2023/03/13 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にインビジブルさんが現れました。
インビジブル >  
 いくつかある狩場の中で最もお気に入りの場所。狩りやすく、量が多く取れ、服を脱がす手間も省け、そして初めから情事を期待してくる者も多い。だから彼女たちはここが好きだった。
 室外の露天風呂。パッと見るだけならばただ煙が濃いかな?程度でおかしなところは見えない。
 だがその煙は魔物の煙。入り込んだものを喰らいつくす怪談の主の住まう領域。
 足を踏み入れれば最後精魂尽き果てるまで絞りつくされる魔の領域。
 とはいえ。

「ハフゥ」

 気が抜けた少女の声からそれは感じ取れないかもしれない。
 獲物を釣る為に霧の中で姿だけ具現化。金髪の少女が入っているのが入る者にはうっすらと見えるだろう。 
 温泉に入る勝負で彼女が勝ったらしい。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にアレスさんが現れました。
アレス > 貧民街のチンピラにしては結構な額を払って温泉に。
お偉いさんの護衛がどうのこうので臭い匂いをさせてるのはよろしくない。みたいな説明はあったのだが学が無いアレスにはよくわからなかった。
アレスにわかるのは自分のなけなしの金がさらに減ったという事で、それはアレスを苛立たせるのに十分な事情であった。

「けっ。こうなったら女でも……ん?」

女を抱く機会も少ないチンピラにとって性欲の解消は重大な関心事であったが、女を買う金など持っているはずも無い。つまり襲えるものなら襲ってしまおうと思っていたのだが急に出た霧に眉をひそめた。

「ひっでえ湯煙だぜ……よおねーちゃん。何してるんだ?」

湯煙の奥に女……であろう人影を見つけて顔を醜く歪ませる。
これだけ視界が悪く相手が一人であるのならばヤれる。そう確信して近づいた。

「ちっ」

相手がどうやら子供であることを確認すると舌打ちしたが犯す気がなくなるほどではなく。アレス好みの豊満な女性ではないが穴はある。そう考える程度の下種であった。

インビジブル >  
「あ、ひっどーい! 舌打ちしたー!」

 ブーブーと文句を言う。
 ニヤニヤして。

「なになに、私がもっと大人の人だったらイイコトでもしたかった?」

 なんてニヤニヤという効果音が合いそうな声音で話しかける。霧が濃いので顔はしっかりとは見えないが、ほほ笑む顔は見えるだろうか。
 不自然な現象が起こるのはその後。

「まぁまぁ、そんなところで立っていないでご一緒にいかがですか?」

 まるで姿が変わったかのようにさっきまだ幼い少女がいたはずの場所に別の女性が現れる。
 霧が濃いので見落としたとみるか変化したとみるかは彼次第だろうか。

「それとも、ご一緒は嫌でしょうか?」

 フフフと笑うその姿は銀色の髪をした女性。好みに合いそうな豊満な女性だ。

アレス > 「おう。ガキは好みじゃねえ」

単純とか粗暴とか言う言葉が似合うアレスであったが素直でもあり。女の台詞にあっさりと頷いた。

「お?おう……??」

急に女の姿が変わって抜群の女になったように見え。何が起こったのかと辺りをきょろきょろ見渡すが霧で全く視界は無い。
首を幾度か振って我に返ると女の隣に腰掛けまずはその豊満な胸を揉みしだこうと思った。

「おう!話が分かるじゃねーか!! ……金はねーぞ?」

手を伸ばしかけてこれだけの女なのだから結構金をとる娼婦であるという可能性に思い至った。
だが目の前に極上の女がいて我慢できるような性格をしてないアレスは踏み倒せばいいかとあっさり決めて。

インビジブル > 「フフフ、お金なんてとんでもありません」

 なんてニコニコと笑う。伸ばしたはずの手は胸にたしかに触れたはずなのにスッと空を切るだろう。
 そのままスッと顔を寄せて。

「ですが、こちらが何かを言う前に手を出す方は……お仕置きが必要でしょうか?」

 なんて声をかけると、霧が濃くなる。それこそ姿すら見えなくなるほどに。

「ねぇねぇ、お姉ちゃん! こいつ私が遊んでいい? 好みじゃないって言われたし。私が壊したーい!」

 なんて最初に聞こえた声が聞こえる。この時点でもうこの女が、女たちが普通じゃないと気が付けるだろうか。
 だが、そう思えたか思えなかったか。次の瞬間には水から半透明な手のような何かがバシャバシャと無数に現れると一斉にアレスに向かう。
 霧の中なのに見えるだろうか。水の中、謎の黒い穴が。水も流れ込まない異常な穴がぽっかりと開いているのが。

アレス > 「な!?なんだぁ???」

おっぱい揉みしだくはずが空を切ってしまうと情けない声を出した。

「あっ。テメェ コラ。待ちやがれ!ヤらせろぉ!!」

女の姿が消えると怒声を上げた。あまりにテンプレな台詞を言っているようだが、貧民街のチンピラなどそういうものである。単純に語彙がほとんどないのだ。
アレスの場合話すほうはともかく読み書きが相当怪しいレベルだったりする。

「な……?」

壊すと言われてぶっ殺す!とか言い返そうとした矢先に謎の手?に襲われて。何が起こったのかも理解できていないまま黒い穴に飲み込まれてしまうのだろう。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からインビジブルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からアレスさんが去りました。