、子どもだから仕方あるまい。下卑た笑みを口角に侍らせ、わざとらしく区切って言葉を放ち。己の横柄さに毛ほども躊躇しない子供を、頭の天辺から爪先まで、遠慮のない視線で睨みつくす。――― 商品になるだろうか。見た目は悪かない、年端も需要はある…等々の考えは一旦停止し、突き付けられた紙を見た。途端、クッと喉奥で笑い)

「何だこりゃ。お嬢ちゃんの作品かい?ネコって。…潰れたオオサンショウウオかと思ったよ、はっはっは。」

(裸で寄ってきたから何かと思えば。暫し肩を震わせ笑った後、眼鏡の下から指を入れ浮かんだ涙を拭い、また皮肉をつらつらと。)

「……そんな得体の知れぬ生き物は見たことがないな。地球外生命体研究本部にでも行ってきたまえ、学者が手伝ってくれるかもしれないよ。」

ノエルノート > 「ああ、やっぱりね…私は絵なんて描かないよ。どうせならこうするし」

絵に対する酷評にさすがに皮肉と理解しつつも本人も同感らしく怒るどころか共感するように頷いて。しかしさすがにバカにされていることに気付いたためかこのままではプライドが許さないらしくにっこりとほほ笑むと自らの影を具現化させて本物同様の猫をかたどって

「今回の以来の猫は黒猫らしいからこんな感じになるのかな?…で、こんな猫見かけなかった?」

封印によって人間との戦闘行為自体は制限されているが戦闘以外なら今まで通り影をきれいに操れるようで、魔族の力を見せ付ければ相手が驚き畏怖するだろうと思いながらドヤ顔で再び聞き返して